リンボウ先生(林望氏)が現代語訳した「謹訳源氏物語」。
文章が格調高く、かつ読みやすいと評判です。
実はこの本、カタチとしても読みやすいのです。
装丁をリンボウ先生みずから手がけ、
「コデックス装」という新しい造本法を採用したとのことです。
(林望氏のHP内に写真と解説がありましたのでリンクしました。
写真日記2010年3月22日です。)
その特長は、開いて読みやすい。
どのページもきれいに開いてピッタリとまるので、
手でずっと持っていたり、押さえていたりする必要がないのです。
机で本を読んでいて、ちょっと姿勢を変えたり、メモをとったりするときに、
ペーパーウェイトがない…代わりになるモノもない、しおりもない…。
こういうストレスがなくて、ぱっと開いて置ける装丁。
スグレモノだと感心しました。
カヴァーをとると、本体の背はむき出しで背表紙がありません。
コデックス装はまだ知られていないだろうし(図書に説明はありましたが)、
「この本はこれでいいのか? もしかして製本ミス?」
と心配になる利用者もいるかもしれない。
装丁について説明する必要があるときは、MARCに「形態注記」を入れます。
今回は「347A1:コデックス装」です。
装丁について主だったものは「装丁コード」にコードで入力してあります。
TOOL-iでも装丁コードを条件にして検索できます。
今回の「コデックス装」については、装丁コードではありません。
注記です。「すべての項目」に入力すれば「謹訳源氏物語」にヒットします。
また、装丁コードには2012年1月から「天アンカット」が仲間入りします。
昔ながらの文庫シリーズでは、今でも図書の「天」を裁断していないものがあります。
少し前までは、こういう本もあると了解されていたのですが、
最近はお問い合わせをいただくことが多いので、
装丁コードに入れることにいたしました。
図書のカタチはこれ以上進化しないかと思いきや、
「コデックス装」はかなり便利で、いい感じでした。
今年はビックリするほど軽いガイドブックシリーズもありました。
装丁・造本のますますの進化、期待しています!