先日(といっても去年なのですが。)こんな本が来ました。
アスキー・メディアワークス(2011.12)
あるアイドル歌手のライブ写真集なのですが、この本の特異性にお気づきになられたでしょうか?
そう、これは「人間」のアイドル歌手ではなく、「バーチャル」アイドル歌手のライブ写真集なのです。
ボーカロイドは2011年7月、ついにロサンゼルスでライブをおこない、その写真集まで出してしまったのです。
と、言っても何のことかわからない方もたくさんいらっしゃると思います。(斯く言う筆者の身近にも、つい最近まで「ボーカロイドって何?」という人間がいましたし…)
簡単に「ボーカロイド」についてご説明すると…
「ボーカロイド」とは“ヤマハが開発した音声合成技術、及びその応用製品の総称”です。
しかし、時として”応用製品に設定されているキャラクター”の事を示し、今ではこちらの意味で使われることの方が一般的かもしれません。(Wikipedia内VOCALOIDの項目参照)
後者の「ボーカロイド」には『初音ミク』や『がくっぽいど』などさまざまなキャラクターが存在しており、日本では彼ら(?)のアルバムがオリコン週間チャートで1位を獲得したりもしています。
この本で取り上げているロサンゼルスのライブを行ったのは『初音ミク』『鏡音リン』『鏡音レン』『巡音ルカ』の4人(?)で、クリプトン・フューチャー・メディアの「キャラクター・ボーカル・シリーズ(CVシリーズ)」のキャラクターたちのようです。
そういえば以前、実在しない人(物)も典拠ファイルを作成していると、このブログで紹介させていただいていました。
ロスでライブをするほどなのですから、『初音ミク』さんもいるかな?と思って、人名典拠ファイルを調べてみました。
人名典拠ファイルがあるのに対象冊数が0件になっています。これはいったい?と思ったら、出現フラグがAV(著)になっていました。AV資料の歌い手として登場していたから本は0冊なのですね。なるほど。
『なめ猫』や、アニメ『超時空要塞マクロス』の「リン・ミンメイ」のように、1980年代から模索されていたバーチャルアイドルも、単純に人が声を当てるだけではなくなり、海外進出(ついでに人名典拠へも進出)を果たすまでになったと思うと感慨深いものがあります。
今後の「ボーカロイド」の活躍にも目が離せなくなりそうです。