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内容細目の著者のこと 続き

一年くらい前に 内容細目の著者のことを少し紹介しました。
おまたせいたしました。やっと続きをお話する機会がやってまいりました。

ここで…内容細目ってなんだっけ?という方はこちら()。

こちらからお分かりかと思いますが、内容細目の著者は1冊の本をまるまる書いた著者ではなく、1冊の本のうち第1章の部分のみ担当、とかシンポジウム講演集の中のパネルディスカッション部分の司会だとかで登場、という人物が多いのです。
内容細目部分の著者紹介のうち、ルビがふってある本は、おおよそ半分くらいでしょうか。そこで人名事典で調査開始、となるのですが、これがなかなか…。

たとえば、この本


渥美清さんにゆかりのある人たちが語っています。この皆さんが内容細目の著者となるわけです。が、本にはルビがふってありません。そして語り手として登場するのは、渥美さんの小学校時代の同級生とか、お蕎麦屋さん、佃煮やさん、旅館の女将さん…。人名事典を調べても載っていない率が高いのです。
八方手を尽くしても読み方がわからない…このような場合どうするかというと、「おそらくこう読むのではないか」というカナヨミを与えることになります。もちろん、適当に与えているわけではありません。こういうときのために、一つの姓(あるいは名)に対して一つの読み方を定めてあります。例えば「森口」は「モリグチ」とにごって読み、「健」は「タケシ」ではなく「ケン」と読む、というように…。(これらは、姓名の読みかたの事典類を参考にしながら決めています。)それに則り、一つ一つ照らし合わせながらカナヨミを与えます。この本のときは初出31人のうち、22人のカナヨミをこの作業で地道に与えていきました。

西洋人の原綴や著者紹介が本にない、これも内容細目の著者ではよくあること。原綴は、出版社に問い合わせたり原書をWebで検索・調査したりすることでおおよそ判明します。むしろ困ることが多いのは、著者紹介がないときです。
西洋人の統一形は国籍や使用言語をふまえて決めてゆくため(詳しくはこちら)、著者紹介がとても重要です。著者紹介がないときは、本文中に、出身国とか居住地などの手がかりを求めることになります。やっとどこの国の人かわかったら、各国人名について書いてある資料を抱え込み、それぞれの国の人名の成り立ちを確認しながら統一形を決めていきます。…ということなので、世界各国の人が集まったシンポジウムの本などで著者紹介がないと、半泣きです。

新刊書の著者で初出・再調査などが必要なのは1冊平均1.25人。内容細目の著者になると1冊平均4.76人。最近では1冊で初出50人弱(!!)という本も。
どんなに人数が多かろうと〆切は厳守、調査のタイムリミットは1週間。いかに正確にかつ効率よく作業を進めていくか、試行錯誤の日々なのです。

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