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目録のチェックの話

月末にお送りしています「MARCや検索のはなし」第4弾です。
毎日せっせと新刊MARCを作っています。今日はMARC作成にスポットを当てた話題をお送りしようと思います。

MARC作成の仕事では正確さを保ちつつ、速く作業をすることが使命です。正確さを重視しすぎるあまり、1冊の本に時間をとられ過ぎては毎日山のように入荷してくる図書を捌ききることができなくなってしまいますし、かといってどんなに作業が速く終わっても、出来上がったMARCに不備があっては論外です。

チェック時に目録の採り方について迷った本は、他の人の目でも見たり、さらに時には経験豊富な諸先輩方の意見もうかがいつつ、正確さとスピードのバランスを保ちながら、常に適度な緊張感とともに仕事に励む毎日です。


さて、MARCを作成する際は、データを入力した後、別の者がチェックをするという風に作業を進めています。チェックは入力の経験を積んだ者が担当します。チェックを正確に速く行うためには、ちょっとしたコツもあります。

例えば著者についている、著述区分(「著」や「編」など、責任表示についている役割を示す表示のことを指します)をチェックするときは、一緒に標目指示のチェックをします。「著」が二人までならば標目指示は一人目の著者につき、三人以上なら標目指示はタイトルにつきます。「編」なら標目指示は主にタイトルにつきますので、このような関連する項目はまとめてチェックするのが有用です。

新書やノベルスを見たら装丁コードのソフトカバーがあるはずと予測をしたり、巻次のあるものを見たら巻冊記号や配本回数の有無、刊行形態区分(全集・年鑑・上下巻などを区分するコード化情報)を一緒にみるようにすると、見落としが防げますし、チェックも素早くできます。

また出版者やシリーズで特徴がみられるものもあります。講談社文庫や角川文庫は著述区分がついていない本が多いので、“著”ではなく、図書にないことを補記していることを示す“[著]”となることがしばしばです。またハーレクイン刊の本の著述区分は“著”ではなく“作”となることが多いです。(標題紙が“作”、 奥付が“著”、その他のところには著者の著述区分がついていないことが多いため。情報源の優先順は標題紙>奥付>背>表紙です。)

毎日たくさんの本をチェックしていくことでこうした法則が身につき、鼻が利くようになってきます。そして徐々にチェック者として一人前になっていきます。

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