« データ部あるある 1 | メイン | 空を見上げて »

秘伝?被伝者の術~MARCや検索のはなし~


こんにちは。新刊目録 大谷です。

毎月月末にお届けしている「MARCや検索のはなし」。
今日は被伝者と、背ラベルのあの文字~図書記号についてのお話です。

被伝者(ひでんしゃ)とは、伝記などの本で、書かれている対象になっている人のことです。
先日ご紹介した新島八重の関連本ですと、描かれている対象「新島八重子」が「被伝者」となります。


日本十進分類法 新訂9版の解説p39

「個人の伝記は書かれた対象(被伝者)の姓名で検索されることが多いので,被伝者名を図書記号に含めて探しやすくすることが望ましい。」

と、あります。


TRC MARCでは、個人(2人まで)の伝記および作品研究(分類が288.4△,289.△, および1類・7類・9類)については、被伝者でまとめたいというご要望にお応えするべく、仕掛けをほどこしています。
MARCの中の図書記号を入力する部分には、著者・タイトルのほか、第3の文字として個人件名のカタカナ1文字目を入力しているのです。

たとえば
「知れざる炎」秋山駿著 分類:911.52  件名:中原中也
ですと、

図書記号を著者の「アキヤマ・・・」から採用するのではなく被伝者「ナカハラ・・・・」として背ラベルを「911.52 ナ」とすることが可能です。

これなら、例えば、下記のような「中原中也についての本」を一緒に並べることができます。

「知れざる炎」秋山駿著
「在りし日の歌」大岡昇平著
「中也ノオト」野々上慶一著


ただし、著者の大岡昇平をめあてに探す利用者もいらっしゃるでしょうし、図書館の規模・蔵書構成でも事情は違ってきます。被伝者の図書記号をどの範囲で採用するかは、各図書館のお考えによります。たとえば分類289.△ だけに限るとか、いっそ被伝者は採用しないとか。各図書館と取り決めをしたルールに応じて請求記号に反映いたします。

さて、この記事を作成するにあたって、まず「被伝者」を単語登録しました。変換するとどうしても「秘伝」になってしまいますものね。「図書館ギョーカイ用語」のひとつと言えそうです。

20120525.jpg


コメントを投稿

(投稿されたコメントは、TRCデータ部の営業時間内にアップいたします。投稿から掲載までお待ちいただく場合がありますがご了承ください。なお、メールアドレスはTRCデータ部から直接ご連絡する場合にのみ使用いたします。第三者への公開・提供はいたしません。)

2024年3月

          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            

アーカイブ

全てのエントリーの一覧

リンク