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今年は120周年~分類/件名のおはなし・11~

分類や件名について分類部署メンバーが自由に語る、月一回の企画記事「分類・件名のおはなし」。
さて、唐突ですが、ミステリーはお好きでしょうか。今年は、「ミステリーの女王」といわれたアガサ・クリスティーの生誕120周年にあたります。
日本でも絶大な人気を誇るクリスティー。私も中学生のころから10代を通して夢中になり、創元推理文庫とハヤカワ・ミステリ文庫の既刊作品を片端から買い集めたものでした。さて、アガサ・クリスティーは20世紀に活躍したイギリスの推理作家ですが、彼女の作品は、図書館ではどこにあるでしょうか。
ご存知のことと思いますが、ここで「日本十進分類法-新訂9版-」(以下NDC)の9類についてざっとおさらいしてみましょう。
NDCの9類は「文学」です。注記には「文学作品は,原作の言語によって分類する;次いで文学形式によって区分し,更に特定の言語の文学に限って,時代によって区分する」とあります。
「言語によって分類する」とは、具体的には、9の後に「言語区分」の数字を付加するということです。例えば、言語区分の1は「日本語」、2は「中国語」、3は「英語」、4は「ドイツ語」、5は「フランス語」などです。
「文学形式によって区分する」とは、文学のジャンルを表す数字を付加するということで、1は「詩歌」、2は「戯曲」、3は「小説.物語」、4は「評論.エッセイ.随筆」、5は「日記.書簡.紀行」などとなっています。
「特定の言語の文学に限って,時代によって区分する」とは、日本文学、中国文学、英米文学、ドイツ文学、フランス文学では、時代によって細分するということです。
日本の現代小説はNDCでは913.6と表されますが、9は「文学」、1は「日本語」、3は「小説.物語」、「.」以下の6は時代(日本文学では近代以降)をそれぞれ意味しているのです。
アガサ・クリスティーの小説作品がNDCでどのように表されるか、これにしたがってみてみますと、文学なので9、次に原作の言語が英語なので3、続いて小説なので3、さらに時代は20世紀なので7(日本文学以外の20世紀の文学は7、またNDCの新訂8版では英米文学に時代区分はありません)がきて、合わせると、933.7となります。
クリスティーは戯曲も執筆しています。これは、93の後の文学形式が2となり、932.7と表されます。


ところで、クリスティーという作家についてもっと知りたい、と思ったらどの棚を見ればいいでしょうか? 詳しい説明は省きますが、クリスティーのような英文学の20世紀の小説家の個人伝記や研究書は930.278(8版では930.28)という分類が付与されています。「アガサ・クリスティー自伝」もこの分類です。

オンライン書店ビーケーワン:アガサ・クリスティー自伝 上
アガサ・クリスティー
乾 信一郎

早川書房(2004.10)
発送可能時間
オンライン書店ビーケーワン:アガサ・クリスティー自伝 下
アガサ・クリスティー
乾 信一郎

早川書房(2004.10)
発送可能時間
最近刊行されたものに「アガサ・クリスティを訪ねる旅」があります。
オンライン書店ビーケーワン:アガサ・クリスティを訪ねる旅 鉄道とバスで回る英国ミステリの舞台
クリスティーの生涯と作品の舞台をたどってイギリス各地を巡るというもので、クリスティーのディープなファンにも楽しめる内容になっていると思います。

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