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2012年5月25日 アーカイブ

2012年5月25日

秘伝?被伝者の術~MARCや検索のはなし~


こんにちは。新刊目録 大谷です。

毎月月末にお届けしている「MARCや検索のはなし」。
今日は被伝者と、背ラベルのあの文字~図書記号についてのお話です。

被伝者(ひでんしゃ)とは、伝記などの本で、書かれている対象になっている人のことです。
先日ご紹介した新島八重の関連本ですと、描かれている対象「新島八重子」が「被伝者」となります。


日本十進分類法 新訂9版の解説p39

「個人の伝記は書かれた対象(被伝者)の姓名で検索されることが多いので,被伝者名を図書記号に含めて探しやすくすることが望ましい。」

と、あります。


TRC MARCでは、個人(2人まで)の伝記および作品研究(分類が288.4△,289.△, および1類・7類・9類)については、被伝者でまとめたいというご要望にお応えするべく、仕掛けをほどこしています。
MARCの中の図書記号を入力する部分には、著者・タイトルのほか、第3の文字として個人件名のカタカナ1文字目を入力しているのです。

たとえば
「知れざる炎」秋山駿著 分類:911.52  件名:中原中也
ですと、

図書記号を著者の「アキヤマ・・・」から採用するのではなく被伝者「ナカハラ・・・・」として背ラベルを「911.52 ナ」とすることが可能です。

これなら、例えば、下記のような「中原中也についての本」を一緒に並べることができます。

「知れざる炎」秋山駿著
「在りし日の歌」大岡昇平著
「中也ノオト」野々上慶一著


ただし、著者の大岡昇平をめあてに探す利用者もいらっしゃるでしょうし、図書館の規模・蔵書構成でも事情は違ってきます。被伝者の図書記号をどの範囲で採用するかは、各図書館のお考えによります。たとえば分類289.△ だけに限るとか、いっそ被伝者は採用しないとか。各図書館と取り決めをしたルールに応じて請求記号に反映いたします。

さて、この記事を作成するにあたって、まず「被伝者」を単語登録しました。変換するとどうしても「秘伝」になってしまいますものね。「図書館ギョーカイ用語」のひとつと言えそうです。

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