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2023年1月 アーカイブ

2023年1月31日

ややこしくってあきらめてしまう......

本日は「週刊新刊全点案内」2293号の発行日です。
掲載件数は1080件でした。

*こんな本がありました*

「スラッジ 不合理をもたらすぬかるみ」

キャス・R・サンスティーン(著),土方 奈美(訳)
早川書房(2023.1)

みなさんは「ナッジ(nudge)」をご存知でしょうか?

人の認知や行動の傾向をうまく利用し、強制することなく望ましい行動をさせる手法として近年話題です。2017年にノーベル経済学賞を受賞したセイラーと、本書の著者であるサンスティーンにより提唱されました。

例えば......
臓器提供の同意を求める際、「同意しない場合はチェックを入れる」というオプトアウト方式にすることで不同意率を減らす。
食べ放題のお皿を少し小さくすることで、無意識のうちに取る量を少なくして食品ロスを減らす。


一方、本書のテーマである「スラッジ」はその反対。
人々が合理的な行動や社会的に望ましい選択をとるのを阻む、ぬかるみのような存在であることからこの名がついています。

みなさんも経験したことがあるのではないでしょうか?
ネット回線の「○○円キャッシュバックキャンペーン!(※ただし適用には手続きが必要です)」に惹かれて契約したのに、キャンペーン申込ページがあまりに見つけにくかったり、提出書類が煩雑だったりで手続きを後回しにして期限を過ぎてしまう、なんてことが......。


特に行政手続きにおいては、何ら悪意がなくともスラッジが生じがちです。
行政は透明性や公正性を求めるあまり申請者にたくさんの申請書や証明書を課すことも多く、その内容は複雑です。すると本来給付を受ける資格のある人が申請を諦めたり、申請の不備により給付を受けられなかったりといった弊害が生じます。
特に「本当に必要な人にだけ給付を届ける」という目的で実施された不正防止策が、手間をかけるだけの時間的・金銭的な余裕がない人や、病気や障害などで精神的・体力的に厳しい状況にある人だけを狙い撃ちする方向に働いてしまう場合もあります。

スラッジは社会にどんな形で存在するのか?
スラッジを削減するには一体どうすればいいのか?
それらを考えるきっかけになる本です。

2023年1月27日

本文のない本 ~MARCや検索のはなし~

記憶にある幼い頃の私は大人ぶりたくて絵が少ない本ばかりを選んでいたので、絵本に親しむようになったのは高校生になったころでした。以来よく手に取るようになり、今でもその豊かさと奥深さに惹かれています。中でも今だからこそ奥深さを知れたのが「文字のない絵本」でした。

TOOLiでもMARCの情報を活用してこの「文字のない絵本」を探すことができます。

まず、コード化情報のジャンルに注目してみると、まさに!な【文字のない絵本】(【児童書・絵本】>【絵本】>【文字のない絵本】)というジャンルがあります。
想像力が掻き立てられるような素敵なイラストの絵本や、0歳から親しむことができる知育絵本など、文字のない絵本にも意外と幅がありますね。

しかし、ここで検索できるのは分類に【E】がつく幼児・児童向けの本のみです。
大人向けの絵本の中にも「文字のない絵本」は存在しますので、検索してみましょう。

ここで活躍するのが「言語コード」。
分類に【726.6】、そしてコード化情報の言語の欄から【本文なし】を選びます。
このように検索すると、大人向け絵本も含んだすべての中で文字のない絵本も結果に表示することができます。

言語コードといえば、英文でも読める本を探すときなどによく使っていただいているかもしれませんが、【本文なし】のコードはなかなか触れることが少ないかもしれません。

これを機会に【本文なし】のコードを活用して、「文字のない絵本」を探してみてください。意外な出会いや発見があるかも...?

2023年1月26日

鏡開きをそういえばまだしていません

雑記のテーマは、「好きなおせち・お正月料理」です。
お正月といえば、お餅がたくさん食べられる、ということが子どもの頃、楽しみのひとつでした。
兄弟と数を競い合うようにして、お餅を食べた覚えがあります。
鏡開きでは、おぜんざいを作ってもらって、あつあつの小豆とともにほおばるのがしあわせでした。
関東は角餅ですが、自分が幼少期を過ごした関西は丸餅で、角ばっていない丸みのある形と、すこし小ぶりなサイズが食べやすく、平気でいくつも食べていたあの頃。
今は残念ながら、そんなに食べられません。
昔は味と食感が苦手だった数の子が、いまは五本の指に入る好きなおせち料理になったりと、大人になるにつれ味覚や好みも変化していきました。
それでも変わらないのは、好きなお正月料理ナンバー1は、やっぱりお雑煮、ということ。別格、わかります。

全国には実に様々なお雑煮があり、それぞれのうちのお雑煮を聞いてみると、少しずつ、あるいはまったく違っていたりと面白いですよね。
我が家は、昔から福岡出身の父方の博多雑煮でした。母方の家は香川なので白味噌にあん餅をいれた香川雑煮。どちらも友人に珍しいと言われたことがあります。
博多雑煮は、出汁はすまし汁です。温めた出汁に、薄く味付けした大根、お煮しめ用に炊いた里芋の白煮と人参、椎茸の甘辛煮、かつお菜(小松菜)、薄く切った紅白のかまぼこ、そこに一口大にして軽く塩、酒を振って湯通しした鰤も入れ、一緒にひと煮立ちさせます。それぞれの材料の旨みが出汁に出て味わい深くなります。
お椀にまず大根を敷いて、焼いて柔らかくしておいた丸餅を上に乗せ、ほかの野菜とかまぼこ、鰤を彩りよく加えて、熱くした出汁をたっぷり入れます。最後に柚子の皮を入れて出来あがり。
柚子の香りがよく、鰤の臭みを取ってくれます。なぜ鰤?と昔は思っていたけど、出世魚だから縁起物なのですね。切り身は薄めにすると食べやすいです。

いつか、全国のいろんなお雑煮を食べてみたいものです。お餅のように、伸びしろのある一年になるといいな。

きょうのデータ部☆(1/25)

20230125.jpg

角川日本地名大辞典。
JapanKnowledgeで利用できますが
小字は書籍版のみ掲載なので、まだまだ現役で使っています。

2023年1月24日

小さな欠片に不思議な力?

本日は「週刊新刊全点案内」2292号の発行日です。
掲載件数は907件でした。

*こんな本がありました*

図説宝石と鉱物の文化誌

ジョージ・フレデリック・クンツ(著),鏡リュウジ(監修),鏡リュウジ(訳)
原書房(2023.1)

近年は特別展が開催されたり、誕生石が追加されたりと、宝石や鉱物に関する出来事が多いですね。
石によっては浄化の力がある、魔除けになるなどの効果があると言われることもありますが、この本はそんな「パワーストーン」思想のルーツになった本だそうです。
著者が世界中から集めた伝説や迷信などを掲載しており、宝石や鉱物が古来よりどういう風に扱われてきたかを知ることができます。
考えてみれば、自然から様々な色と輝きを持った石が発掘されるのですから、昔の人がそこに不思議な力が宿っていると信じることもおかしな話ではないですね。
スピリチュアルな効果を信じるかどうかは別ですが、昨今のブームで石に関心を持った人やもともと好きな人にはとても面白い一冊なのではないかと思いました。

2023年1月20日

なんのお話かな?~分類・件名のおはなし・127~

「読み物キーワード」ご提供開始から1年が経ちました。
読み物キーワードとは、児童書のフィクションと絵本を対象に、テーマや登場する事物をキーワードとして付与するというものです。お話の内容から検索できるので、子どもたちが自分で読みたい本を探すことができてとても便利です。
では、実際にどんなキーワードが付いているのか、クイズ形式でご紹介したいと思います。


こちらのキーワードが付いている名作はなんでしょう?

・孤児-物語・絵本
・カナダ-物語・絵本
・プリンス・エドワード島-物語・絵本
・友情-物語・絵本

おそらくみなさんお分かりになったかと思います。答えは「赤毛のアン」でした。


続きまして、こちらのキーワードがついた大人気シリーズはなんでしょう?

・いのしし-物語・絵本
・きつね-物語・絵本
・島-物語・絵本
・忍者・忍術-物語・絵本
・恐竜-物語・絵本

答えは、シリーズ最新作「かいけつゾロリきょうりゅうママをすくえ!」でした。
ゾロリたちが島の恐竜を救うお話のようです。


それでは最後です。こちらのロングセラー作品はなんでしょう?

・ねずみ-物語・絵本
・卵-物語・絵本
・カステラ-物語・絵本

答えは「ぐりとぐら」でした。ポイントは子ども心に深く突き刺さるカステラでしょうか。そういえば、ぐりとぐらはねずみ(野ねずみ)だったんだなぁと改めて思い出しました。
読み物キーワードを見ると新たな発見があったりして楽しいです。ぜひご活用下さい。

2023年1月19日

北京ダックで事始め

今月の雑記のテーマは、「好きなおせち・お正月料理」です。

お正月といえば、私の実家ではいつからか北京ダックを食べるのが習慣になっています。

といっても高級中華料理屋さんで出てくるような一羽丸ごとの豪勢なものではなく、お肉はすでに調理済み切り身の状態で冷凍パックになっていて湯煎で解凍すればOK、皮はレンチンもしくは蒸して温めて、あとは付け合わせのネギと胡瓜さえ用意すれば、添付のタレをつけてすぐに食べられるというお手軽なものです。

お手軽なわりに美味しい(のを母が選んで買ってくれている)ので、毎年栗きんとんの次に楽しみにしているお正月メニューなのですが...
いかんせん皮に対してお肉の量が少ないのが難点。たいてい皮だけ何枚も余ってしまいます。その昔は家族でお肉の取り合いになったものでした。

ここ数年は「脂身がちょっとね...」などと言いながら家族そろってお肉は控えめになり、ネギと胡瓜だけ包んで食べたりして皮だけ余るということもなくなり、いたって平和なお正月になっています(笑)

北京ダックを食べると「また新しい一年が始まったぞ、頑張ろう!」と気合いが入ります。
皆で食卓を囲んでせっせと具材を包んで食べるという、その営みが大事なのでしょう。

2023年1月18日

きょうのデータ部☆(1/18)

20230118-1.jpg

TRC本社ビル向かいの中央大学新キャンパス、
外側はほぼ完成したように見えます。
もともと学校の多い茗荷谷ですが、
春からは大学生がたくさん見られるようになるのでしょうか。

2023年1月17日

旅先の図書館

本日は「週刊新刊全点案内」2291号の発行日です。
掲載件数は717件でした。


*こんな本がありました*

「図書館ウォーカー 旅のついでに図書館へ」

オラシオ(著)
日外アソシエーツ(2023.1)


サブタイトルの「旅のついでに図書館へ」を目でなぞったとき、「本当に!」と食い気味に叫びました(心の中で)。
わたしも旅先では図書館へ行きたいと思ってしまうタイプです。図書を保存して貸出して調べ物のお手伝いをして...と業務は同じだけれど、図書館それぞれ本当に個性がありますよね。

この本は、青森県津軽地域を発行エリアとする新聞「陸奥新報」で連載中の「図書館ウォーカー」をまとめたもので、全国各地66の図書館を紹介。

北は島牧村若者総合スポーツセンター図書室(北海道)から、南は南城市立図書館佐敷分館(沖縄県)まで全国津々浦々。地域とともに時代を刻んだ図書館、最先端の意匠を凝らした図書館、晴れの日・曇りの日・雪の日の図書館、海が見える・山に囲まれた・下町の図書館、寺にしか見えない・旧銀行をリノベした図書館、さまざまな図書館が登場。

著者のオラシオって何?出版企画会社?と思いきや、個人名でした。公共図書館員として8年の勤務経験があり、「元図書館員なので現場に迷惑をかけたくない」と、館内は撮影しないというルールを自分に課しているそう。そして、なんと旅先で訪れた図書館は350館以上! 図書館を見る目は折り紙つきですね。

ああ、図書館込みでどこか遠くへ出かけたくなりました。

2023年1月16日

お役立ち地域検索~TOOLiで探そうQ&A~

Q.「岡崎市の本はありますか?」
A.「地域に関するコードを活用して検索しましょう!」

TRC MARCでは、地域資料の検索および収集に最適な「出版地都道府県コード」「主題に関する地域コード」を付与しています。これらを活用することで、TOOLiの「地域検索」欄より「特定の地域で出版された図書」「特定の地域を主題とする図書」を見つけ出すことができます。
2023年の大河ドラマの主役・徳川家康の生まれ故郷である愛知県岡崎市で出版された図書、または岡崎市について書かれた図書も、もちろん検索可能です。


まずは岡崎市で出版された図書を探す場合。
発行・発売の地域から探したい場合は、「出版地(都道府県)」の項目を使いましょう。
出版地の都道府県を地域コードで提供しているため、地方単位、都道府県単位で検索することが可能です。一つ目のプルダウンでまず「中部地方」を選び、展開された都道府県のプルダウンで「愛知県」を指定すると、愛知県内で発行・発売された図書が見つかります。
出版地を市町村まで指定しての検索にも対応しています。右側の「出版地(市町村)」の欄に、お尻の都道府県や市町村などの単位を含めず「岡崎」と入力。すると、出版地域を岡崎市に絞った検索結果となります。


次に岡崎市について書かれた図書を探す場合。
地域に関する内容の図書を探したい場合は、「主題の地域」の項目が役に立ちます。
「主題の地域」を「中部地方」で指定し、「愛知県」を選択すると、三つ目のプルダウンが展開され、愛知県内の市町村を選択できます。
主題の地域は、右側の自治体名の欄に都道府県と市町村を入力して検索することも可能です。市名を入力する際、こちらは「岡崎市」「常滑市」など、市を省略しなくても大丈夫です。


郷土資料の検索や調べ学習、レファレンスへの回答など、様々な場面で活躍する「地域検索」。ぜひご活用ください。

2023年1月12日

箱推し

今月の雑記のテーマは、「好きなおせち・お正月料理」。

このように聞かれたらお雑煮なのですが(=別格・殿堂入り)今回はおせち料理について書きます。

大人になって困ったことの一つが、食べ物の好き嫌いがほぼ無くなったこと。子どもの頃嫌いだったおせち料理も気づけば「全部わりと好き」になりました。
全部食べたい。選べない。そしておなかいっぱい。
単独で見て「好きな食べ物」に入るものは1つもないのですが、おせち料理というチームになると話は別というか。いうなれば「箱推し」です。(重箱だけに...と言いたいところですが、我が家は大皿に盛りつけるスタイルです。)
なによりお正月にしか食べられないという期間限定感がかなりのプラス要素になっているのでしょうね。三が日は、食卓に乗っているもの全てに手を付ける心意気で臨みます。
いや...その心意気は三が日に限らずいつものことでした。

もう一つ、私がおせち料理を「全部好き」という最大の要因。それはおせち料理の各具材が"意味をもっているものだ"ということ。
言い伝え系を気にする私にとって(冬至の日に柚子湯に入らないと大変なことになると思っています。という記事を以前書きました。)
こういう類のものは、一つとして逃すわけにはいかないのです。

食卓を隈なく眺め「栗きんとん、伊達巻、食べた。数の子、田作りも食べた。は!しまった!黒豆を忘れていた!これでは今年まめに暮らせない!!」と、脳内リストをチェックしながらいただいています。
今年も無事にクリアできましたので、少なくとも昨年と同程度の暮らしはできると信じています。

何か根本的に間違っている気もしますが、このタスクのような食事を年一回の恒例行事として本人は大変楽しんでおり、
それも含めて、お正月料理、全部好き。です。

2023年1月13日

ウサギの頭ってどうなってた?

今年は卯年。ウサギのモチーフを見かける機会が多くなりました。

ところで「ウサギ」を漢字で書く機会は多いですか?

私は少ないです。書こうとする度に
「あれ? 免だったかな? 点はどこにつけるんだっけ?」
と慌ててしまいます。

この兎という字には異体字が複数あり、メジャーなところでも
キャプチャ.PNG
の3種類があります。

これらはどれも「兎」の異体字ですが、使用するシステムやブラウザ、フォントなどによって入力できなかったり、表示できなかったりします。

コンピューター上の文字は、文字コードという半角英数の組み合わせで入力、表示されています。日本語の文字コードは複数ありますが、TRCでは原則として情報交換用漢字符号系JIS C6226-1978年版(以下JIS78)の第1,第2水準の範囲内の文字を使用しています。

そして、JIS78にない文字については、

1、TRC外字で入力
2、異体字に置き換えて入力
3、漢字の読みをカタカナで【 】に入れて入力

という3種類の対応をとっています。

この「ウサギ」については、①②はJIS78にあるのでそのまま、③はJIS78にないので、JIS78にある②に置き換えて入力しています。上記の3種類の対応の「2」のパターンになります。

人名ですと髙橋さんの「髙(「高」に置き換え)」、山﨑さんの「﨑(「崎」に置き換え)」などが同様に置き換えの対象になっています。こうして置き換えた文字は次回出現した際に同一人と決定する手がかりになるように典拠ファイルの内部用の覚書にどのような漢字で表示されていたのかを控えておきます。

ちなみに「ウサギ」の漢字の上の部分「ノ」「刀」「ク」の部分はどれもウサギの耳を表しているそうです(日を横にしたような部分が頭)。なんとなくわかるような感じもしますね。

2023年1月11日

だんだん身近に ~新設件名のお知らせ2022年12月分~

昨日1月10日発行の『週刊新刊全点案内』は、巻頭に「新設件名のお知らせ」を掲載しています。新設件名は、TRC MARCで件名標目を新たに採用したものという意味で用いていますので、NDLSHから採用したものも含まれています。


2022年12月は5件の件名を新設しました。そのうちの1つが「スマートシティ」です。


スマートシティとは? 内閣府のサイトをみると「ICT 等の新技術を活用しつつ、マネジメント(計画、整備、管理・運営等)の高度化により、都市や地域の抱える諸課題の解決を行い、また新たな価値を創出し続ける、持続可能な都市や地域」とありました。2016年からの第5期科学技術基本計画で提唱された、Society 5.0の実現の場という定義だそうです。


スマートシティという言葉がタイトルに含まれる本は2010年代はじめからありますが、最初のころはスマートグリッドなどを利用した都市のエネルギー問題や環境問題への取り組みが多かった印象です。
その後次第にMaaSについての本や、自治体DX化の本の中でも触れられるなど、利用される技術も解決する課題の範囲も広がっています。

近年は国内外のスマートシティの実例の紹介本をよく目にするので、ページをめくりながら、自分の暮らすまちに同じようなサービスが導入されたらどうなるかをつい想像してしまいます。意外とすでに計画は進んでいたりするかもしれませんね。

2023年1月 6日

今日は何の日 ~まくらの日~

日本には実にさまざまな「○○の日」があります。
今日が何の日なのかを調べ、それに関するいろいろを紹介してしまおうというこの企画(不定期掲載)、第28回目です。

今日1月6日はまくら株式会社が定めた「まくらの日」だそうです。
英語のpillowから、1(ピン)6(ロー)という語呂合わせでこの日に決まったそう。
毎日お世話になっているまくらに感謝を伝え、その大切さを見直すための日です。

人は人生の1/3を寝て過ごすと言いますが、つまり人生の1/3はまくらに頭を預けているということです。
そう考えると、年に一回は感謝を伝えたほうが良い気がしてきます。
正直あまりまくらにこだわりがなく、まくら無しでも寝られるくらいな私ですが、一度自分にあったまくらを作ってくれるサービスを利用してみたいなーと思っています。
どんなまくらでも問題なく寝られるのですが、自分にピッタリのオーダーメイドまくらなら人生を変えるくらい素晴らしい眠りにつけるのは?!という強い憧れが......実際どれくらい眠りの質に影響があるのか、すごく興味があります。
素材・高さ・固さなどを好きに選べるようですが、そもそも「自分の好みのまくら」がわからない状態で行って良いものか......。
数年前ベッドを新調したときも、いろんなマットレスに寝転がってみた結果「それぞれ違うことは分かるけれど、どれがいいのかは全く分からない」という状態でした。

まだ私にオーダーメイドまくらは早いかも?と思いつつも、時折見かけるまくら専門店に興味は津々です。

2023年1月10日

うさぎ

今日は「週刊新刊全点案内」2290号の発行日です。
掲載件数は1016件でした。

p20230110.jpg

お正月かざりのイメージです。

暮れには家々の玄関に
お正月かざりが設えられます!
昔ながらの正式な形ではないけれど
(風情ある日本家屋ではないし・・・)
私は毎年、迷いながらも、結局「今風」のものを選んでしまいます。
「歳神様もわかってくださるだろう!」と・・・!

耳が痛くなる程の冬の晴天のお正月の散歩で
よそのお宅のそれぞれの設えを見るのが
ちょっとした楽しみです!
(Juri)


*こんな本がありました*

「うたのかいせつずかん」
(見る知る考えるずかん)

野口義修(監修)
ほるぷ出版(2022.12)


こどもの頃に耳にしたあの歌や、うろ覚えのあの歌の、歌詞やその背景をイラストや写真、コラムで紹介しています。

そうそう、「うさぎが美味しい」わけでも、「赤とんぼに追いかけられた」わけでも、ないんですよね。

ちなみに私はずいぶん大人になるまで、ルパン三世のオープニングテーマの歌い出しを「ルパンルパーン」だと思っていました。姉は「ルパンだぞー」と思っていたとか。

元が外国の歌(イタリア歌曲の「鬼のパンツ」)や難しい歌詞の歌(「荒城の月」)、最近の歌(「パプリカ」)なども掲載されています。

2023年1月 5日

お正月といえば

あけましておめでとうございます。
本日よりデータ部ログを再開いたします。
本年もどうぞよろしくお願いします。

新年最初のデータ部ログの雑記のテーマは、「好きなおせち・お正月料理」。
好きなおせちというと、やっぱり栗きんとんでしょうか。いつもお正月中では食べきれないぐらいの量を作ってしまうので、最近は冷凍にして少しずつ楽しんでいます。

ここで、わが家流きんとんの作り方をご紹介したいと思います。
まずさつまいもを輪切りにして茹でます。その際にくちなしの実を割って入れておくと、きれいな黄色になるのでオススメです。ただ、そのまま入れてしまうと破片が邪魔になるので、わたしは茶葉を入れる紙パックに入れています。
茹であがったら、とにかく時間との勝負!冷めるとすぐに硬くなってしまうので、やわらかいうちに裏漉しします。
これも、本来はちゃんとざるとしゃもじで裏漉しするのですが、量が多すぎて手が死ぬので、省力化しました。半球形の粉ふるいを鍋にひっかけて、麺棒で押し付けるように濾す!
目が粗いのでなめらかさは今イチですが、とにかく力を使わずにあっという間にできるので、わたしはずっとこのやり方です。オススメはしません。
そのあと、栗の甘露煮と大量の砂糖を投入、ツヤが出る程度にみりんを入れ、焦げないようにごくごく弱火でまぜていきます。
作ったことがある方ならわかると思いますが、きんとんにはとにかく、恐ろしいほどの砂糖を入れます。
脳内で「よいか。心を無にするのじゃ」「はい師匠!」という謎のコントが始まるぐらいに、心を無にしないと難しいぐらいの量を入れます。
少しでも「ああ...こんなに入れて大丈夫?」と不安になったら負け(?)です。とはいえわたしの場合大体負けてしまい、かなり素材の味を活かしたきんとんになってしまうのですが...。
でも少し手加減したぐらいの甘さの方が、たくさん食べられるので評判がいいようです。

ところで、わが家ではおせちを作ったときに出たあまり(重箱に入りきらなかったり、形が悪かったりしたもの)を、大晦日に年越しそばと一緒に食べているのですが、ヘンでしょうか。
友人に言ったらものすごく驚かれたので...。みんな多少はおせちのフライングをしているものだと思っていたのに。でもなんだかんだで去年もやったんですけれども。

2023年1月30日

「責任表示」さらに一歩~MARC MANIAX 目録2022⑦~

MARC MANIAX 目録2022の第7回は、「責任表示」の応用編としてさらに一歩二歩進めてみます。


★著者が複数いる場合はどうするか?
1987年版以前の目録規則の本則では、ひとつの著述区分(役割)につき、個人名や団体名が2までのときは並べて記録。3以上のときは「主なまたは最初の著者」(たいていは最初の著者)のみを採用して〔ほか〕の形で記録する、とされていました。

【NCR1987の本則に従うと】
著者 金子勝 アンドリュー・デウィット 藤原帰一 宮台真司 
→ 金子勝〔ほか〕著

しかし著者は検索する際にも重要な情報なので、TRC MARCでは2005年から、一定の条件を満たしている責任表示であれば全員を採用してきました。日本目録規則1987年版に「一つの責任表示において記録する個人名や団体名の数は,書誌的記録作成機関において,その必要に応じて定める。」(2.1.5.1D別法)とあったため、「別法(このルールでもアリですよの意)」を採用したのでした。
日本目録規則2018年版では、本則で「3以上の責任表示を省略する」というルールはなくなり、基本的には表示の通りに記録することになりました。


★書いた人が省略されていることがある
情報源に表示されていなくても、探し出して補う場合があります。

「源氏物語」のような古典ですと、いまさら「紫式部著」とは書いていない図書が多いです。この場合は〔紫式部著〕と補います。「竹取物語」は著者不明ですから補記はしません。
と、有名な作品ならわかりますが「西遊記」「甲陽軍鑑」となってくると、あれ?作者は誰だっけ...? となることも。データ部で古典作品のMARCを作成するときには、解説文中に著者にふれた部分があるかを探したり、「日本古典文学大辞典(岩波書店)」などの参考書を調べています。


★いろいろな役割の人がいる
著者、編、監修、構成、執筆協力、料理、デザイン、イラスト、指導...。どの役割まで責任表示として採用するかも悩むところ。情報源の表示のしかたと図書の内容を考慮しつつ判断します。
TRC MARCでは、例えば序文執筆者、巻末解説者は採用していません。


★ところで複数の責任表示がある場合、その順番は?
基本は図書の表示どおりですが、たとえば先に出てきた源氏物語のケースでは、〔紫式部著〕 瀬戸内寂聴訳 というふうに著作の成立過程を考慮して著者を先にします。

データ部で使っている内部用のマニュアルでは、責任表示の記録方法についての取り決めが100ページほどあります(用例なども含め)。
責任表示は、目録上では検索キーとなる重要な部分。一方で本の成立事情は様々で、作り手にとっては個性を主張したり工夫をこらしてみたい部分です。目録規則だけでは解決しないこともたくさんあるので、様々な表示に対応できるよう、細かいルールづくりをしています。

2023年1月23日

「責任表示」って何だ~MARC MANIAX 目録2022⑥~

MARC MANIAX 目録2022の第6回は、「責任表示」です。
おそらく図書館関係者でなければ出会わないであろうこの言葉。日本目録規則の昔の版(新版予備版)までは「著者表示」でした。
日本目録規則1987年版からは図書以外の資料も対象とされていますので、著者でも歌手でも映画監督でも、「その作品の創造にかかわった人や団体」を広く表すために考えられた用語です。

責任表示は、所定の情報源に表示されている個人名・団体名を採用するのが基本です。奥付の前ページや目次ページなど本の中身からは基本的には採用しません。情報源を確認して、「宮部みゆき著」というように、名前のあとに役割を示す語をつけて記録すればひとまずOKです。

さらに、もうすこし詳しくルールを紹介していきましょう。
日本目録規則2018年版の、TRC MARCへの適用をざっとご説明します。

★役割を示す語句
著、編、監修など、どのような働きをしたかを表す言葉を、「役割を示す語句」または「著述区分」と呼びます。同じ人の役割が表紙には「絵」とあるけれど奥付では「画」というように、情報源によって表現が違う場合は優先順位にしたがって採用します。

「著者」「編者」の"者"は省略して「著」「編」とします。「翻訳」は「訳」に統一しています。
その他の「共著」「現代語訳」「日本語版監修」などの表現はそのまま記録します。

角川文庫の小説がお手元にあったら見てみてください。著者の名前だけが表示されて「著」の文字がどこにもないことがあります。この場合は適切な語を〔 〕で括って補い 赤川次郎〔著〕 といった形にします。〔 〕という記号を使用して「図書にないものを補記した」という意味を表します。

★情報源によって表示が違う場合
同じ著者でも情報源によって形が違うことがあります。
TRC MARCでは、基本的に個人名の場合は情報源の優先順位にしたがって採用します。
しかし例えば著者名が表紙は原綴、奥付が日本語(カタカナ等)だった場合、本文の言語に合わせた形を採用するなど、いくつかの例外規定を設けています。
団体名の場合は、より詳しく表現されている形を採用しています。
 
アルファベット(原綴)と日本語の場合、本文が日本語なら日本語の形が優先
John McMurry (タイトル・ページ、背、表紙) 
ジョン・マクマリー (奥付)            
→ジョン・マクマリー

個人名の場合は、情報源の優先順位による
かこさとし (タイトル・ページ)  
加古里子 (奥付、背、表紙)          
→かこさとし

団体名の場合は、詳しく書かれている形
日本たばこ産業株式会社 (タイトル・ページ、背、表紙)
日本たばこ産業株式会社広報部 (奥付)  
→日本たばこ産業株式会社広報部 

ごく一般的な本でしたら、だいたいこれで大丈夫かな...と思います。次回は応用編をお送りします。

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