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2021年2月 アーカイブ

2021年2月25日

神男女狂鬼

典拠・望月です。
2月の雑記のテーマは「鬼」。
毎年当日になって豆まき用の豆を用意しようとして、「売り切れ...」とがっくりしていたわたしですが、今年は"いつもより1日早い節分"が話題になっていたおかげで、はやめに豆を確保することができました。ちゃんと厄払いできたかしらん。

さてタイトル。「神男女狂鬼」とは何かといいますと、日本の伝統芸能のひとつである「能」に関連することばです。
1回の能の公演の上演形態は、現在では「能2番あいまに狂言1番」とか「狂言1番のあとに能1番」とかいった構成が一般的です。上演時間2~3時間といったところでしょうか。
しかし、江戸時代は能を1日に5番(あいまに狂言)上演していたそうで、その順番をあらわすのが「神男女狂鬼」なのです。

神(初番目物):神仏が主役。おめでたい。
男(二番目物):武将が主役。きほん負け戦だが勝つものもある。
女(三番目物):女性が主役。たおやか。
狂(四番目物):いろいろ。物狂いのものと、ほかの4つに分けられないものがここ。別名:雑能
鬼(五番目物):鬼をはじめ、人間でないものが主役。派手。

ざっくりかつ独断で解説してみました。
「鬼」は長い上演のラスト演目。妖怪があばれたり、怨霊が襲ってきたり、鬼を退治をしたり、アクション成分多めです。集中力も切れてくるころだから派手なのか、派手だからラストに演じられるようになったのか。「紅葉狩」のように、前シテは美しい女人、後シテは女人に化けていた鬼、みたいに見た目がガラッと変わる楽しさもあったり。能を初めて観るなら「鬼」、なんておすすめもできそうです。

2021年2月26日

入園・入学準備、お済みですか?~MARCや検索のはなし~

早いもので来週はもう3月、卒業シーズンですね。
この季節につきものの「通園・通学グッズづくり」。
私は既製品を買う派でしたが、手作りされる方も多くいらっしゃることでしょう。
そんなときに頼りになるのが、型紙付きの手芸本です。
TRCMARCには「装丁コード」という項目があり、図書の装丁に関する情報を数字に置き換えて入力しています。
形態的に独立した型紙が付録として綴じこまれている場合、装丁に関する注記(347A)に「付:実物大型紙(1枚)」「付:実物大パターン(2枚)」などと入力したうえで、「型紙つき」を意味する装丁コード「09」を121Hのタグに入力します。

TOOLiの図書検索画面では、真ん中あたりに「コード化情報」がまとまっており、そのなかに「装丁」というプルダウンがあります。
ブルダウンから「型紙つき」を選択し、キーワードをOR検索に設定し「通園通学」「入園入学」などと入れて、検索実行。
型紙の付いた通園通学グッズの作り方を解説した本が出てきます。

「型紙」を注記しているのだから、キーワード検索で「型紙」を入れればよいのではという疑問を持たれた方もいらっしゃるかもしれません。
確かに「型紙」という文字列が注記や内容紹介文などに入っていればキーワード検索で探すことができます。
しかし、付録に「実物大図案」と書かれていた場合、注記は「付:実物大図案(●枚)」となります。
型紙、図案、パターン...どのような言葉で注記されていても装丁コードは「09:型紙つき」ひとつだけですので、キーワード検索では拾えない型紙つきの図書も検索することが可能になります。


2021年2月22日

美味しい野菜が食べられるのはハチのおかげ?

本日は「週刊新刊全点案内」2198号の発行日です。
掲載件数は1264件でした。

*こんな本がありました*

「ハナバチがつくった美味しい食卓」

ソーア・ハンソン(著)
白揚社(2021.3)

ハナバチは、その名の通り花から蜜や花粉を集めて生きる蜂のこと。ミツバチだけでなく、ハキリバチやクマバチ、マルハナバチなども含まれます。


実は、人間が食べる物の約3分の1がハナバチのおかげでできている! と聞いて、みなさんは驚かれるでしょうか?
作物が実をつけ種子を残すには、受粉が必要。ハナバチはたくさんの花を飛び回り、花粉を運んで受粉を手助けしてくれているのです。なんと、無料で!

もしもハナバチがいなくなったら、多くの作物で受粉が行われず、農業生産が大打撃を受けるというのが筆者の見立て。
だったら人工授粉をすればいい、ともいきません。人工授粉は非常に手間暇がかかるため、作物の生産量は減少し、価格もぐーんと上昇すると考えられます。

そんな、人間の暮らしを支えてくれるハナバチが(したがって人間も!)瀕している危機とは!?


ほとんど自然が残っていないと見える都会にも、意外に多くのハナバチがいるそうです。
外を歩きつつちょっとした植え込みや雑草を観察してみると、色々なハナバチに出会えるかもしれません。

2021年2月24日

きょうのデータ部☆(2/24)

DSC_0666.JPG

普段あんまり見ることのない、コート置き場の窓からの景色。テラスの一部が見えています。
先週末は汗ばむような陽気でしたが、今週は真冬に逆戻りですね。寒暖差が身にこたえます...。

2021年2月19日

春とともにやってくる~分類・件名のおはなし・109~

2月も半ばを過ぎ東京は暖かい日が多くなりました。気候がよくなるのは嬉しいのですが、この時期困ることと言えば...花粉症です。
TRC MARCでは、花粉症(=季節性アレルギー性鼻炎)はアレルギー疾患の分類である493.14に収めます。花粉症に限らず一年中鼻がムズムズする...という場合は鼻疾患の分類である496.7に収めています。花粉症と通年性アレルギー性鼻炎の両方について書いてある図書もありますが、その場合は基本的に493.14に収め、鼻科学の観点から扱ったものについては496.7に収めると適用細則で決めています。TRC MARCをご利用の図書館ではこちらの分類の棚を探していただくと、花粉症やアレルギー性鼻炎の本に辿り着けると思います。

私は毎年花粉症に苦しんでいるのですが、今年は常にマスクをしているせいか症状があまり出ていません。色々な花粉症対策がありますが、やはり体内に花粉を取り込まないのが一番重要なのだなと実感しました。

2021年2月18日

妖の鬼、霊の鬼

2月の雑記のテーマは「鬼」。

鬼、と言われて思い浮かぶものは人それぞれだと思います。
頭に角を生やし、虎縞のパンツを履いた存在だったり、最近でいえば漫画やアニメに出てくる敵役だったり。
大抵は力強い妖怪や怪物、といったイメージが根付いているのではないのでしょうか。

中国だと、鬼と言われたら幽霊を指すことが多いです。もちろん妖怪としての鬼もいますが、霊魂や魂魄といった形のないものが人間として形をあらわしたものもそう呼ばれており、日本でいう怪談話もたくさんあります。
邪悪な存在も中にはいますがその限りではなく、若い女性の幽霊と生きた人間の男性が恋する異類婚姻譚もいくつかあり、恋の末に女性が生き返る話もあったりします。
今日日本で使われている意味とはだいぶ印象が違いますが、日本でも「鬼籍に入る」という言葉があるように漢字のルーツとなった国で使われている意味の名残があるように思えます。

ちなみに、節分では鬼に豆を投げて退治しますが、中国で鬼に対し効果があるのは桃だそうです。なんでも邪気を払う効果があるのだとか。
そういえば、日本神話でイザナギが黄泉の国から帰る際、イザナミの命令で追ってきた黄泉醜女を追い払うために使ったのも桃でしたね。黄泉醜女も「鬼女」として扱われます。黄泉の国の鬼、ということで幽霊に近い意味も感じるような...?
今でこそ日本と中国で違う意味合いを持つ「鬼」ですが、古代から今まで、その言葉がどのような変遷を辿ってきたかを調べれば、面白い発見がありそうです。

2021年2月17日

きょうのデータ部☆(2/17)

DSC_0664 (1).JPG

『週刊新刊全点案内』のバックナンバー。
ここにあるのは直近5年分ほどで、ほんの一部です。
あと半年ほどで2222号になりますが、ぞろ目では特にお祝いもしないのがちょっと寂しい。

2021年2月15日

今日は何の日 ~動画に夢を与えた日~


日本には実にさまざまな「○○の日」があります。今日が何の日なのかを調べ、それに関するいろいろを紹介してしまおうというこの企画(不定期掲載)、本日は第17回目です。

2月15日。昨日ならばバレンタインデーについて書けたのですが、今日はどんなものがあるのでしょうか。調べてみると、『全日本スキー連盟設立の日』『国旗の日(カナダ)(※制定された日)』『春一番名づけの日』『西行忌』『兼好忌』などが出てきました。

個人的に気になったのは『YouTube設立の日』。以前はあまり動画を見る方ではありませんでしたが、ダイエットに効くわかりやすいエクササイズ解説や、動物の癒やし映像などを楽しむようになりました。最近では工夫を凝らした書評動画などもあり、映像より文章派!という方も、文章は苦手...という方も楽しめるコンテンツが充実しているようです。

今でこそ世界中で広く利用され、日本でも子どもの将来の夢ランキングにYouTuberが挙がるほどの人気ぶりですが、設立当初はたった3人、雑居ビルの2階でひっそりとはじまったのだとか。その後紆余曲折を経て、16年たった現在では世界最大の動画共有サービスにまで成長しました。今後さらにどう進化していくのか、楽しみですね。

2021年2月16日

音楽

本日は「週刊新刊全点案内」 2197号の発行日です。
掲載件数は833件でした。


*こんな本がありました*


西洋音楽の正体 調と和声の不思議を探る

伊藤友計(著)
講談社(2021.2)

たんなるノイズや騒音にもなりうる「音」が、連なると心地よい響きや美しい調べだと感じられるものになるのは何故なのでしょう。
自然のなかに「音楽」はあるのでしょうか。
音階や半音の発見、和音原理の探究、長短調の規則の整理など、古代ギリシャに始まる西洋音楽の理論と実践の歴史を訪ね、自然と音楽の関係を探ります。


日本音楽博物館論

井上裕太(著)
同成社(2021.2)

という本もありました。
明治期以降に西洋音楽と出会った日本において、西洋音楽はどのように展示され、共有されてきたのでしょう。
音楽博物館の歴史と果たしてきた役割、今後の課題等について考察しています。

2021年2月12日

松本幸四郎さんが2013年に書いた本について考える ~典拠のはなし~

「松本幸四郎さんが2013年に書いた本を読みたい」という方がいらしたとします。

TRC MARCを見てみると、2013年に刊行された図書で責任表示に松本幸四郎とある本は

「松本幸四郎」松本幸四郎(著)日本経済新聞出版社(2013.8)

のみのようです。
なので、こちらをお渡しすればOK。・・・でしょうか。

OKかもしれないし、OKではないかもしれません。
実は今回のテーマ、言ってしまうと設問不備でして、お探しの本を確実に見つけるには今のままでは情報が不十分です。

「松本幸四郎さんが2013年に書いた本を読みたい」と言われたら、本を探す前にその方に確認しなければいけないことがあります。それは、
(1)「2013年時点の松本幸四郎さんが2013年に書いた本」を探しているのか
それとも
(2)「今の松本幸四郎さんが2013年時点に書いた本」を探しているのか

どういうこと?と思われた方「松本幸四郎 襲名」でweb検索をしてみてください。
2018年1月に松本白鸚、松本幸四郎、市川染五郎の、三代同時襲名が行われたのです。

2021年現在の松本幸四郎さん(=松たか子さんのお兄さん)は、2018年1月に襲名した10代目。2013年時点ではその前のお名前、市川染五郎(7代目)でした。

なので冒頭のご要望があった場合、
(1)「2013年時点の松本幸四郎さんが2013年に書いた本」を探しているのであれば、最初に提示した1冊、現・二代目松本白鸚(=松たか子さんのお父さん)が九代目松本幸四郎時代に書いた本でよさそうですが、
(2)「今の松本幸四郎さんが2013年時点に書いた本」を探していた場合、2013年に出版された図書に記載されているのはその時のお名前「市川染五郎」なのでそちらで検索しないといけません。

いやそんな、いつ襲名したとか前のお名前とか何代目とか覚えていませんよ!と思われた方、こんな時に力になるのが典拠ファイルです!

(2)のパターンを、実際にTOOLiで検索してみましょう。
図書検索画面にて、典拠ファイルONの状態で著者名に「松本幸四郎」と入力すると
・松本幸四郎(7代目)
・松本幸四郎(9代目)
・松本幸四郎(10代目)
のファイルが出てきます。典拠ファイルの情報を見れば「2018年1月10代目松本幸四郎を襲名」とある「松本幸四郎(10代目)」が現在の松本幸四郎さんだとわかります。
(芸能ニュースを覚えていなくても大丈夫です!)
そして、
松本幸四郎(10代目)=市川染五郎(7代目)
と、襲名前後の名称が相互参照になっています。

つまり、現在の松本幸四郎さんが市川染五郎時代に書いた本を探したいときは、市川染五郎(7代目)のファイルにリンクしている図書を検索すればよいのです。

現在の松本幸四郎さん、2013年には市川染五郎(7代目)としてこちらの本を書かれていました。

「染五郎の超訳的歌舞伎」市川染五郎(著)小学館(2013.4)

(2)のパターンだった場合、こちらの本をお渡しすればよさそうです。

世系違いの同名の区別から相互参照まで。典拠ファイルの機能を活用してみました。

こちらの記事も併せてご覧ください。
世系のある人~典拠のはなし~
襲名披露とかけまして

2021年2月 9日

もううんざり!

本日は「週刊新刊全点案内」2196号の発行日です。
掲載件数は951件でした。


*こんな本がありました*

「くまのルイス」

トム・リヒテンヘルド(文)ジュリー・ローウィン・ゾック(絵)木坂涼(訳)
BL出版(2021.2)


表紙でウィンクしているぬいぐるみのルイスくんがかわいいこちらの絵本。
ところが中を開くと、もう嫌だ!とご立腹です。
その理由は、持ち主の男の子の扱いがひどいから。
枕にされたり、ミルクで汚れてもそのままにされたり、バスに置き忘れられたり。
ついに耐えかねて、今夜家を抜け出そうと決意を固めます。
果たして脱走計画はうまくいくのでしょうか?


こちらは海外の絵本なのですが、子どものぬいぐるみの扱い方というのは古今東西そう大きくは変わらないようです。
例えば、枕にするのは大好きなぬいぐるみを片時も手放したくないから?とも思えますが、ぬいぐるみにしてみれば大変ですよね。
大事にされている気がしないでしょうし、怒る気持ちもわかります。
他人事のように言っていますが、私自身もそんな子どもだったのかもしれません。
あ、なんだか罪悪感が...。
そんなかわいそうでかわいいぬいぐるみの絵本です。


2021年2月10日

きょうのデータ部☆(2/10)

DSC_0661.JPG

冬のテラスで健気に咲いているのは、ローズマリーの花です。
冬から春にかけて花をつけるそうです。
去年植えたばかりなのに、もうこんなに育ちました。

2021年2月 8日

どんな学習件名があるのかな?~TOOLiで探そう~

新年度・新学期に向けて、子どもたちの調べ学習に役立つ本を揃えたい!
そんな時に役立つ学習件名の検索方法をご紹介します。


学習件名とは、子どもたちが学習課題や自分の興味で何か調べようとするとき、調べようとすることがら(件名)が「どの本」の「どこに」書かれているかをあらわした、いわば「子ども用の件名」です。子ども向けのノンフィクションを対象に付与しています。

調べたいことがらがピンポイントで決まっている場合には、そのキーワードで学習件名検索(※)をするのが最速・最短の方法ですが...

※TOOLi>図書検索画面の「学習件名」欄にキーワードを入力(典拠ONでの検索がおすすめです)
 または、TOOLi>学習件名検索画面で探したい言葉を入力(学習件名の候補が表示されます)

何を調べようかはっきり決まっておらず、"テーマ探し"から始めたいようなときには、「どんな学習件名があるんだろう?」という切り口から検索してみるのも1つの手です。

それには、TOOLiの典拠検索画面を使います。

例えば、漠然と何か動物について調べたいときには、まずどんな動物が学習件名になっているのかを一覧で確認することができます。

TOOLiの典拠検索画面で「学習件名」にチェックを入れ、「件名種別」のプルダウンより「個々の動物の種,家畜,家きん名」を選択して検索。
→すると、動物の名前がズラーッと出てきます。


図.png
初めて目にする名前や、姿を思い浮かべられないような名前もたくさんあります。一覧を眺めているだけで、大人の私でも知的好奇心をくすぐられます。


件名種別には、他にも気になる選択肢がたくさん。

「個々の植物の種,農作物名」は動物名に引けをとらぬ多様さ。
「資格・職業」は将来やりたいことを見つけるヒントになるかも。
「疾患名」には「新型コロナウイルス感染症」もバッチリ(!?)仲間入りしています。

TOOLi>典拠検索画面で「件名種別」を利用した学習件名の検索をぜひお試しください!


*学習件名については以下の過去記事もぜひご覧ください。
→「学習件名のこと(その1)~データ部ログダイジェスト児童書編2
→「学習件名のこと(その2)~データ部ログダイジェスト児童書編3

2021年2月 5日

あの国の音楽を知りたい~TOOLiで探そうQ&A~

Q.
海外旅行がすっかり遠のいてしまったこのごろ。
音楽で世界の旅ができるのでは?
アフリカや、アラブ、中南米とか、日本から遠い国の音楽を聴いてみたいのですが。

A.
音楽は世界じゅうどこにでもありますよね。
この国、この地域の音楽を聴きたい!というときの検索方法をご紹介します。

録音資料(CD)には、音楽件名を付与しています。

音楽件名のなかに
「民族音楽-(地名)」
「ポピュラーミュージック-(国名)」
「民謡-(国名)」
と( )に、地名や国名が入るものがあります。

<TOOLi AV検索画面>の<件名>の検索窓にこれらの件名を入力すると、その国の音楽を扱ったCDに出会えます。
部分一致で国名だけを入れてもよいです。

<すべての項目>に国名を入れても検索できます。
<すべての項目>の場合には、国名に似た別のものがヒットしてしまうこともありますが、手軽です。

たとえば「ポピュラーミュージック-〇〇」のパターンは、現在87あります。
日本はもちろん、韓国、香港から、北マケドニア、マグレブ、西サハラ、レユニオン島といった、日本人には、なじみの薄い国や地域もかなりな数に上ります。

「ポピュラーミュージック」は、現在ただいま、その地域の人たちが聴いている音楽。
「民族音楽」「民謡」は、伝統的なものですね。
音楽に触れて、その国の暮らしをイメージしたり、歴史に思いを馳せたり...。
旅がむずかしい状況ですが、すてきなお近づきの方法だと思います。


「TRC音楽件名表」の一覧はTOOLi-お知らせ-TRC MRCマニュアル-『TRC AV MARC/Tタイプ マニュアル』第2版に掲載しております。

2021年2月 4日

鬼が来たら帰れ

こんにちは。典拠 小松です。
今月の雑記は、流行にのって?「鬼」がお題です。

今年の節分は124年ぶりに2月2日ということが話題になっていましたね。
我が家では、豆を買ってきたら節分前に食べきられてしまい、恵方も調べずに手巻き寿司を食べました。何かいろいろ間違っていますが...

さて、ありがたいことに日常生活で滅多に鬼らしいものにお目にかかることのない私。「鬼」というお題で思い出したのは、高校時代の漢文の授業です。

「鬼が来たら帰れ」(ヲニが来たら帰れ)

と覚えていたのですが、この記事を書くにあたって調べなおしたら、

「鬼とあったらそこより返れ」(ヲニト会ったらそこヨリ返れ)

とありました。

これは、返読文字のルールですね。

書き下し文に「ヲ」「ニ」「ト」「ヨリ」が付く場合は、それとつながる述語はその単語の前に来る。「返り点」「一二点」などがつくシチュエーションです。

「読書」「救急」「入虎穴」

このルールを改めて考えると、白文を読むためのルールです。高校時代は白文は歯が立たなかったので「適切なところに訓点をふりなさい」というような漢文のテストをうまくやり過ごすために覚えたのでしょう。

訓点は本来、白文を解読した人が次に読む人(あるいは後で読む自分)のために訓点をほどこし、それを書き下し文で音読したり、順番をたどって理解するためのものだったはず。

今更ですが、漢文の授業をとっていた高校時代に、こうした順序を全く考えずに簡単なルールと丸暗記で試験をやり過ごしていたことに気づき、少々恥ずかしくなりました。

その後、卒論で日本漢文なども含めて白文を読んだり、趣味で書道をしたり漢詩を作ったり、漢文との接点は人よりだいぶ多かったと思います。ここ10年ほど漢文との接点はなくなっていたことの今気づいたので、この機会にまた中国文学の本を読んでみようかと思いました。

文化を好きになって漢文に親しむようになるのか、漢文から歴史や文化を知ってみたくなるのか、どの順序にしても漢文に親しむならば中国文化への理解は必須ですね。

近刊にこんな本がありました。同じ著者の既刊もご紹介しておきます。

「漢文で知る中国 名言が教える人生の知恵」

加藤 徹(著)
NHK出版(2021.1)

「漢文の素養 誰が日本文化をつくったのか?」

加藤 徹(著)
光文社(2006.2)

2021年2月 3日

きょうのデータ部☆(2/3)

DSC_0660.JPG

長く席を外すときに机に置いておくアイテム。
データ部では、付箋のメモをパソコン画面に貼る派や、イラスト入りの可愛いメッセージを用意している派など、個性いろいろです。

2021年2月 2日

この音、なんでしょう?

本日は「週刊新刊全点案内」2195号の発行日です。
掲載件数は1065件でした。

*こんな本がありました*

「マンションの「音のトラブル」を解決する本」

井上 勝夫(著)
あさ出版(2021.1)


昨年のステイホーム中、我が家はマンション内で聞こえる「音」が気になっていました。子どもも大人も普段家にいない人がいない時間にいるわけですし、誰もが家でなるべく楽しく過ごせることを模索していたわけですから、多少のことはお互い様。ご近所さんとも揉めたくないので、余程非常識な時間、うるささでなければ良しとしようと思っていました。

しかし。何度も何日も鳴ると段々と気になってきて、どの部屋のどの辺りがよく聞こえるのか、上か下か横からか、このリズムはボールか楽器か健康器具か太鼓の達人? 家族で推理合戦です。
そのうち下の階から「太鼓の達人してます?」と聞かれ、我が家が原因と思われていたことに驚き、慌てて上の階にもリサーチすると「かなりつらいです(もっと大きいらしい)」とのこと。話を聞くほどに原因はわからなくなる一方。どなたかの訴えでマンションの掲示板に貼られるようになった注意喚起の貼り紙を見ては「気づいて!」と願うように。

おそらくその時期、音はいくつか鳴っていたと思うのですが、貼り紙のおかげか減っていき、最後のひとつは原因が判明しました。それは「1階で子供がボールを突いていた」音。絶対上からと思っていた音が1階からだったことにびっくり!(仲の良いご家族だったので「もしかして今ボールついてる?」「やめた?」のLINEトークで判明)

音がもっと遅い時間まで鳴っていたら、赤ちゃん・ご老人・病人・受験生がいる家だったら、と状況によっては騒音と捉え、ストレスを感じ、ご近所トラブルに発展していたかもしれません。
今、読んでみたらきっと腑に落ちることがたくさんあるのかも、と思ったタイトルの本でした。
 

2021年2月 1日

世界レベルの美を求めて~新設件名のお知らせ2021年1月分~

明日発行の『週刊新刊全点案内』は、巻頭に「新設件名のお知らせ」を掲載しています。
新設件名は、TRC MARCで件名標目を新たに採用したものという意味で用いていますので、NDLSHから採用したものも含まれています。

2021年1月は4件の件名を新設しました。そのひとつに「あいぎょくしいたび」があります。
初めて目にした単語...。まず区切りがわからない。「あいぎょく-しいたび」? しいたびってシイタケの親戚??と脳が勝手に暴走したので調べてみたところ、「あいぎょくし-いたび」が正しい区切り。「愛玉子イタビ」。

実はこれ、台湾の有名なスイーツ、オーギョーチーの原料となる植物だそうで。オーギョーチーなら聞いたことがあります。食べたことはないけど。世界三大美女の一人、楊貴妃が好んで食べていて、彼女の美の秘訣ともいわれているゼリーみたいなヤツ!

ところで、この「あいぎょくしいたび」についてもうちょっと調べていたら、なんと発見したのは日本人だった、という話を見つけました。中国語の資料によると、「あいぎょくしいたび」の学名は「Ficus pumila L. var. awkeotsang (Makino) Corner」と書かれているそうです。Makino? そう、日本の植物の父といわれる牧野富太郎博士が1904年に新種の植物として報告したものだそうなのです。

ちょっと待って? 楊貴妃が好きだったんじゃないの? オーギョーチー。楊貴妃って中国が唐だった頃の人でしょ?? 1904年に新種として発見?? 
また頭の中にたくさんの???を生んだ「あいぎょくしいたび」。でも、とりあえずオーギョーチ―が美容にもよい健康食品であることは間違いなさそうなので、いつか食べてみたいと思います。目指せ、世界レベル、楊貴妃の美。

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