今年の大物 ~典拠のはなし~
「新編国歌大観(オンデマンド版)」全20巻が刊行されているのは
ご存知でしょうか?
その内容細目は、内容タイトル・内容著者が大量にありました。
データ部ではタイトルや著者の読み方、
著者として補記する必要があるかなど、古典の資料を調べる必要があり
資料の取り合い? いえいえ譲り合いながら、 なんとか完成に至りました。
私は著者典拠を担当。古典の著者は読み方を調べる以外にも
統一標目を決めるため、あらゆる資料を調べ、照らし合わせながら
典拠ファイルを作成しています。
著者数が多いだけに、時間と手間だけでなく視力・体力(?)も 消耗しました。
そんな中、NHK大河ドラマにも登場した清盛の父「平忠盛」の歌もあり
新規典拠ファイルを作成中、テーマ音楽が頭をよぎり
資料の解説を読みながら、しばし雅な世界に癒されました。
因みに学校では「平清盛」のヨミは「タイラノキヨモリ」と習いますが
典拠ファイルでは以下の通り
110000565060000
漢字形:平清盛
カナ形:タイラ,キヨモリ
これは日本目録規則1987年版改訂版(日本図書館協会発行) 著者標目の章
『おおよそ中世までの人名で慣用される、姓と名の間の「ノ」の読みは
原則として採用しない』に準じています。
しかし、世の中に目録規則を熟知されている方はそう多くいないはず
「タイラノキヨモリと入力してもヒットしない」
「教科書と違うじゃないか!」などのご意見に応えるべく
参照形として
110000565064001
漢字形:平清盛
カナ形:タイラノ,キヨモリ
も作成しています。
残念ながら清盛には歌の才はなかったようですが、
資料・解題から、さまざまな歴史上の人物の人間味を感じることもあって
学生時代の「苦手な古典」も見方が変わりました。