怖い自由研究
8月の雑記のテーマは「自由研究」。
「自由とは...」と出口のないところに迷い込んでしまったみなさま、こんにちは。私もです。
「ぼくはそのことでほんとにレポートを書いたんだよ。どんな点をもらったか知ってる? Aプラス。もちろん、気をつけて書いたけどね。ああいうことを書くときは、書きかたがあるんだよ。気をつけなくちゃだめ」(スティーヴン・キング「ゴールデンボーイ」)
とは、(大人を見くびっているきらいのある)優等生の少年のせりふです。裕福で理解のある両親に育てられた、明朗活発な13歳。
かれは
① 興味を持ったテーマについて
② 図書館で関連の資料を読み
③ レポートにまとめる
という手順を踏んで、教師から「Aプラス」の評価をもらっています。自由研究のお手本ですね。
ただし、かれが興味を持ったテーマは第二次世界大戦時のナチスの戦争犯罪でした。
物語は、
① 興味を持ったテーマについて
② そのことを体験した地域の老人に話を聞き
③ とりつかれる
という方向に進みます。
「地域の老人」は逃亡中の旧ナチ軍人。作品は1970年代半ばという設定で、老人はいまだに追跡者から逃れるため身分を偽って暮らしています。その老人を偶然見つけ、「興味があるから話を聞きたい」という理由のみで入り込んでゆく少年。
老人が語る過去の暴力を介して、少年自身が、そして少年と老人との関係も変化していく様子がサスペンスフルです。
いみじくも「気をつけなくちゃだめ」の言葉通り、テーマは自由でも、調査方法とアウトプットには自制心と定型が必要なようです。