典拠・望月です。
TRCでは論文集や小説集など複数の独立した作品が含まれる図書のMARCに対して内容細目ファイルを作成しています。
そして、内容細目の著者も典拠コントロールしていることを、以前ご紹介しました。
「内容細目も典拠しています」
(2005年からスタート。それ以前のものは典拠ファイルがないものもあります)
内容細目の著者は、図書から得られる情報が少ないものがままあります。著者紹介がない、カナヨミがない、西洋人の原綴がない、どこの国の人かわからないetc.
所属先と書いた内容くらいしかわからない状態で典拠ファイルを作成するのはなかなか骨が折れる作業です。ヨミがなければ推定をし、同姓同名のときは別人なのか同一人物なのかを判断し、原綴がないときは所属先のホームページなどにあたって探し出す。こうして適切にファイルを作成できるようにしています。
そんな風に典拠ファイルを作成したのち、今度は単著として図書を出版することがあります。典拠班にその図書が来たら、大事な「情報源」の次に確認するのが「著者紹介」。ここに詳しい情報が記載されていれば、典拠ファイルに追加で記録しています。
詳しい情報とは、たとえば肩書、勤務先、専門分野、生年などのこと。同定識別に役立つような情報をピックアップして追加しています。
大学院生だったのが大学の講師になり、准教授になり、教授になり...。研究者の人だと、こんな肩書の変遷を知ることもあります。
→参考「情報追加」
また、「情報源」からは、原綴やヨミを確認します。
最初にファイルを作ったときは不明だった情報が、図書から判明したときは典拠ファイルを訂正しています。
→参考「資料昇格」
内容細目の著者から作成した典拠ファイルは、のちのち情報が加わって、よりしっかりとした典拠ファイルに育つようなイメージがあります。