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2016年11月 アーカイブ

2016年11月30日

きょうのデータ部☆(11/30)

データ部2階の荷物置き場に控えているこちら↓

DSC_3373.jpg

目録の研修で使用する献本たちです。

データ部の新入社員や、他部署・図書館からMARC研修に来たメンバーは、まずはこの本たちを使って目録のお勉強をします。

カタロガーへの第一歩、ですね。

2016年11月29日

走る季節

本日は週刊新刊全点案内1990号の発行日です。

掲載件数は1173件でした。


*こんな本がありました*


早いもので今年もそろそろ終わり。
新年を迎える準備を始める時期ですね。

そして新年といえば、箱根駅伝です。


図解箱根駅伝 図解でわかる!箱根駅伝の魅力

野神明人(著)
新紀元社(2016.12)


データ部員の中には 
家がコースの近くというメンバーもおり
沿道で声援を送っているようですが
私は 家族でテレビ観戦派。

お互い、自分の母校を応援するあまり
正月早々 家の中が険悪になることも...。

しかし、次回の箱根駅伝
なんとどちらの母校も 出場ならず。
険悪になることは避けられましたが
ちょっとさみしい気もします。


こちらの本を読めば、そのさみしさも払拭されそう。

箱根駅伝のコースや見どころ以外にも
駅伝にまつわるお話しがたっぷり。

応援することに一生懸命になりすぎて
いつもは見逃しがちな
各校の応援合戦や
先導する白バイ隊の運転技術
(東京都内は警視庁、多摩川を越えると
 神奈川県警が担当するそうです)
を楽しむことにいたしましょう。

それにしても 
12月は師が走り
1月は学生が走る...。


年末年始は 誰かしら走る季節なのですね。
 


2016年11月28日

分類/件名のおはなしダイジェスト 第2回

こんにちは!データぶー子です。
ダイジェストの第2回は、「未来の分類」について。

databuko5.gif

実は、今まで全く使われていない分類があるんです。
件名と違って、分類記号は途中でおいそれと追加変更することはできないものなので、該当する本が存在していなくても、学問体系上必要なものに対しては分類記号が割り振ってあります。
これからどんなテーマの本が出てきても分類表のどこかに収められるように、いわば備えあれば憂いなしの精神というわけです。
とはいえ、少々備えすぎでは...という分類記号もありまして。

290 地理.地誌.紀行の下に、
299.9 地球以外の世界 という分類記号があります。

地球以外の世界って...。
この分類記号は、NDCの8版(1978年発行)から新しく追加されました。
7版(1961年発行)から8版へ改訂される間にアポロ計画の成功があり、きっともうすぐ宇宙旅行が現実に!という気分が高まっていたのでしょうか。

現在では、大富豪ならスペースシャトルに同乗できる時代になったとはいえ、まだまだふつうの旅行感覚で宇宙に行くことはできません。宇宙滞在記は、やっぱり紀行というよりは宇宙開発(538.95)ですしね。

もしも宇宙でくらしたら」

山本省三(作)
WAVE出版(2013.6)

したがって、299.9を付与した本はいまだ存在せず。
いつか付与できる日が来るのでしょうか...?

2016年11月25日

付録があったらどうするか ~MARCや検索のはなし~

月末にお届けするMARCや検索のはなし。
今回は「付録」についてとりあげたいと思います。

ガイドブックについている1枚ものの地図やお裁縫の本の型紙など、図書本体とは別個の付録がある場合、「形態に関する注記」に注記しています。

付:全国ゲレンデMAP2017(1枚)
付:ドライブ&タウンMap(32p)
別冊付録:『日光』解説・総目次・索引 田中綾解説(83,28p 21cm)

タイトルがあればタイトルを入れ、その後にカッコでくくって数量を入れます。冊子様の付録ではページ数と大きさを入れますが、大きさについては図書本体と同じ場合は省略しています。

冊子様のものはタイトルに対するヨミを入れていますので、ヨミから検索していただくこともできます。「ニッコウ/カイセツ/ソウモクジ/サクイン」とか。

ちなみに冊子様のものを注記する際に「付:」とするか「別冊付録:」とするかについても使い分けがあり、「背があり、冊子として扱えるもの」については「別冊付録:」を、背がなかったりペラの紙を重ねて折ってあるだけだったりと簡易なものについては「付:」を用いています。

続きを読む "付録があったらどうするか ~MARCや検索のはなし~" »

2016年11月24日

テレビでびじゅつ

11月の雑記のテーマは「芸術の秋」。

我が家ではEテレを見ることが多いのですが、以前、何かの番組を見たらしい子どもがみょうちきりんな歌を歌っていました。
「アルパカの~モナ・リザさん!」
モナ・リザはダヴィンチの名画以外に考えられないけど、アルパカって?
なんのことやらさっぱり分かりません。

しばらくしてその番組が判明。
日曜夕方5:55からの5分間番組「びじゅチューン!」というものでした。
放映時間が短いことと、週末はその時間にテレビがついていることがまれなので、なかなか再会できなかったようです。

子どもが聞き間違えた曲のタイトルは「お局のモナ・リザさん」。
ご存知の方もいらっしゃるでしょうが、この番組、名画に限らず美術を広くとらえて1つ選び、歌とアニメーションで紹介する番組です。作詞・作曲・歌・アニメーションを担当するのは井上涼さんというアーティスト、なんとおひとり!

我が家は一気に「びじゅチューン!」の虜になりました。
「モナ・リザ」を会社のお局OLになぞらえたり、「吉祥天女像」は柄モノ衣装が大好きな女性に。「見返り美人図」の美人は見返り過ぎて高速回転、ドリルになって風速で洗濯物を乾かしたり。「真珠の首飾りの女」の表の顔は図書館員。裏の顔はくノ一で真珠の首飾り爆弾を投げつけます。
その自由な発想と展開、摩訶不思議な世界。上手いのか下手なのか分からない絶妙な歌、アニメーション。
もうたまらなく面白く、すっかりはまっています。

静かに真面目にふむふむ観賞するでなく、一緒に歌って踊りたくなるようなびじゅつ。
大げさですが、ちょっと目からうろこが落ちた気にも。
そして笑った後はちょっとハッピーな気にもなるのです。


2016年11月22日

しょうゆ顔のイケメン武士

本日は「週刊新刊全点案内」1989号の発行日です。
掲載件数は1124件でした。

*こんな本がありました*

パリの福澤諭吉

山口昌子・著
中央公論新社(2016.11)


福澤諭吉が文久遣欧使節団の一員としてパリに滞在した時に撮影された、一枚の肖像写真があります。あまり知られていないその写真を軸に、福澤が過ごしたパリでの日々を追った本です。


私たちが良く知っている福澤諭吉の顔といえば、やはり一万円札の肖像画ですよね。福澤といえば、誰もが知っている明治を代表する思想家。壮年期の貫禄たっぷりのあの顔を見るたびに、畏れ多い心持ちになります(それが一万円札であることも影響していそうですが)。

ですが、この本の表紙に載っている福澤はなんと、涼しげな目元の凛々しい青年武士。「福澤諭吉=一万円札の肖像画」と完全にインプットされているので、「このしょうゆ顔のイケメン武士が??」とびっくり。
さらに印象的なのがその表情。パリで撮影された写真にも関わらず、まるで自宅にいるかのようなリラックスした面持ち。遠い異国に来ている不安や緊張をみじんも感じさせないところが、うーん、さすがです。

本のなかで紹介されているエピソードはどれも興味深いのですが、特に目を引いたのが、福澤がフランスの「書庫(国立図書館)」を見学した話。ヨーロッパの旅で西洋文明の根源がどこにあるかを知りたかった福澤にとって、蔵書150万を有するヨーロッパ最大規模のフランスの「書庫」との出会いはどれほどの衝撃だったことでしょう。

帰国後に福澤諭吉が著した「西洋事情」には、ヨーロッパの図書館について、次のように書かれています。

「西洋諸国の都府には文庫あり。『ビブリオテーキ』と云う。日用の書籍図画等より古書珍書に至るまで万国の書皆備り、衆人来りて随意に之を読むべし」


福澤がパリの図書館を見学してから150年ほどたった現在。
もし、福澤が今の日本の図書館を見たら、果たしてどんな感想を抱くのでしょうか。

2016年11月18日

日本人が書いたアーサー王 ~分類・件名のはなし・70~

ここ最近、立て続けにある本の分類についてお問い合わせをいただいたので、今日はそれについてご紹介したいと思います。
 

 Q.『週刊新刊全点案内』1984号に掲載されていた、斉藤洋作の「アーサー王の世界」の分類が、K933となっているのはなぜですか?


なるほど、なるほど。疑問に思われるのもよくわかります。
この本は、児童文学者の斉藤洋さんが、アーサー王伝説として知られる物語を子ども向けに描いたファンタジーです。分類記号、K933の最初の「K」は、児童書を表す別置記号なのでこれはよいとして、問題となるのはそのあとの「933」ですね? 
日本人の斉藤洋さんが日本語で書いたのだから、日本の近代小説、物語を表す913.6になるのではないかしら? 現に、『週刊新刊全点案内』の次の号、1985号に掲載されている斉藤洋作の「サバンナのいちにち」はK913.6になっているし...。という疑問だと思います。ごもっとも。

さて、種明かしです。これは、TRC MARCにおける分類のルールとして、「子ども向きに翻案改作された民話・伝説・神話は、原話の国の文学として各言語の文学の下に収める」というものがあるためです。「子ども向き」というところがポイントです。

もう一点。アーサー王の原話ってなに? トマス・マロリーが書いた「アーサー王物語」のこと?? それなら、933.4と中世の英米文学の分類になるんじゃないの?? と思われた方はいませんか?
もちろん、トマス・マロリーの「アーサー王物語」を使って翻案改作した、ということがはっきりとわかれば、K933.4となるところですが、アーサー王伝説というものは、トマス・マロリーの「アーサー王物語」が完成する前、古くから語り継がれてきたものであると言われています。そういった成立年代のはっきりしない伝説が原話、ということになりますので、今回の斉藤洋作「アーサー王の世界」はK933という時代区分をしない分類になった、というわけです。


ご納得いただけましたか? いろいろと深い分類の世界、また疑問に思われることがありましたら、お気軽にデータ部までお問い合わせください。

2016年11月17日

カレイドツアー

11月の雑記のテーマは「芸術の秋」です。

まだ11月も前半ですが、秋とは名ばかりで近頃めっきり寒くなりましたね。
ブログのテーマは「芸術の秋」ですが、みなさん秋といえばほかにどんなものを思い浮かべるでしょうか。
「食欲の秋」「運動の秋」「読書の秋」「行楽の秋」...今思いつくだけでもたくさん浮かびますが、私は一つずつ攻略することはせず、しばしば「芸術の秋」にかこつけてこれらすべてを一度に楽しめる方法をとります(実際は秋だけではないですが)。
それは、他県の美術館・博物館の展示を見に行くこと。

この方法をとりだしたのは数年前、見たいと思っていた展覧会の開催地が関西だと判明したことがきっかけ。普段なら距離の隔たりを理由にあきらめてしまっていたのですが、当時はどうしてもあきらめられず、どうせ遠くへ行くならば思い切り満喫してやれと小旅行のつもりで行ってみたのが始まりでした。

その時は目当ての展示が人気だったため入場まで時間がかかったのですが、待ち時間の間に読みたいと思いつつ読めずにいた本を思いがけず読むことができ、またせっかく遠くまで来たのだからと周囲を歩きまわって観光してみたり、途中見つけた名物を食べてみたり...。楽しいことづくしで見事に魅力にとりつかれてしまい、その後各地へ赴くこと数知れず。時間も資金も潤沢とは言えないのでいつも弾丸ツアーで、事前リサーチもほとんどしないで出かけることが多いのですが、本来の目的である芸術鑑賞とあわせて今まで行ったことのなかった場所の思わぬ魅力も発見でき、収穫は盛りだくさんです。

こんな「芸術の秋」、いかがでしょうか。

2016年11月21日

分類/件名のおはなしダイジェスト 第1回

こんにちは!データぶー子です。

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すっかりご無沙汰してしまったけれど、お元気でしたか?
さてさて、年末恒例のダイジェスト企画、今回は「分類/件名のおはなし」のダイジェストです。
これまで取り上げてきた分類や件名の話題から、選りすぐってお届けしますね!

データ部といえば校正、校正といえばデータ部ですが、分類/件名での校正作業のひとつに"リストでのチェック"があります。
ここでは本そのものは見ず、前日に作業終了分のMARC No.と分類、件名がずらっと並んでいるだけの代物をチェック(タイトルすら無いリスト...)。分類が『日本十進分類法(NDC)』に適しているか、ケアレスミスはないかを見ていきます。

というわけで、冊子体のNDCとの首っ引きになるわけですが、時には本表に見当たらない分類も...。

新たな分類を作ってみました! というわけではないはずなので、そんなときは慌てず騒がず、そっとその分類の周囲を確認。
まずは「地理区分」を展開しないかチェック。無ければ、さらに範囲を広げると、ちょっと後ろに「固有補助表」がある分類も。

例えばNDC188(仏教の各宗)の後ろにはこんな説明が...
------------------------------------------------
*各宗とも,テーブルにより共通的に区分することができる(略)
-1. 教義.宗学
-2. 宗史.宗祖.伝記
-3. 宗典
-4. 法話.語録.説教集
(後略)
-----------------------------------------------
このような約束ごとがあり(また、TRCはこれを適用しているので)、188.212などという分類を付与してよし、となるわけです。


では、NDCの本表をどうひっくり返しても書いていない分類が出てきたら? そんなときは一般補助表を開きます。
分類を問わず多く使われるのが「形式区分」。(下は抜粋)
------------------------------------------------
-03 参考図書[レファレンス ブック]
-04 論文集.評論集.講演集.会議録
-077 教育・養成機関
------------------------------------------------
などとあるのを適用。(このあたりの詳細はこちら)これによって、497.04などという分類が登場します。

ここまでの引用はNDC新訂9版ですが、新訂8版でも固有補助表・形式区分などの扱いは同様です(一部解説の文言が違うものもありますが)。
2017年4月からTRC MARCで採用する新訂10版はというと、形式区分に変更はありませんが、一般補助表の「地理区分」や「言語区分」、固有補助表については一部変更がありますのでご注意くださいね。

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2016年11月15日

8番目は戯曲

本日は週刊新刊全点案内1988号の発行日です。
掲載件数は1235件でした。

*こんな本がありました*
ハリー・ポッターと呪いの子 第一部・第二部 スペシャルリハーサルエディションスクリプト

J.K.ローリングジョン・ティファニー ジャック・ソーン(著)ジャック・ソーン(舞台脚本)
静山社(2016.11)

「ハリー・ポッター」シリーズの最新作、『8番目の物語』にあたる作品!
邦訳発売を首を長くしてお待ちだったシリーズ読者も多いことでしょう。

ご存じの方もいらっしゃるかと思いますが、この作品、これまでのシリーズ小説7作とは成立過程や作品形式が異なっています。
まず、舞台劇の書籍化で、形式が小説ではなく舞台脚本(戯曲)となっています。
そして、J.K.ローリングの単著ではなく、彼女とジョン・ティファニー、ジャック・ソーンの3人によるオリジナルニューストーリー(原案)から、ジャック・ソーンが舞台脚本にしたものとのこと。

さて、そういった事情の本を手にして目録を作成するにあたり、私どもデータ部員は少々考えこんでしまいました。
「ハリー・ポッター」シリーズの最新作とうたわれているのですから、これまでの7作と並んでいてほしい気持ちは山々。
しかし、前作までの小説に対して今作は戯曲で、そうなると分類記号は...。
著者記号についても様々な意見が出ました。
戯曲を書いたジャック・ソーンから?「ハリー・ポッター」シリーズなのに著者記号がJ.K.ローリングからでないのには違和感が!図書に「著者」として原案の3人が表示されているのだから、3人著者で単一標目指示はタイトルで著者記号は無しでは?...
車座を組んで皆でさんざん頭をひねり(かかえ?)ましたが、最終的に、原作や原案が何であろうと戯曲は戯曲の分類に、戯曲の著者記号は戯曲を執筆した人から、という基本の考え方で目録をとることにしました。

結果、舞台脚本「ハリー・ポッターと呪いの子」については
分類:K932.7<K932> 図書記号1文字目(著者記号):ソ
となり、
7作目までの小説の
分類:K933.7<K933> 図書記号1文字目(著者記号):ロ
とは異なる分類・図書記号となっています。
(図書館独自の配架をお考えの場合は、請求記号指示等をご検討いただければと思います。)

そんなこんなで目録のとり方でもデータ部員の記憶に残る「今週の1冊」ですが、もちろん内容的にも...文学作品ですのでこれは読んでのお楽しみとさせていただきましょう。
個人的には、もしかしてこの作品で初めて「戯曲を読む」という体験をして、小説とはまた違った味わいの戯曲というジャンルに開眼する方もいるのでは、と楽しみです。


2016年11月14日

図書館総合展に参加しました

11月8日(火)~10日(木)、パシフィコ横浜にて第18回図書館総合展が開催されました。
TRCのブース内で、データ部もTOOLiや、『週刊新刊全点案内』をご紹介。

20161110_175625.jpg

フォーラムとは別に、ブース内の小さなステージでTRC各部署が10分ほどのプレゼンテーションを次々に展開。
私どもは、「データ部が語る 大解剖!『週刊新刊全点案内』」「メイキング・オブ・TRC MARC~TRC MARCを生みだすデータ部ってどんなところ?~」という2つのプレゼンをいたしました。

総合展に参加して、日頃、TRC MARCをご利用いただいているお客様、見本をご提供くださっている出版社の方々、そしてまだTRCのことをよくご存知ない方とも、直接お話しすることができました。
こういった機会をいただき、日々の仕事の励みになるとともに、MARCをより良く活用していただくにはどうしたらよいかと考えております。

お立ち寄りくださったみなさま、ありがとうございました。

2016年11月16日

きょうのデータ部☆(11/16)

どの家庭、どのオフィスにも必ずあるもののひとつ、時計。

データ部の壁に掛かっているのはこんな時計。

DSC_3374.jpg


ふと時計を見ては、「お昼ご飯まであと1時間か...」「え!もう17時?!」などと心の中でつぶやくこと数知れず。

2016年11月11日

読みがおかしい? ~典拠のはなし~

著者の読みがおかしいですよというお問い合わせを頂くことがあります。
例えばこのような。


剣道昇段への道筋

剣道時代編集部(編)
体育とスポーツ出版社(2016.4)

編者の"剣道時代編集部"の読みが"タイイク/ト/スポーツ/シュッパンシャ"になっている。間違いでは?

"タイイク/ト/スポーツ/シュッパンシャ"は、"剣道時代編集部"をそのまま読んだものではありません。
典拠の役割のひとつに、「図書に表れる様々な形をひとつの形(=統一形)にまとめる」があります。
統一形を決め、それをMARCの中に持たせておくことで、同一著者の著作を図書の表示の形に関わらず探すことが出来、図書記号も揺れが無くなります。
個人名に限らず団体名でも同様で、企業の部署名・支社は企業名を、雑誌編集部は発行元の出版者名を統一形としています。
おさらいはこちらをどうぞ。
従って、"剣道時代編集部"の統一形は、雑誌『剣道時代』発行元の"体育とスポーツ出版社"。
"タイイク/ト/スポーツ/シュッパンシャ"は、この統一形のカナ形だったのですね。

リクツは分かったけど、"剣道時代編集部"の読みでも引けると良いのに...。

はい、上記の「剣道昇段への道筋」では、"ケンドウ/ジダイ/ヘンシュウブ"もご提供しています。

責任表示                剣道時代編集部//編
著者標目 カタカナ形(統一形)    タイイク/ト/スポーツ/シュッパンシャ                著者標目 漢字形(統一形)      体育とスポーツ出版社
著者標目 カタカナ形          ケンドウ/ジダイ/ヘンシュウブ      
      (記述に対応する)


「著者の読みがおかしい」シリーズ(勝手にシリーズ化)、機会があればまたご紹介しますね。

2016年11月 8日

威風堂々

本日は週刊新刊全点案内1987号の発行日です。
掲載件数は963件でした。

*こんな本がありました*

美しい刑務所

上條道夫 写真(2016.11 西日本出版社)

明治の五大監獄と呼ばれる近代化計画で建造された監獄のひとつ、
奈良少年刑務所の写真集。
千葉、金沢、奈良、長崎、鹿児島のうち現存する唯一の建物です。
刑務所というとちょっと近寄りがたいイメージを思い浮かべますが、
この煉瓦造りのその姿はどっしりとした風格を感じさせます。
文中の解説によれば、明治政府は欧米列強の近代化の波に追いつくべく
「ある国の近代化ぶりを見るにはその国の一番遅れた部門を見ればいい」という考えに則り刑務所建築の洋風化・近代化に乗り出したそうです。
建造物と制度、両面から新しい風を巻き起こしました。
写真を眺めていてもこれが刑務所?と感じるような厳かな佇まいです。
奈良監獄として1908年に建てられましたが、建物の老朽化のため、来年3月末で閉鎖が決まったのが今年初夏。
そして先月国の重要文化財に指定されることが決定しました。
スクラップアンドビルドが繰り返される昨今、近代化の象徴のひとつとして後世へ語り継がれていってほしいですね。

2016年11月10日

ちょっと冷たい視線の美女

こんにちは、データ部AV班の原田です。
11月の雑記のテーマは「芸術の秋」です。


先日、上野の国立西洋美術館へ行ってきました。
お目当ては、「クラーナハ展 500年後の誘惑」。

ルーカス・クラーナハ(父)は、ドイツのルネサンス期の画家です。
ちょっと冷たい表情のスリムな女性像が、ずいぶん前からお気に入りだったのですが、日本で作品を見る機会はほとんどありませんでした。

この展覧会で多くの作品を見て、解説を読んで、彼が宗教改革者のルターと同時代人だった上、同じ町・ヴィッテンベルクで活動していて、交際があったことがわかりました。

また仕事が速く、大きな工房を経営して絵画の大量生産を行ったり、版画製作にも積極的だったりと、複製時代を先駆けた人だったことも知りました。

彼が使えたザクセン公家の人々の肖像など、油絵でスーパーリアルに描く技術も大したもの。
長年、好きだと思っていたけど、知らないことばかり。そういう人だったのか...。

クラーナハ独特の、細くて冷たい感じの不思議な美女たち。
今までは画家の好みなのだと思っていましたが、実はその時代・その場所の好みなのかもしれないな...と感じました。

今年、こんな本も出版されています。
 「ルカス・クラーナハ 流行服を纏った聖女たちの誘惑」

伊藤/直子(文)
八坂書房(2016.8

なるほど、美女たちのドレスは当時の流行服でしたか。
やはり、彼女たちは16世紀ドイツ好みの美しさなのでしょう。

2016年11月 4日

著作権承認済DVDのご利用にあたって

DVDについてのお問合せの中でも難易度MAXなのが、著作権の利用制限についてではないでしょうか。
今回はカンタンに、その利用制限について、おさらいしてみましょう。
まず、弊社カタログ『著作権承認済DVD TRC映像資料目録 2016年度』の「ご利用にあたって」の頁をチェック。
ここから転載してみますと...


[上映]
①著作権承認の映像資料を購入した所蔵施設内において、その施設が主催する不特定多数を対象とした非営利による無償同時視聴(上映)
②不特定多数を対象とするマルチスクリーン・単体モニターでのエンドレス再生(BGV)
③上記①の施設外での上映、①の施設以外の個人・団体が主催する上映は不可


せっかくですから、「館内利用」「館外貸出」についても見てみましょう。


[館内]
①購入した所蔵施設内に設置された視聴覚ブースでの個人(原則1名)による視聴
②複数名での視聴が可能なブースの場合、家族程度の人数までによる同時視聴

[館外]
①個人への無償貸出における、家庭内等での個人的な視聴
②貸出を受けた個人の家族による同時視聴
③団体への貸出、上記①②を越える目的(上映等)のための個人への貸出は不可


いかがでしたか。どの利用制限でもOKの場合、NGの場合がそれぞれあるんですね。

このほか『著作権承認済DVD TRC映像資料目録 2016年度』では
・映像資料の利用範囲表示シールについて
・著作権に関するQ&A
・映像資料に関する保証について
なども、ご案内させていただいております。

あれ、これどうだったっけ?な時には、商品ご案内の頁だけでなく、ぜひ「ご利用にあたって」の頁もご覧くださいね。

2016年11月 9日

きょうのデータ部☆(11/9)

データ部3階フロアの全景。

IMG_20161031_185731.jpg

こちらでは遡及MARC、AV MARC、雑誌データ、特注データを作成しています。

写真手前にはデータ作成を待っている洋書たちが。

2016年11月 7日

数字の読み方~MARCで探そうQ&A~

Q.NDC(日本十進分類法)の新しい版が出たそうですが、「ニホンジュッシンブンルイホウ」というヨミで検索すると出てきません。どうしてですか?

A.「十進」は「ジッシン」というヨミで統一されています。

TRC MARCでは、漢字やアルファベット、数字について、どのように読むかの規則が定められています。
「ヨミ」という概念がそもそも、日本語独特のものかと思いますが、ひとによってバラバラになりそうな読み方について、規則を定めることによって、きちんとその言葉で探せるようにしているわけです。
数字の「十(ジュウ)」については、次のような決まりがあります。

「十」が他の語と結びついて促音となるときは,「ジッ」と表記する。
十進法 ジッシンホウ
十戒 ジッカイ

NDC10版が刊行されて、あちこちでその説明をする機会があるのですが、その時に「ジッシンホウ」と読むと、「え?いまなんて?」という顔をされるので、ちょっとドキドキします。
口頭のときには「ジュッシンホウ」の方が通りがいいのかも...と思い、「ジッシンホウ」と「ジュッシンホウ」の中間ぐらいの発音にしてみたりして。
日本語は本当に難しいですね...。

2016年11月 1日

本日は週刊新刊全点案内1986号の発行日です。
掲載件数は1283件でした。

今月の表紙はこちら。

p20161101.jpg


*こんな本がありました*

病気を描くシェイクスピア

堀田饒(著)
ホーム社(2016.10)

今年はシェイクスピア没後400年。
シェイクスピアが生きたエリザベス朝時代の医療と暮らしを、
シェイクスピア作品に登場する病気を題材にして紹介します。

例えば歯に関するもの。

「から騒ぎ」では、若い貴族が「アジアの極東へ楊枝取りに」
と言う場面が出てきます。

当時は羽根か木で作られた爪楊枝が使われていたそうですが、
なかでも極東の地アジアのものが良いものとして、
そのころのイギリスでは広く知られていたようです。

当時使われていた歯の漂白剤(イカの骨から作られたもの)や、
歯磨粉(クローブやキダチハッカなど)のことも紹介されています。

この他にも、梅毒や黒死病、マラリア、怪しい医療術などなど。
時代に特徴的なものがとりあげられています。


今週号には

描かれた病

リチャード・バーネット(著)
河出書房新社(2016.11)

という本もありました。
こちらはカラー写真の無い時代に描かれた医学書の挿画を集めたもの。
表紙の女性(これは罹患後の姿だそう)の罹患前の絵も収録されているのですが、その落差がすごい。
美しくて恐ろしいです。

2016年11月 2日

きょうのデータ部☆(11/2)

データ部2階フロアの全景。

DSC_3371.jpg

主に新刊図書のMARCを作成しているところです。
茗荷谷の本社ビルで1番広いフロアになっています。

広いがために(?)暖房がフロア全体に行き渡るのに時間がかかり、
休み明け月曜日の朝などは、しばらく震えるほどの寒さに...。
これからの季節は、防寒グッズが必須です。

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