姓か、名か、それが問題だ ~典拠のはなし~
個人名典拠ファイルを作成するにあたり、姓と名から構成されている場合、どこが姓か名かを知る必要があります。
というのも、「日本目録規則」で姓名の形をもつ名称は
姓を記録し、分かち記号で区切って、名を記録
と定められているからです。
例)長田/弘 オサダ,ヒロシ
これが地味に難しいのです。
悩みポイントをいくつかご紹介します。
「姓と名の区切りはどこ?」
著者名が、森保太郎(もりやすたろう)と書かれていた場合、可能性としては二通りが考えられます。
森保/太郎 モリヤス,タロウ
森/保太郎 モリ,ヤスタロウ
このような場合はコピーライトなど、欧文でわかち書きされている箇所を探し、姓と名の区切りを判断します。
図書の表記:森保太郎 コピーライト:Yasutaro Mori
優先名称:森/保太郎 モリ,ヤスタロウ
「姓はどこ?」
エイミー・クロウス・ローゼンサールが著者名の場合、名称それぞれの要素を判断する必要があります。日本人名は姓と名の要素がひとつずつで構成されることがほとんどですが、外国の場合は複数で構成されていることが少なくありません。
Yehuda Ben‐Yishay
ジャン=ミシェル・シャリエ
LAI Thanh Hoa
A.K.ローゼンタール
複数の姓や名をつなぐ記号、姓を強調した表記、名をイニシャルにした形などを手掛かりにすると判別しやすくなりますが、確実とは言えません。典拠ファイルを作成する前に必ず確認するのが、「VIAF(バーチャル国際典拠ファイル)」。各参加機関が作成した優先名称を見ることができます。
図書の表記:エイミー・クロウス・ローゼンサール
VIAF:Rosenthal, Amy Krouse
優先名称:Rosenthal,Amy Krouse ローゼンサール,エイミー・クロウス
(※欧米などの場合、多くが名→姓の語順で表記されるため、優先名称は姓→名の語順に倒置して作成します)
「そもそも姓名の形なの?」
姓や名とは関係のない筆名(活動名)という場合もあります。また、世界には姓の概念がなく個人の名のみを用いる国があります。
姓名の形でない名称は、分かち記号を入れず、書かれた語順のまま優先名称となります。使用言語や活動地に気をつけ、VIAFでの確認もしっかりと行います。
・筆名(活動名)の例
優先名称:そわんわん ソワンワン
優先名称:Lady Gaga レディー・ガガ
・姓を用いない国の例
優先名称:Seni Saowaphong セーニー・サウワポン ※タイ人名
優先名称:Gísli Pálsson ギスリ・パルソン ※アイスランド人名
人名辞典やVIAFなどの参考資料で確認ができればよいのですが、掲載のない場合は判断に悩みます。
姓、複合姓、連結姓、旧姓、父称、ファーストネーム、ミドルネーム、雅号、称号...
姓のない国?国際結婚?
もしかして筆名?
図書の著者標目となる典拠ファイル。姓か名かの判断によって、図書館の背ラベルや配架に影響する重要な部分ですので、慎重に確実に、典拠ファイルを作成しています。
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明日8/8(土)よりデータ部は夏季休業に入るため、ブログの更新をお休みさせていただきます。再開は8/17(月)の予定です。よろしくお願いいたします。