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2020年1月 アーカイブ

2020年1月31日

大きな絵本を探そう~MARCや検索のはなし~

図書館はもちろん、保育園・幼稚園や小学校で絵本の読み聞かせ・おはなし会を企画する時、子どもたちのハートをがっちり掴むべく、なるべく大きな絵本を題材にしたいと考える場面も多いのではないでしょうか?

そんな時に役立つ! TOOLiで大きな絵本を探す方法をご紹介します。


「大型絵本」や「ビッグブック」「大きな絵本」という言葉は、そのままシリーズ名になっていたり、シリーズ名の一部に含まれていることも多いため、まずはタイトル検索をしてみるのも1つの手です。

例えば、
TOOLi図書検索画面で、タイトル欄に「大型絵本 ビッグブック 大きな絵本」と入力し、すぐ右横のプルダウンより条件を「OR」にして検索。
→933件ヒットしました。(※以下、ヒット件数は全て2020/1/31現在の数字です)


もう1つの方法として、ジャンルコードを利用して検索することもできます。

TOOLi図書検索画面で、コード化情報「ジャンル」より「児童書・絵本>絵本>大型絵本」を選択して検索。
→436件ヒットしました。

このジャンルコードは1辺が35cm以上ある絵本に一律付与しているものですので、シリーズ名に「大型絵本」などの言葉が入っていない絵本についても検索できる点が特長です。


いやいや35cmよりもっと大きい絵本を探したいわ!という方には、「大きさ」を利用した検索がおすすめです。

TOOLi図書検索画面で、大きさを自分が考える"大きい"サイズ...例えば「50cm~」と指定し、絵本に絞るため分類記号に「E」と入力して検索。
→181件ヒットしました。


いずれの方法も、コード化情報「利用対象」と掛け合わせれば、「0~2歳向け」「3~5歳向け」「小学生向け」など対象を絞っての検索も可能ですので、ぜひお試しくださいませ!

2020年1月30日

寝ている場合ではない

今月の雑記のテーマは「今年こそ読みたい本」。

「平家物語」
今年こそ読み直すと決めていました。
が、突如として圏外からトップに躍り出た本があります。それは...

鴨長明「方丈記」

夜はラジオや朗読を聴きながら眠る習慣があります。ラジオ配信アプリで番組を選んでいたところ、見つけたのがNHKラジオ古典講読「方丈記と鴨長明の人生」。
おお、これは眠れそうだ。(←ひどい!)
しかし、これがすこぶる面白かった。寝ている場合ではない。

「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず」でおなじみの方丈記。わたしにとってそれ以上でもなかった鴨長明ですが、ラジオから教えられる平安時代末期の生々しいドキュメント、五大災厄(大火、竜巻、飢饉、地震、福原遷都)に毎晩目が冴えわたりました。

源平の争乱を外側、鴨長明の目から眺めてみる。これおもしろそう。方丈記の内容もさることながら、解説者である浅見和彦先生の話術のとりこにもなりました。そうだ、浅見先生の本を探そう。

おすすめ本があればコメントをお寄せいただけると嬉しいです。

というわけで、少しテーマからそれてしまいましたが、今年は方丈記にチャレンジしたいと思います。

2020年1月29日

きょうのデータ部☆(1/29)

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明け方までの土砂降りから一転。
久しぶりにからっと晴れ渡り、
一足も二足も早く春が来た茗荷谷です。

き、昨日までの寒さはどこに...?

2020年1月28日

たてがみとしっぽ

本日は「週刊新刊全点案内」2145号の発行日です。
掲載件数は1072件でした。

*こんな本がありました

「馬を結う」

シャルニ・ルイス(著)
エクイネット(2020.1)

馬を結うとは、馬のたてがみやしっぽを結うということ。
乗馬をされる方たちにはなじみのある行為のようです。
三つ編み、編み込み、お団子...こんなに手の込んだ編み方をして、馬に蹴られないのかと心配になりますが、馬にしてみれば頭皮マッサージを受けているような気持ちよさだそう。
確かに美容院で髪を結ってもらうときなどは結構気持ちいいですよね。
でもそれは、美容師さんだから。
頼まれて娘の髪を何度か編み込みにしたことがありますが、必ず「痛い!」と叫ばれます。
私が馬のたてがみを編み込もうものなら、間違いなく蹴られるでしょう。

2020年1月27日

データ部ご紹介~~~ぶう太のデータ部見学記・AV編

ぶー子>こんにちわ!新人ぶう太くんを連れてのデータ部見学記ふたたび、本日は6回目です。今回はAVにやってきました。

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ぶー子>AVはAudio Visualの略で、録音・映像資料のことね。
ここではTRC AV MARCを作っているのよ。

ぶう太>図書館には視聴覚資料コーナー、ありますもんね。

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ぶー子>これはコンパクト・ディスクのMARCを作っているところ。
アルバムの中の内容曲を1曲づつ検索できるように、内容細目ファイルもAVのメンバーが作成しているの。
他にはDVDのMARCも作っているのよ。

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ぶう太>これで6つ回りましたね。

ぶー子>次はASを案内するわね。

ぶう太>AVの次はASですか。ちょっと響きが似ているけど業務は全然違いそうですね。

ぶー子>その通り。来月もお楽しみにね。

2020年1月24日

NDC10版のご採用、増えています

2017年の4月からTRC MARCで提供開始したNDC10版ですが、まもなく4年目を迎え、採用される図書館がどんどん増えてきています!
NDC10版になるとどこがどう変わるのか、変更点についてはこのブログでも記事にしていますが、主なものをかいつまんでご紹介します。


■ 時代にあわせた新主題が288項目追加されている
■ 情報学関連(コンピュータ関連)の本で、5類→0類(007)となるものが増える
■ その他の超常現象(147.9)が新設され、別法として未確認飛行物体(UFO)はここに収めることに
    ※TRC MARCでは別法を採用
■ 日本の各地域の歴史を時代で細分化
■ 電気鉄道(546)が削除となり、鉄道工学(516)または運輸工学(536)へ
■ 点字と手話の分類が観点によって3つに分けられることに
         言語としての点字・手話→801.91,801.92
         福祉の観点からの点字・手話→369.275,369.276
         教育における点字・手話→378.18,378.28


いかがでしょうか?
TRC MARCでは、2017年以降作成のMARCだけでなく、累積MARC全件に対してもNDC10版を付与するメンテナンスを行いました。2017年以前のMARC(図書館で所蔵されている資料のMARC)にNDC10版を追加するためのデータもご用意しています。
まだNDC10版を採用していないけれど...という図書館の方。ぜひ採用をご検討ください!

2020年1月23日

読みかけの本がいっぱい

今月の雑記のテーマは、「今年こそ読みたい本」。

我が家には、購入したもののまだ読めていない本、いわゆる「積読」がたくさん眠っています。
面白そうなエッセイ、学び直したくて買った数学入門、真面目な図書館学のブックレット、一度は読みたい古典などなど......。


本屋で目にした段階では、「これは面白そう! ぜひ読まねば」と思って買うのですが。
帰宅後改めて読んでみると歯ごたえのある本が多く、「また今度、じっくり読める機会に」と読みかけのまま積んでしまいがち。

どうやら本屋さんにいるときの私は、自宅の私より意識が高いようです。

買った本だとずっと手元に置ける安心感もあり、そのまま本棚にしまって1年以上ということも。
その点、図書館で借りた本は返却期限が良いプレッシャーになり、かえって読み切れる確率が高いように思います。

今年こそ、我が家の積読たちを長年の眠りから救い出さなくては......

特に救い出したいのがこちら。

ホモ・ルーデンス

ホイジンガ (著),高橋英夫 (訳)
中央公論新社(2019.1)

昨年知人から「あなたはこういう本が好きそうだから」と貰った本なので、今年こそは読破したいです。

2020年1月22日

きょうのデータ部☆(1/22)

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茗荷谷本社の入口前には
文京区立図書館で借りた図書用の
返却ポストがあります。

図書館でのイベント情報がわかることも♪
ぜひご利用ください!

2020年1月21日

身近だけど奥深い

本日は「週刊新刊全点案内」2144号の発行日です。
掲載件数は787件でした。


*こんな本がありました

文房具語辞典
高畑正幸(著)
誠文堂新光社 2020.1

近年は文房具ブームが取り沙汰されるようになりました。
単なる事務用品ではなく、身近な存在でありながら、毎日の生活に寄り添い、使い心地のよさにこだわったり、お気に入りを使うことでちょっとした息抜きもさせてくれたり、そんな多様な選択肢があります。
種類豊富な文房具ですが、では辞典とはいったい?
鉛筆やはさみ、のりなど、辞典を引くということ自体思いついたことのない文房具が定義されていて、たとえばのりと一口に言っても液体のりや固形のり、テープのり、ペン型のりなど多種多様でとても興味深いです。
文房具語という言葉もはじめて目にしましたが、商品のブランド、メーカーや人物、歴史など幅広く収録されています。
あまり馴染みのない文房具も載っています。
学生時代、所属サークルの演奏会のチケットを作っていたときのことをふと思い出しました。色画用紙に券面を印刷して、細長くカットし、最後に半券をもぎれるようにするためのミシン目をつけるのですが、そのミシン目をつくる地味な作業と、歯車のような円形の刃のカッターが好きでした。そのまま「ミシン目カッター」というのですが、しっかり記載されていました。ほかにも、ホッチキスは商標でステープラーが製品の名称と聞いて、統一形はステープラーで、参照形がホッチキスか・・などと典拠班的思考がよぎったり。(学習件名ファイルはホッチキスの参照形にステープラーがありました)
文房具年表もついているので、いつ頃世の中に現れたのだろう、とお気に入りの文房具を探すのも面白いです。

2020年1月20日

データ部ご紹介~~~ぶう太のデータ部見学記・図書館蔵書編

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ぶー子>新人ぶう太くんを連れてのデータ部紹介も5回目。ここは図書館蔵書よ。
ぶう太>あれぶー子さん、こちらに並んでいる本、今までと違った雰囲気ですね...。
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ぶー子>これはね、図書館の蔵書なの。図書館蔵書の部署は、図書館からお預かりした蔵書からMARCを作るところなのよ。
ぶう太>なるほど、蔵書ですか!
ぶー子>行政資料とか、地域資料とか、そういったものが中心ね。「新刊」に対して「遡って」MARCを作るから、データ部内では「遡及」とも呼ばれているのよ。

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ぶう太>わ、段ボールがたくさん!
ぶー子>この段ボールに詰められて、蔵書が送られてくるの。代わりがきかない図書ばかりだから大切に扱って作業しているのよ。
ぶう太>大事な蔵書ですもんね!
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2020年1月16日

書を求め町へ出よう

今月の雑記のテーマは「今年こそ読みたい本」。

改めていわれると、なかなかに難しいこのテーマ。
なにを書こうか悩みましたが
今年こそ読みたい......今年こそ見つけたい本、ありました。


 
「読みたいなぁ」と思い焦がれること早幾年。
しかしいまだに読めずにいる作品が「梁塵秘抄」です。

名だたる小説や短歌にも引用・オマージュされているこちらの本。
後白河法皇撰の平安末期の歌謡集であり、
「あそびをせんとやうまれけむ」の一節は耳にした方が多いのではないでしょうか。

書店や図書館にはもちろん置いてあるのですが、
どうにもしっくりくるものに出会えず......。
「いつか探そう」「いつか読もう」と思っていたものの、
日々の諸々にかまけてすっかり忘れていました。


 
同じ底本でも、訳や校註、体裁によって読み味は異なるもの。
本へのこだわりは強くないほうですが、
しかし古典は別です。
自分に馴染む注釈で、時代背景をあれやこれやと想像しながら
作品の味を楽しみたい。

 
 
自身の推し本のひとつ「聊斎志異」も、
好みの訳注に出合うまで長い年月がかかりましたが
そのぶん入手したときの喜びもひとしお!

「梁塵秘抄」も、ところどころつまみぐいしているものの、
通読熟読はお気に入りを見つけた後のお楽しみにしてあります。
 
 
さてさて、せっかくの機会ですし、
奮迅して「これだ!」という自分好みの1冊を求めて
仕事あがりに図書館や古書店街をさまよってみたいと思います。
今年こそ読めますように......!

2020年1月17日

休み~分類・件名のおはなし・100~

ついにこのトピックも100回目。
なにか100にまつわる話でもと思ったものの
全然浮かばない。
見ているうちに100(イチゼロゼロ)→哲学に見えてきた...
働きすぎかも、休もう。


さて、今年のカレンダー全部ご覧になりましたか?
祝日がだいぶ変わっていて驚きました。

元号が変わって天皇誕生日が12月から2月になったり
オリンピック・パラリンピック関連で今年だけ
海の日が7月第3月曜日から7月23日へ
スポーツの日(元・体育の日)が10月第2月曜日から7月24日へ、
山の日は8月11日から10日に変更していました。

その結果
10月12月に祝日がなく、やけに長い(気がする)
と思っていたところ周囲に同じ感想を抱いた人が2人確認できたので少し安心しました。

これだけ日にちが動いてしまうと
もはや何の祝日だったのか忘れてしまいそうです。
それは宜しくないですね...


祝祭日の分類は386.9、件名は「祝祭日」で
TOOLiで検索すると37件ヒットしました。

「国民の祝日と日本の文化」

生方/徹夫(著)
モラロジー研究所(2016.6)


こちらは絵本

「けいろうのひ・きんろうかんしゃのひ」
(大きな園行事えほんシリーズ)

チャイルド本社(2017.7)


記念日を調べたいという時は
件名「記念日」で検索してみてください。

2020年1月15日

きょうのデータ部☆(1/15)

赤.png

しっとり雨模様の茗荷谷です。

駅からすこし歩いたところで見つけた植物も
身を寄せ合って寒そうにしていました。
(仲間が多く、調べても名前がわからず)

2020年1月14日

読書会

本日は「週刊新刊全点案内」2143号の発行日です。
掲載件数は931件でした


*こんな本がありました

図書委員アイデアブック 「やってみたい」が大集合!

吉岡裕子 (監修) 村上恭子 (監修)
あかね書房(2020.1)

タイトルを見てわくわく。目次を見てさらにわくわく。
自分の頃の委員会は、粛々と決まった仕事を割り振っていただけのように思いますが...。こういった活動はどんどんブラッシュアップされていきますね。

図書委員をやった記憶はないのですが(たぶん倍率が高かった)、図書委員の先輩に動員されて読書会に参加したことがあります。高校のとき、ひとけのない図書室で、10人もいなかったと思います。
課題図書は「23分間の奇跡」。23分もかからず読める短い話で、その場で各々が読んだのですが、ぐいぐい引き込まれ言葉にするのが難しいような衝撃をうけ、その後の感想タイムがかなり白熱した覚えがあります。この本を選んだ先輩の慧眼に驚いたものでした。

2020年1月 9日

生きているうちに続巻を...

今月の雑記のテーマは、「今年こそ読みたい本」。
2017年1月の雑記のテーマにもなりました。

「今年こそ読みたい」という場合、大体自分の都合で本を読む時間がない(もしくは情熱がわかない)ことが多いですが、作者都合でなかなか読めない、ということもありまして。
例えば、2019年の出版界の大きなニュースとなった「十二国記」の新刊。まさか、生きているうちにあの続きを読めるとは思いませんでした。
考えてみると、「続巻が出そうで出ない」というシリーズは結構あるようです。
漫画でいうと「ガラスの仮面」とか「HUNTER×HUNTER」とかが有名ですね。たまーに新刊が出ますが、完結するのはいつの日か...という感じです。

個人的に気になっているのは、ジョージ・R.R.マーティンの「氷と炎の歌」シリーズ。
ドラマ化もされているので、「ゲーム・オブ・スローンズ」の原作といえばわかる方も多いでしょうか。

七王国の玉座」

ジョージ・R.R.マーティン(著)
早川書房(2012.3)

第1章にあたる「七王国の玉座」の初版が出版されたのが2002年。
それ以来ずっと、どういう結末になるのか気にしてきたのですが、何とドラマの方が先に完結してしまったようです。
「ようです」というのは、私がドラマの方は全く見ていないから。
見ようと思えば見られると思うのですが、シリーズ第1章から原作で読んできたファンとしては、実写でイメージが崩されるのがイヤなので、絶対に見ないようにしています。
ドラマの方がどういう終わり方をしたにせよ、原作は原作で決着をつけてほしい。
今年は無理でも来年ぐらいには、完結を見届けることができるかな...と遠い目になるのでした。

2020年1月 8日

きょうのデータ部☆(1/8)

五輪.jpg

2020年一本目の今日のデータ部です。

今年はなにが目玉かといえば、
やはり東京オリンピック。
これから関係図書の発行が
どんどん増えていくことでしょう。

身近にあるもの(タグ)で五輪気分を...!
と思いましたが、ちょっと無理がありました。
(※正しいマークは白でなく黒)

2020年1月10日

ネズミだけに ~典拠のはなし~

新年1回目の「典拠のはなし」は、干支にちなんで?記述形についてお話しします。

年末に恩師に年賀状を書いていて思い出したことがありました。
住所録にある恩師のお名前は「佐藤松」。でも年賀状の宛名は「佐藤松子先生」。説明してくださった恩師の口調が鮮明に蘇ります。

「なんか昔の人みたいよね。うちの父が頑固で『自分で松子と名乗るもんじゃない。他の人が敬って"子"をつけるものだ』っていってつけたらしいの」

落語や時代劇などで「お松さん」などよく聞くように、明治初期以前の女性の名前はだいたい2音節で構成されていました。

今やすこし古めかしい「子のつく名前」がメジャーになったのは明治も後半のこと。本名や出生時の名前は2音節でも、署名に「子」をつけたり、「子」のつくペンネームを使ったり、本名を改名したりした例もあったようです。

有名なところでは、今度5000円札の顔になる津田塾大学の創設者 津田梅子も、もともとの名前は「むめ」。40歳近くなってから「梅子」と改名したそうです。

上記の例のように、図書の著者として、同一人にもかかわらず「子」の有無のみが異なる表記がある場合は、MARC上のみでは複数の表記、例えば「津田梅子」と「津田梅」「津田むめ」を一度に検索することはできません。

ですが、それを可能にするのが典拠の仕組みです。

TRCの典拠ファイルは、統一形とそれに付随する記述形や参照形からなり、同一人の複数の名前(異名同人)を網羅的に検索ができるようにしています。

11000110806-0000 和辻/照
11000110806-0001 和辻/照子

近代以降の日本人の異名同人については原則として相互参照にしていますが、今回挙げた女性の名前の"子"の有無や、表記方法の違い(「梅子」と「うめこ」など)ほか、いくつかの小さな表記違いについては、統一形のもとに記述形として作成、まとめて検索できるようにしています。

さて、以前ブログでもご紹介したことがあるように、典拠の実務の中では統一形を「親」、記述形を「子」といったりもします

こうした小さな(でも無視できない)表記の違いが増えていくにつれて、「親」には「子」がふえていくわけです。

「ネズミ(子)だけに、子だくさん」なんて、新年から無理やりなオチですみません。

異名同人についてはこちらの説明もどうぞ。

2020年1月 7日

不屈の二人

本日は「週刊新刊全点案内」2142号の発行日です。
掲載件数は1129件でした。
今月の表紙はこちら。

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★イラストレーターコメント★
最近はお正月の晴れ着姿を目にする事もあまり無くなりました。
かく言う私は、日本人でありながら、
自分で着物を着る事も出来ないし、ましてや着物を持ってもいません・・・。
若い頃は「それがどうした?」くらいに思っていましたが、
最近はちょっぴり寂しく思えます。
1月には成人式もあるので、そこも着物の雰囲気で!!(Juri)

*こんな本がありました*

年末に再放送された法医学ドラマが話題になっているのを見ながら、仕事中手に取ったこの本を思い浮かべていました。

毒薬の手帖 クロロホルムからタリウムまで 捜査官はいかにして毒殺を見破ることができたのか

デボラ・ブラム (著)五十嵐加奈子 (訳)
青土社(2020.1)

1920年代アメリカ。急速な産業発展とともに、様々な毒物が生まれ、それらは時に犯罪に使われてきました。
しかし、毒物を使用した犯罪に対しての精度の高い鑑定方法は存在していませんでした。
この本はそんな時代に数々の鑑定をこなし、現代法医学の礎を築いたチャールズ・ノリスとアレグザンダー・ゲトラーという二人の人物のノンフィクションです。

彼らは様々な毒を扱った事件に真摯に向き合い、解決に導いていきます。章タイトルもクロロホルムやメチルアルコールなど、すべて二人が事件で取り扱った毒物の名前。
ミステリ小説を彷彿とさせますが、道のりはまさに多難。なにせ鑑定手法のみならず、法制度も整備されていなかった時代の話です。禁酒法が敷かれるなどして多くの社会問題が浮かび上がってきていた当時のアメリカの様相も反映しながら、二人の犯罪捜査の流れをたどっていきます。地道ですが、ひたむきに事件や社会に向き合う彼らの熱意は、非常に惹きこまれるものです。

どうやらこの作品、アメリカではドラマ化もされているようですが、残念ながら日本では視聴できない模様。
それを知ってしまうとやはり見たい!という気持ちが湧いてきます。どこかで配信してくれないかな...。

2020年1月 6日

どちらが正しい?~新設件名のお知らせ2019年12月分~

あけましておめでとうございます。
本日より、2020年のデータ部ログを再開したいと思います。
本年もデータ部ログをよろしくお願いします。

明日発行の『週刊新刊全点案内』は、巻頭に「新設件名のお知らせ」を掲載しています。新設件名は、TRC MARCで件名標目を新たに採用したものという意味で用いていますので、NDLSHから採用したものも含まれています。

2019年12月は6件の件名を新設しました。そのうち2件が標目訂正です。

その中に「教皇」へ標目訂正した件名があります。元は「ローマ法王」という件名でした。日本国内でも「法王」「教皇」と異なる呼称が用いられていましたが、外務省が「法王」を使用していたため件名も合わせていました。昨年11月の教皇フランシスコ訪日の際、日本政府が「教皇」という呼称を使用すると発表したため、件名も「教皇」へ訂正することになりました。

カトリック教会内でも割れていた呼称ですが、38年前のヨハネ・パウロ2世来日以降、内部で「教皇」に統一されていたようです。なぜ「法王」ではなく「教皇」なのか。カトリック中央協議会のホームページによると、教えるという字の方が教皇の職務をよく表わすから、だそうです。
今まで何が違うのか知りませんでしたが、今回を機に一つ勉強になりました。

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