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2026年8月 アーカイブ

2026年8月 7日

姓か、名か、それが問題だ ~典拠のはなし~

個人名典拠ファイルを作成するにあたり、姓と名から構成されている場合、どこが姓か名かを知る必要があります。

というのも、「日本目録規則」で姓名の形をもつ名称は
姓を記録し、分かち記号で区切って、名を記録
と定められているからです。

例)長田/弘 オサダ,ヒロシ

これが地味に難しいのです。
悩みポイントをいくつかご紹介します。


「姓と名の区切りはどこ?」
著者名が、森保太郎(もりやすたろう)と書かれていた場合、可能性としては二通りが考えられます。

森保/太郎 モリヤス,タロウ
森/保太郎 モリ,ヤスタロウ

このような場合はコピーライトなど、欧文でわかち書きされている箇所を探し、姓と名の区切りを判断します。

図書の表記:森保太郎 コピーライト:Yasutaro Mori
優先名称:森/保太郎 モリ,ヤスタロウ


「姓はどこ?」
エイミー・クロウス・ローゼンサールが著者名の場合、名称それぞれの要素を判断する必要があります。日本人名は姓と名の要素がひとつずつで構成されることがほとんどですが、外国の場合は複数で構成されていることが少なくありません。

Yehuda Ben‐Yishay
ジャン=ミシェル・シャリエ
LAI Thanh Hoa
A.K.ローゼンタール

複数の姓や名をつなぐ記号、姓を強調した表記、名をイニシャルにした形などを手掛かりにすると判別しやすくなりますが、確実とは言えません。典拠ファイルを作成する前に必ず確認するのが、「VIAF(バーチャル国際典拠ファイル)」。各参加機関が作成した優先名称を見ることができます。

図書の表記:エイミー・クロウス・ローゼンサール
VIAF:Rosenthal, Amy Krouse
優先名称:Rosenthal,Amy Krouse ローゼンサール,エイミー・クロウス
(※欧米などの場合、多くが名→姓の語順で表記されるため、優先名称は姓→名の語順に倒置して作成します)


「そもそも姓名の形なの?」
姓や名とは関係のない筆名(活動名)という場合もあります。また、世界には姓の概念がなく個人の名のみを用いる国があります。
姓名の形でない名称は、分かち記号を入れず、書かれた語順のまま優先名称となります。使用言語や活動地に気をつけ、VIAFでの確認もしっかりと行います。

・筆名(活動名)の例
優先名称:そわんわん ソワンワン
優先名称:Lady Gaga レディー・ガガ

・姓を用いない国の例
優先名称:Seni Saowaphong セーニー・サウワポン ※タイ人名
優先名称:Gísli Pálsson ギスリ・パルソン ※アイスランド人名


人名辞典やVIAFなどの参考資料で確認ができればよいのですが、掲載のない場合は判断に悩みます。
姓、複合姓、連結姓、旧姓、父称、ファーストネーム、ミドルネーム、雅号、称号...
姓のない国?国際結婚?
もしかして筆名?


図書の著者標目となる典拠ファイル。姓か名かの判断によって、図書館の背ラベルや配架に影響する重要な部分ですので、慎重に確実に、典拠ファイルを作成しています。


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明日8/8(土)よりデータ部は夏季休業に入るため、ブログの更新をお休みさせていただきます。再開は8/17(月)の予定です。よろしくお願いいたします。

2026年8月 5日

きょうのデータ部☆(8/5)

IMG_20260805_124353.jpg

会社の隣の公園です。
どんなに暑くてもサルスベリは元気な気がします。

2026年8月 4日

尽きない物語

8/4は週刊新刊全点案内2466号の発行日です。
掲載件数は1018件でした。

ニュースで東野圭吾さんの訃報を見て、思わず二度見してしまいました。たくさんの名作を生み出してきた作家だからこそ、その知らせに驚いた方も多いと思います。
今週号の週刊新刊全点案内には東野圭吾さんのガリレオシリーズの新作が掲載されています。

「永遠の記憶」
東野/圭吾(著)
文藝春秋
(2026.8)

高校生の頃、東野圭吾さんの作品を読み漁りました。読み終えて本屋に行くと、まだまだ知らない作品がある...。一体この人はどれだけ本を書いているんだ?と慄いたものです。
ニュース記事には、東野圭吾さんの作品は106冊(共著を除く)とありました。
TRC MARCでは単著は300件以上、共著やアンソロジー執筆を含めると400件近いMARCを作成していました。
(TRC MARCは単行本/文庫本や版表示・シリーズの違いなどでそれぞれMARCを作成するため、MARCの件数=作品数ではありません)

実家の本棚に東野圭吾さんの本がたくさん眠っているはずなので、夏休みの帰省で久しぶりに読み返そうかなと思います。

2026年8月 6日

「自由って大変」からの学習件名のススメ

こんにちは。
8月の雑記のテーマは、子供たちは夏休みということで「自由研究」です。

大人になってみれば、大手を振って「自由研究」ができるなんて、素晴らしいことですよね。

ですが、大部分の子供(そして、自主的に嬉々として研究するごく少数のお子さん以外の保護者にも)なかなか荷が重いものです。「自由」であるということは、決めなければいけないことが多い、責任をもって完遂しなければいけない、そして最終的には客観的な評価を想像して落としどころを考えなければいけない。「~しなくてはいけない×3」となかなか大変。

このブログをご覧の方にも該当する保護者の方がいらっしゃるのではないでしょうか?
最後の方にお役に立ちそうなことを書いていますのでぜひお読みください。

さて、ご多分にもれず「自由研究」に苦しんだ我が家では、毎年無理やりいろいろなテーマをひねり出しました。

過去1年で経験したもの、趣味(プラモデル...)のジャンルで気になっていることなど、話しながら、これはどう?といくつかの候補を出して自治体のWeb Opacを検索。なにしろ取り掛かりが遅いのでメジャーなテーマは結構貸し出し中になっていたりします。今時は情報を図書からだけとってくるとも限りませんが、資料にアクセス可能かどうかは大きな問題です。

最終的には、本が貸し出されていなくて、仮に間違っていても先生にもわからないような(そして写真や地図で見栄えが多少するような)マイナーなテーマを選んでみたものでした。私の印象に残っているテーマは、南米に生息するラクダ科4種類の違い。もこもこ可愛く高級毛糸の材料としてもお馴染みアルパカ。荷物を運ぶ家畜のリャマ。ビクーニャ、グアナコはほっそりして毛も短めの野生種。写真も地図も入り、長年の疑問も解消してすっきりまとまりました。

こうした自由研究のテーマ探し&調査について、私がデータ部=MARCの知識があるがゆえに得をした部分があります。

子供がマイナーなテーマを調査する場合、一般件名での検索はあまり機能しません。検索してみてもヒットするのはおおかた大人向けの本である上、そもそもヒットする件数が少ないです。

こんな時に使うのはTRC独自の「学習件名」です。

たとえば、先ほどの南米のラクダ科4種類について検索してみると「ラマ」「アルパカ」「ビクーニャ」については学習件名があり、しかもラマについては「リャマ」や「アメリカラクダ」と検索しても参照形でヒットする充実ぶり。

TRCのある文京区の図書館で検索すると「ラマ」「アルパカ」「ビクーニャ」のOR検索で26件ヒットします。対して一般件名だとOR検索しても「アルパカ」3件のみがヒットします。26件と3件では大違いです。

全ての学習件名は分類チームのメンバーが、図書が部分的に扱っている題材を、図書のページをめくりながら地道に1件ずつ付与しています。図書館の利用者が、あっちの棚、こっちの棚と本を探して、「のってるかも?」とめくって「のってなさそう...」と落胆する、その手間をTRCの分類チームが先回りして肩代わりしているイメージです。

自由研究のテーマ探しで困っている方、あるいは困っている方を支援する方は学習件名を役立てていただければ幸いです。

2026年8月 3日

不思議な海中生物~新設件名のお知らせ2026年7月分~

明日発行の『週刊新刊全点案内』は、巻頭に「新設件名のお知らせ」を掲載しています。新設件名は、TRC MARCで件名標目を新たに採用したものという意味で用いていますので、NDLSHから採用したものも含まれています。

7月の新設は2件でした。そのうちの1つが「花虫類」です。

花虫類とは刺胞動物の一綱で、サンゴやイソギンチャクがこれに属します。
浜辺から深海まで様々な種が存在しており、研究があまり進んでいない部分も多いようです。
私は刺胞動物についてもクラゲくらいしか知らなかったんですが、サンゴやイソギンチャクってそれらの仲間なんですね。
言われてみれば似てる部分もある気がするけど、生物の多様さには本当に驚かされます。
新設のきっかけになった本はこちら。

みんなの知らない花虫図鑑
櫛田優花,喜瀬浩輝,ジェイムズ・ライマー,古井戸樹,野中正法(共著)
海文堂出版
(2026.7)

花虫類の中でもマイナーな分類群に注目した図鑑だそうです。
表紙の写真だけでも多種多様な種がいるのがわかって、好奇心がくすぐられます

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