きょうのデータ部☆(9/17)
データ部のバックヤードに、色ちがいのブックトラックが。
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データ部のバックヤードに、色ちがいのブックトラックが。
本日は週刊新刊全点案内2422号の発行日です。
掲載件数は970件でした。
*こんな本がありました*
南極と北極を理解する極域科学入門
TRCの典拠ファイルには8つの種類(「個人名」「団体名」「出版者」「件名」「学習件名」「シリーズ」「全集」「著作」)
があります。そのうち、私の所属する典拠チームで扱っているのは「個人名」と「団体名」。
この連載「典拠のはなし」という名前になっていますが、これは言葉どおり「典拠(ファイル)のはなし」ではなく、実は「(典拠チームで扱っている)典拠(ファイル)のはなし」なのでした。
典拠チームで扱う典拠ファイルは「個人名」と「団体名」。とはいえ、こちらのブログで話題にしているのはほとんど「個人名」ですね。典拠ファイルの件数も「個人名」が東洋人(日本人含む)西洋人合わせて140万件近いのに対し、団体名は31万件弱(2025年9月現在)とかなり少なめです。
なかなか注目されない「団体名」。不憫な気持ちになってきたところで「団体名」ならではの特長をあげていきたいと思います。
■同名異団体の識別
個人名は同名異人が多く悩みの種ですが、同じ名称の別団体というのも多くあります。
例えば「社会民主党」。
統一形:社会民主党 ←現行の政党
統一形:社会民主党(1901)※←かつてあった政党
現行の「社会民主党」は日本社会党が1996年1月に改称してこの名称になったものです。実は1901年に日本最初の社会主義政党として結成された「社会民主党」がありました(結成後2時間、2日など諸説あるもののすぐに廃止)。
この2つの団体を分けて検索できるように典拠ファイルではそれぞれ統一形を作成しています。
かっこ内※の「1901」は「標目限定語(創立・所在地等)」です。1件目の「社会民主党」との識別のために付与しています。
団体名の場合、団体の創立年、所在地、性格などを標目限定語として標目限定語として付与します。
標目限定語(付記)全般についてはこちらの記事をご覧下さい。
■異名同団体の識別
異なる形で出現した同一団体をまとめる仕組み(直接参照)は2種類あります。考え方によっては個人名よりも団体名の方が、この機能に助けられるケースが多いかもしれません。
1つは同じ団体に略称や愛称、別称があるケース。
統一形:図書館流通センター
参照形:TRC
このブログのタイトルが「TRCデータ部ログ」とある通り、社内でも自社のことをしばしば「TRC(ティーアールシー)」と呼んでいます。
責任表示が「TRC」となっている図書があれば「TRC」は記述形だったのですが、残念ながら?参照形です。(記述形と参照形についてはこちらの記事が詳しいです)
もうひとつは団体の下部組織があるケース。
統一形:図書館流通センター
記述形:「TRC MARC人名典拠録」編集部
もしも下部組織が「図書館流通センターTRC MARC人名典拠録編集部」というように、上部組織の名称からはじまっていれば、図書館流通センターが著した図書を探したときに、その中の一部署が著した図書を発見することができます。しかし、そうではないケースが多々あり、そうした場合、図書の発見には典拠ファイルが不可欠です。
これらは団体名典拠ならではの機能です。
他にも団体間、団体個人間の関連など団体名には使いこなしていただきたい機能がたくさんあります。
そちらはまた、改めてブログの記事で扱っていきたいと思います。
9月の雑記テーマは「星」です。
9月8日は未明から明け方にかけて皆既月食でしたね。残念なことに、わたしはすっかり忘れて寝ていました...
いま「星」と問われれば、思い浮かべるのは「岩橋善兵衛」。
岩橋善兵衛をご存じでしょうか?
岩橋善兵衛は江戸時代に天体望遠鏡を作った人物です。
天体望遠鏡は西洋からの輸入物とばかり思っていたので驚きました。
知ったきっかけは、
TRC MARC作成の過程で、個人件名として出現したことです。
個人名典拠ファイルを作成するため、10種類以上の人名辞典を調べると、辞典により「岩橋善兵衛」「岩橋嘉孝」と掲載されている名前が異なりました。通称と本名の関係のようです。慎重に検討し、統一形は「岩橋善兵衛」、参照形に「岩橋嘉孝」を作成しました。
その後、
これはデータ部研修用によいのでは?と気づきました。人名辞典での調査結果や(掲載辞典がたくさんある、名前がほどよく割れている)、統一形を決定する過程が研修用としてちょうどいい! そこで今年度の新卒社員のデータ部典拠研修に「岩橋善兵衛」を使用しました。
そして善兵衛はまだ続き、
趣味の演芸情報をチェックしていると、なんと「岩橋善兵衛伝」という講談の読み物があることを発見。運よく配信が聴けました。2024年に貝塚出身の講談師さんにより創作され、貝塚市のコスモスシアターにて初口演。そう、岩橋善兵衛は貝塚の人。貝塚市には「善兵衛ランド」なる施設がある! 郷土でも善兵衛の名で親しまれているのですね、典拠ファイルの統一形と一致していてホッとしました。
さらに、
開催中の大阪・関西万博で、現存する岩橋善兵衛の天体望遠鏡が展示されたとの記事を見ました。オランダパビリオンで数日間のみの展示だったようですが、ご覧になられた方いらっしゃいますでしょうか?
日々の仕事から、あれよあれよと繋がって、自分の中で盛り上がりを見せつつある岩橋善兵衛。もう善兵衛ランドへ行くしかないのでは?とさえ思いはじめています。
こちらは典拠班で使っているしおりです。
本に挟んで使います。
お借りしている見本に挟むものなので、大きく目立つ色と形にして、外し忘れを防いでいます。
最近のコメント
» hrkさま、コメント
» 古い記事ですが、助か
» 長谷場さま コメント
» 「サイ」のちがいがわ
» magumagu様、
» 別置記号で検索して、
» しのざききみこさま、
» 古典籍について学び