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西洋人も姓名の順~典拠のはなし~

これまでの入門企画でも事例をご紹介してきましたが、個人名典拠ファイルは日本人だけではなく、海外の著者などももちろん作成しています。
今回は欧米圏の人名(西洋人)に焦点を当ててみましょう。

漢字圏以外の人名は西洋人として扱い、ファイルを作成しています。
図書に「スティーヴン・キング著」とあっても、図書に表記された形のままでは統一形を作成しません。
統一形はアルファベットの綴りとカナヨミをセットで作成します。
また、西洋人の多くは「名姓」の順序で表記されているため「姓名」の順序に並び替えます。
すると、このような感じになります。

1201272-0000 King,Steven(キング,スティーヴン)
1201272-0001 スティーヴン・キング
(IDは実例ではありません)

統一形(0000)のもとに図書に表記された形を記述形(000△)としてまとめます。

西洋人はカタカナへの翻訳のされ方が時代や訳者によって異なる場合が多いので、さまざまな表記違いを統一形のもとにまとめていきます。こちらの記事(第4回)でご紹介した「異名同人をまとめる」という方式です。

シェイクスピアで検索してみると...。

1201282-0000 Shakespeare,William(シェークスピア,ウィリアム)
1201282-0001 ウイリアム・シェークスピア
1201282-0002 W.シェイクスピア
1201282-0003 沙翁
1201282-0004 西基斯比耶
1201282-0005 セーキスピーア
1201282-0006 ヰリアム・シヱークスピーア
(IDは実例ではありません)

もしも手元にある本に書かれている形が西基斯比耶だったら、ほかの本を探そうと同じ形で検索してみても手元の本以外はヒットしないかもしれません。
ですが、典拠ファイルがあれば、表記は違えど同じ著者として様々な表記の本をまとめて知ることができるのです。

ちなみに西洋人で記述形のバリエーションが多いファイルの筆頭に「宝島」や「ジキル博士とハイド氏」の著者であるロバート・ルイス・スティーヴンソンが挙げられます。

よろしければ、こちらの典拠ファイルも検索してみてください。

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