先月、2025年のノーベル賞各賞の受賞者が発表されました。日本をはじめ、世界各国の研究者や作家、団体に贈られる賞なので、各国の人名について思いをはせるよい機会だなあと毎年思います。
そこで、今回の「典拠のはなし」では、西洋人(欧米圏の人)の個人名典拠ファイルについて「ノーベル文学賞」受賞者を例に解説します。
1938年に受賞したパール・バックの優先名称(統一形)はこちら
欧文形 Buck,Perl
カタカナ形 バック,パール
【基本の形】
西洋人の個人名典拠ファイルの優先名称(統一形)は、欧文形(アルファベットでのつづり)とヨミのカタカナ形の組み合わせとなっています。
多くの西洋人の名前の表記は、名前(パール)+姓(バック)の順番となっています。個人名典拠ファイルは姓+名前の順番に記録するので、倒置して姓を前に出すようにします。
※図書に書かれた形、例えば「「大地」パール・バック著」のパール・バックは記述形として優先名称(統一形)のもとに記録します。
記述形を一部抜粋してみました。
優先名称 Buck,Perl
バック,パール
記述形 パール バック
パアル・バック
パール・バック
Pearl S.Buck
バック
などなど
参考→「異名同人をまとめる」
さて、今年(2025年)のノーベル文学賞受賞者は、クラスナホルカイ・ラースロー氏でした。
この方の個人名典拠ファイルはこうなっています。
優先名称 Krasznahorkai,László
クラスナホルカイ,ラースロー
記述形 クラスナホルカイ・ラースロー
あれ、倒置していない。なぜでしょう?
クラスナホルカイ氏はハンガリー人。ハンガリーの名前の表記は、一般的に姓+名です。
つまり、姓(クラスナホルカイ)+名(ラースロー)ということ。
記述形の語順がそのまま優先名称(統一形)の語順になります。
これまで解説した各国の名前についての記事はこちら↓
・ファミリーネーム教えてください
・西洋人のおなまえ ロシアの場合
・皆持ってると思いがち
興味がありましたら、ぜひごらんになってください。