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2017年11月10日 アーカイブ

2017年11月10日

責任表示の読みが違ったら~典拠のはなし~

こんにちは。典拠 小松です。
今年半ばから典拠ファイルのメンテナンスに携わっています。

メンテナンスは「保守」「整備」。

というと堅苦しいのですが、個人的には庭木の手入れに似ているのかなぁ、と思います。

毎日水を遣って、はみ出た枝をパッチン、時期になったら肥料も入れて、枯れたものを植え替えて...。さまざまな庭仕事が絶えずあるのと同様に、典拠ファイルにもまめなメンテナンスが不可欠です。

MARCも情報の追加は多い(どんな情報を追加しているのかはこちら)のですが、典拠ファイルは日々新しく出版される図書によって変更が加わる可能性が高いので、より生きものに近い気がします。

例えば、著者の読みについてです。

基本的な著者の読み(典拠ファイル統一形のカタカナ形)は、その著者の最初に入手した図書をもとにして決まります(詳しくはこちら)。

その後、同じ著者の著書が出版された際には、新刊目録チームが新しい図書の情報と照らし合わせます。そこで問題なければMARCの責任表示と典拠ファイルを紐付けをします。

既存の典拠ファイルと読みが違う場合は、新刊目録のチームから連絡があり、私たち典拠チームの出番となります。

ここで典拠ファイルを修正(典拠訂正といいます)をすることになるのが次の3つのケース。

・最初に入手した図書にルビがなく、推定で振ったヨミが今回の図書に記載された読み方と異なるケース。

図書にルビがない限り、調べる手段が多い現代でも万策尽きて推定となってしまうこともあります。ルビのある図書が入荷した際に正しい読みが判明すれば典拠訂正をします。くれぐれも「人名にはルビを!

・東洋人の典拠ファイルを作成する際に、図書に日本語での漢字の読み方しかなかったり、ルビがなく日本語読みを推定で付与したが、母国語のルビがある図書を入手したケース

TRCでは東洋人の統一形のカタカナ形は母国語読みを優先して採用しています。そこで母国語読みが判明した際には、統一形の日本語読みのカタカナ形から典拠訂正をします。

・典拠ファイルを作成した際に根拠とした図書が誤植だったケース

新旧の図書の出版者に確認。参考資料にあたったり、時には著者本人に連絡を取ったりして事実を究明。誤植と判明すれば典拠訂正します。

上記の3つは白黒がはっきりして典拠訂正ができるケースですが、同一著者の図書のルビが途中で変更になったり、出版者によって異なったりする「白黒つかないケース」もあります。こうしたものは参照形を作成するとともに、記録、調査して今後のメンテナンスのための資料にします。

典拠訂正した主なものは、「人名典拠ファイル訂正・変更」として、
■ 『週刊新刊全点案内』 「お知らせ」ページ内
■ TOOLi 「お知らせ」ページ内「定期更新情報」
にて、ご案内しています。

大事なことなのでもう一度言います。
どうか「人名にはルビを!」

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