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2014年9月 アーカイブ

2014年9月30日

こんな生活もありかも

本日は「週刊新刊全点案内」1883号の発行日です。
掲載件数は1384件でした。

*こんな本がありました*

人生が変わるキャンピングカー生活大全

大岡 豪(著)
WAVE出版(2014.9)

一般的なキャンピングカーのことかと思ったら、違いました。
キャンピングカーで暮らそう!という本なのです。
まさに人生変わりそう。

本当にちゃんと生活できるのかな...と未知の世界を疑い気味でしたが、
宿泊場所の決め方など著者の体験が踏まえられていて具体的なことばかり。段々そういう生活もいいかも...と思わせられます。

郵便物とか実際には大変なこともありそうですが、忘れ物も気にせずに
家(?)まるごといろいろな所に行けるのは魅力的です。


愛犬との旅

山口 理(著)
WAVE出版(2014.9)

「キャンピングカー」にちなんだ本がもう1冊ありました。

サブタイトルは
「キャンピングカーに愛犬「こゆき」を乗せて日本一周冒険記」

家族の制止をふりきって愛犬とともに旅に出た著者が
さまざまな出来事を通して気づいたこととは...?

こちらもかなり本格的です。
キャンピングカーのイメージがちょっと変わった2冊でした。

2014年9月29日

視聴覚資料の発売年って?

 録音資料 CDの発売年ってどこから採用するかご存知ですか?
たいていは、容器裏か帯そでにある、13・9・11というような□の中の数字からとっています。左から年・月・日で、270D01のタグに年・月から、2013.9の形で入力しています。
 
また、ごくたまにコード化されている発売年は、C.12.25 → 1990.12のように西暦に置き換えています。
ただ、情報源にちゃんと書いてない時も多く、その時は、下記のような所から採用しています。

メーカー等からの情報から判明した年・月を〔 〕付きで入力 
 例 〔2013.9〕。
〔 〕は現物に書かれていない情報を補記した場合につけています。
メーカー等からの情報も手に入らないときは、発売年に準じたものとして、著作権表年のcや原盤権表示のp(両方とも○で囲まれています)に続いて表示されている年月からcやpのあとにつなげて入力。
 例 c2013.9。

ちなみに、洋盤には13・9・11(66・1・11)のように通常の発売年の後ろの( )の中に年月日が入っていることがあります。日本レコード協会のHPによると、後ろの( )内は世界最初の発売日だそうです。上記の発売年はデューク・エリントンのアルバムのものですが、1966なんて、まだアナログのレコードだった頃ですよね。こんなに長く愛されているんですね。

 では、映像資料はどうでしょう?
映像資料には、発売年 270D01と製作年 270G01のタグがあります。
270D01には、図書館向けのDVDの発売開始年月を入れています。ですので、場合によっては現物に書かれている発売年月の表示とずれてしまうこともあります。そういう時も〔 〕をつけて入力します。また、
270G01には本国で作品が製作された年を入力しています。

 例えば、話題の「アナと雪の女王」は、日本では2014年3月公開、2014年7月一般向けDVD発売でしたが、MARCでは、
  270D01  〔2014.10〕  
  270G01   2013
 となります。

もうすぐ図書館向けのDVDも発売ですね。

2014年9月26日

数字のルール

こんにちは、原田です。
新刊目録から典拠へ異動いたしました。
人名について勉強する毎日です。

月末にお届けする「MARCや検索の話」。
今回はMARCに現れる数字にフォーカスします。


日本語の図書は、数字の表記も様々です。
アラビア数字、漢数字、ローマ数字...。
目録上のルールを少しご紹介しましょう。

まず、<巻次>は、すべてアラビア数字にして入力します。
図書の情報源がぜんぶ漢数字でも、アラビア数字になります。
<版表示>の「第二版」「第三版」も、情報源の表示にかかわらず、
「第2版」「第3版」と入力します。

これは「日本目録規則 1987年版 改訂3版」
第2章(2.0.6.4)に、基づいています。

...引用...
2.0.6.4(数字の記録)タイトルと責任表示に関する事項においては,
数字はそのままの形で転記する。その他の書誌的事項においては,
数量とか順序などを示す数字はアラビア数字とする。ただし,識別の
ために二様以上の数字を用いる必要のあるときは,そのままの形で記録する。
...引用終わり...


では、<タイトル>は、どうなるのでしょうか?
タイトル中の漢数字は、そのままです。
アラビア数字に置き換えません。
上記の規則の、最初の部分に当てはまります。

しかし、けっこうよくあるのが、こんなケース。
一冊の図書の中で、情報源によって、タテ書きのところは漢数字、
ヨコ書きのところはアラビア数字...。
この場合、情報源に一か所でもアラビア数字の表記があれば、
アラビア数字を採用します。

...例...
背「五十年史」
奥付「50年史」
→ タイトル「50年史」


ローマ数字も漢数字と同じように、原則として使用しません。
でも「数学Ⅰ」のように、固有のものとして定着している場合は、
ローマ数字をそのまま転記しています。


数字の記録ひとつにも細かなルールがたくさんあります。
図書の情報を正確にあるがままに伝える、
同時に検索のしやすさも考える、
そういう目的があって、できたのだなあと感じます。

2014年9月25日

時代モノ

こんにちは、典拠の半澤です。

9月のテーマ「時代モノ」最終回です。

家の中で紛失してしまい、どうしても読みたくなり最近もう一度買ったのがこれです。


「初ものがたり 改版」

宮部みゆき(著)
新潮社(2014.8)


事件の発端や解決のヒントに食べ物が出てきます。おいしそうな物の出てくる話が好きで、「大草原の小さな家シリーズ」でも「ぐりとぐら」でも何でも来いですが、江戸時代の食べ物の話も大好物。
豪華な一品でなくても、主人公が何気なく食べているものが気になります。

同時に、身に付けるものや銭湯など風俗が分かるようなものも好きです。


「杉浦日向子の江戸塾」

杉浦日向子(著)
PHP研究所(2006.5)


これも持っているのを忘れて2冊買ってしまったのでした。
自宅の本棚の散乱ぶりと記憶力の無さに我ながらビックリです。
歴史小説ではなく対談集ですが、いろいろ想像しながら寝る前にポツポツ読むのが至福のひととき。

憧れの恰好は懐手(ふところで)。お上品ではないが格好良い!
腕を袖を通さずに懐に入れておく状態で、力の抜けたブラブラ感にひかれます。
和服でなければできないけど、現代で着るような豪華なのでは多分ダメで、着続けててろてろになった古着が似合いそう。
小説の挿絵でも漫画でも懐手になっていると「おっ」と思い旅館で浴衣になったときなど真似してみますが、手を入れるところを間違ったようにしか見えない...。

もっと新作が読みたいなと思った人のひとりでした。
杉浦日向子の夭折が本当に残念です。

2014年9月24日

ここに看板を立てるべからず?

昨日は「週刊新刊全点案内」1882号の発行日でした。
掲載件数は1170件です。

*こんな本がありました*

「ニッポン景観論」
(集英社新書 ヴィジュアル版)

アレックス・カー(著)
集英社(2014.9)

日本の伝統的な景観が壊されて行く様子を、国際的な目線で見続けてきた著者によるヴィジュアル文明批評。醜悪な建築、過剰な看板などの写真を掲載して景観が破壊される構造を論じ、美しい景観を取り戻すための提言を行う。


タイトル・内容紹介から、オカタイ本という印象を受けますが...これが面白い!

日本国内の歴史的建造物にこれでもか!と添えられた注意書きの写真。
観光スポットにて圧倒的な存在感を誇る巨大な案内看板の写真。
日本のゴチャゴチャした看板を世界の有名建築物に当てはめてみた合成写真なども。

添えられた皮肉の利いた文章に、私、思わず笑ってしまいました。
しかし、日本国内の写真は合成ではなく現実であることに気づき、はっとさせられます。

道にある案内板を頼りに目的地に向かい、駅のポスターを見て美術展の開催を知る私にとって、看板や張り紙は貴重な情報源なのですが...。
近年は図書館でも張り紙やポスターを減らすようになっているといった話も耳にします。
景観とは。わかりやすさとは。
そんなことを改めて考えさせてくれる本です。

2014年9月22日

対談のゲストから本を探したい

~~ MARCで探そうQ&A 第26回 ~~

Q.対談集のホストではなく、ゲストの一人から本を探すことはできますか?
A.内容細目ファイルで検索することができます。


テレビで対談番組はいくつかありますが、ホストにも相手の話を引きだすのがうまい人と、自分が語っちゃう人と2種類いますね。
自分が興味を持っていることを示しつつ相手に語らせる、というのはなかなか難しいなあ...と実感する今日この頃です。

さて、対談集の本もよく出版されていますが、ホストは表紙や奥付などの情報源に名前が出ているものの、ゲストは中を見ないとわからない、ということがよくあります。
そんなときにお役立ちなのが、「内容細目ファイル」です。

「内容細目ファイル」とは、複数の独立した著作で構成されている図書について、その中に含まれる1つ1つの著作(内容細目)を検索可能にするためのデータベースです。
TOOLiでは、内容細目中のタイトル・タイトル関連情報・巻次は検索画面の「タイトル」「内容細目タイトル」「すべての項目」から、著者名は「著者名」「内容細目著者名」「すべての項目」からそれぞれ検索することができます。

たとえばつい最近、羽海野チカと荒川弘という、マンガ好きにはたまらないゲストを招いた対談集が出版されました。
しかし...ホストとタイトルが思い出せない!
確かミステリ作家だった気がするんだけど...う~ん。
などという時、羽海野チカもしくは荒川弘で著者名検索すれば、該当の本を見つけることができるのです。
ちなみにその本はこちら。

本題

西尾 維新著
講談社(2014.9)

ホストは西尾維新でした。
なかなか魅力的な組み合わせの対談集ですね。

「内容細目ファイル」は、一般書・児童書の総合全集、個人全集・著作集、単行本の合集(作品集・論文集・講演集・対談集・随筆集)などに含まれる独立した著作について作成していますので、対談集以外でもこれは...と思う本をぜひ探してみてくださいね。

2014年9月18日

今月のお題「時代モノ」をこんな側面から

こんにちは、内容目次の山老です。

育休中からNHKの朝ドラ(連続テレビ小説)を見るようになりました。
放映時間に家にいられたし、毎日15分という短い時間が見続けるのにちょうどよかったのです。Eテレの子供番組の合間に「カーネーション」の予告を見たのがきっかけでした。今はほとんどやるヒマがないけれど、裁縫好きなので興味をひかれたのです。(「カーネーション」はデザイナー「コシノ三姉妹」のお母さん・小篠綾子さんがモデル)


すっかり見る習慣がついた頃に割とあっさり終わり、間を空けず次のドラマが始まるので、その後も見続けています。中でも「梅ちゃん先生」「ごちそうさん」「花子とアン」からは、学ぶこと多し! お話的な面白さだけを期待していたので、全く意外でした。それは、大河ドラマではあまり見かけない年代、明治・大正・昭和の歴史。教科書で勉強したテスト用の近現代ではない、市井の人たちの心情や暮らし、社会の様子...。頭の片隅にちょっとだけ残っている受験用歴史知識と相まって、ストンと入ってきました。


子どもたちの遊び方、家の手伝い、子守り
家電やガスもない家で、どんな風にご飯を作り、暮らしていたのか
政治家でも軍人でもない普通の人が、どんな風に戦争に巻き込まれていったのか
長い戦争の間にどんな風に生活や気持ちが変化していったのか
疎開、食料、住宅事情
父や夫や息子がどんな風に戦地に赴き、母や妻や娘がどんな風に送り出したのか
戦後の暮らし、物がないということ
などなどなど・・・


一番びっくりしたのは、終戦から私が生まれた年まで20数年だったこと! いや勿論、計算すればわかることなのですが、時代の移り変わりの早さに改めて驚愕したのです。私が小さい頃は、TVのチャンネルはぐるぐる回すやつ、電話は黒電話が一般的。それが今や、PC、携帯、インターネット、床暖房に食洗機。時代って10年で20年でこんなに変わるんだ~!

これから先の10年20年も、同じように移り変わっていくのでしょう。
どのように変わったとしても、子ども達、そのまた子ども達の時代が明るい世の中でありますように。


ちなみに「花子とアン」で私が好きなのは宇田川先生。
花子を「みみずの女王」と呼ぶのが面白くて。

「たんぽぽの目」

村岡/花子(文)
河出書房新社(2014.7)

この本に収録されています。

2014年9月19日

昭和天皇実録~分類/件名のおはなし・53~

来年の3月から順次刊行されることが決まった「昭和天皇実録」。出版社は入札で決定するとのことですが、分類はどうなるでしょうか?


NDC(日本十進分類法)には、「288 系譜.家史.皇室」という項目があります。細分して見ていくと↓

288.1 姓氏
288.2 系譜[家系図]
288.3 家史[家伝]
288.4 皇室

「288.4 皇室」の下は、さらに分けられています↓

288.41 天皇
288.44 皇族.皇族譜
288.45 皇居
288.46 陵墓
288.48 行幸啓<明治以後の>
288.49 外国の皇室・王室

ありました。「288.41 天皇」です。この288.41で検索をすると、歴代天皇についての本を、まとめて検索することができます。


「昭和天皇実録」の内容は、1万2000ページ。19冊(1冊は索引)の分冊で刊行されるようです。記者クラブ所属の国内報道機関には、その写しが既に配布されたとのことで、今ごろ各機関では、その読み込み作業に追われていることでしょうか。

11月までの期間限定で、皇居内書陵部庁舎でその写しの閲覧が可能ですが、平日は1日84人(土日祝は126人)、閲覧時間は1人50分、写真もコピーも禁止、と厳しい条件。内容が気になるところですが、普通の人は、出版を待つのが良さそうです...

「実録」と聞くと、任侠映画などを思い出してなんだか興奮してきますが、こちらは実録モノの中でも本気の実録。作成経費は約2億3000万円(人件費除く)! 一度見てみたいですが、刊行されてもそれなりのお値段になるのは間違いなさそうです。

2014年9月17日

きょうのデータ部☆(9/17)


本社の10階から見える


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スカイツリー。

私たちのフロアからも、同じ方角を見てみましょう。


20140917.jpg


データ部・新刊目録班があるのは2階です。

2014年9月16日

涙なしの歯医者さん


本日は「週刊新刊全点案内」1881号の発行日です。
掲載件数は1259件でした。

*こんな本がありました*

小児歯科診療最前線!子どもを泣かせない17の裏ワザ

岡崎好秀(著)
クインテッセンス出版(2014.9)


歯医者さんが苦手な方は少なくないと思います。この本のタイトルを見て、我が意を得たり!でした。

私も子どもの頃は「歯医者に行く」と決まった時からベソをかき、親に叱られ、お医者さんに叱られ、帰りにもまた親に叱られたものです。本当は、怖がらずにこまめに通って定期的に歯のチェックをしてもらったり、虫歯が小さいうちに治療してもらえば痛くて面倒な治療をしなくて済む...となれば、患者にとっても、歯医者さんにとっても良いことずくめです。


この本は、歯医者さんの側から、子どもが泣きだす場面を詳細に分析。「待合室の緊張感」「親と離されて診察室に入る不安」「口が開いていられない」等々(わかるわかる)。それぞれ対処方法を提案しています。専門の医学書ですが、クスっと笑えるイラストが面白く、保護者の方が読んでも参考になるかもしれません。「「歯医者さんに連れていく」を脅し文句にする」「買い物に行くなどと騙して連れてくる」は避けてほしいそうですよ。


  *おまけ・まだがんばって咲いてる今朝の朝顔です*

20140916.jpg

2014年9月12日

ウイリアムとビル~典拠のはなし~

NHKの朝のドラマ「花子とアン」、人気のようですね。
「赤毛のアン」の翻訳者
村岡花子さんをモデルにしたお話ということもあり、
久しぶりに子どもの頃読んだ小説を思い出しました。

「赤毛のアン」も楽しく読みましたが、
「あしながおじさん」や「若草物語」も大好きだったなあ...。
ただ、子ども時代の私が読みながら時々判らなくなったこと。
それは主人公の名前です。


 
「あしながおじさん」の主人公は「ジュディ」。
なのに、ところどころ「ジェルーシャ・アボット」とも書いてあります。
「若草物語」でも「べス」が「エリザベス」で、「メグ」は「マーガレット」に...。


何でだろうと思いはしましたが お話の筋には直接関係ないし、
まあいいかぐらいな気持ちで、その頃の私はやり過ごしていました。


そのまま幾年月を経て、大人になった私。
なんと仕事中に同じことにぶつかったのです。

元アメリカ大統領(最近では、夫人のほうが有名になってしまった感がありますが)
ビル・クリントンが書いた本が出ました。
しかし、本に書いてある形は「W.J.クリントン」。
「ビル」も「B.」もありません。

今度はやり過ごすわけにはいきません。
いったいこれはどうしたことか...。
頭に?が浮かんでいる私に、先輩が一言。

「英和辞典をひいて」。

そこで「Bill」を英和辞典でひいてみると
「Bill 男性の名。Williamの愛称」。

ビル・クリントンの本名はClinton,William Jefferson。
ビルはウイリアムの愛称だということを、このとき初めて知ったのでした。


西洋人は同じ人物なのにいろいろな形で表記されることが多い、ということは以前にもお話しました。
典拠ファイルでは、どんな形で記述されていてもそれが同じ人物ならひとつの統一形のもとにまとめています。本名と愛称も同様です。
現在、ビル・クリントンの典拠ファイルはこのようになっています。


 12000158546-0000  Clinton,Bill

 12000158546-0001  ビル・クリントン

 12000158546-0002  クリントン

 12000158546-0003  W.J.クリントン

 12000158546-0004  Bill Clinton

ついでに若草物語の「ベスとエリザベス」「メグとマーガレット」も英和辞典で調べてみたところ、やはりそれぞれ愛称と本名でした。


しかし、「ベス」が「エリザベス」の愛称なのは何となく判りますが、
何故「ウイリアム」「マーガレット」の愛称が「ビル」「メグ」なのか...。

日本人の愛称なら「めぐみ」が「メグ」とかのようにあたりもつくのですが、
西洋人の場合はなかなか難しいものがあります。
名前に見えるけど名前ではないものを覚えるのと同じく、こちらも典拠の部署のメンバーは経験を積みながら覚えていきます。
本名と愛称をまとめた参考図書があったらなあ...。典拠メンバーの切なる願いです。

2014年9月11日

おすすめの時代小説は

こんにちは、分類/件名の桑野です。

9月のお題は、「時代モノ」。
「時代モノ」、嫌いではありません。「日本十進分類法」の77△(770は「演劇」、778は「映画」です)に該当する分野では。NHKの大河ドラマでかなり歴史と近しくなったような気がしましたし、チャンバラの時代劇もけっこう見ていました。演劇では、歌舞伎をよく見ますが、内容はオール時代劇です。

時代小説となるとそれほどではなく、舞台化されたりドラマ化された際に、興味があれば原作を読む程度。今回のお題を担当することになったとき、どうしたものかと思いました。
そこで帰省した折、父に知恵を借りることにしました。父は、海音寺潮五郎や司馬遼太郎から今日に至るまで、相当数の時代もの、歴史ものの小説を読んでいます(先週、このお題に登場したお父さんも時代小説がお好きなようでしたね)。私がたまに興味をもった時代小説のタイトルをあげると、まず父の蔵書になかったことはありません。
そこで父に、今おすすめ(またはお気に入り)の時代ものの作家は、と尋ねたところ、葉室麟とのことでした。
ちょうど最新刊「緋の天空」が刊行されたところです。

「緋の天空

葉室麟(著)
集英社(2014.8)

これは、奈良時代の光明皇后を主人公にした小説です。
では、初心者が時代小説を読むのに手頃なのは、と聞いてみますと、「代表作時代小説」を紹介してくれました。年度版のアンソロジーで、バラエティーに富んだ作家の傑作短編集です。最新の平成26年版をちょっと読んでみたのですが、水戸黄門のパロディのような作品もあり、なかなか楽しめそうでした。この中から、お気に入りの作家を見つけて、他の作品も読んでみるという、とっかかりにはぴったりです。

「代表作時代小説 平成26年度

日本文藝家協会(編)
光文社(2014.6)

さて、件名には「歴史・時代小説」というものがあります。この件名は、歴史小説や時代小説について書いたもの、ブックガイドや研究書などに付与しています。TOOLiでこの件名と、資料形式の「ブックガイド・書評集」で検索すると、歴史・時代小説を紹介したブックガイドの一覧が表示されますので、面白そうな歴史・時代小説を探している場合は、手掛かりにしてみてはいかがでしょう。

2014年9月10日

きょうのデータ部☆(9/10)

colorfulsaiyou.jpg


ファイル と ふせん。
カラフルな文具で気持ちも明るくなります。

お気に入りは きみどり色。
目に優しいのです。


2014年9月 9日

うさぎも大きくなるのかな?

本日は「週刊新刊全点案内」1880号の発行日です。
掲載件数は1138件でした。

*こんな本がありました*


月の錯視 なぜ大きく見えるのか

ヘレン・ロス(著) コーネリス・プラグ(著) 東山篤規(訳)
勁草書房(2014.8)


あまりの大きさにテンションが上がってしまうほどの月を見た記憶が2回あります。
なんであんなに大きかったんだろう、と思いながらも特に調べたりすることもなくここまで来てしまいましたが、
それを解決してくれそうな本に出会いました。
地平線上にあると空高くあるときよりも目の錯覚で大きく見える...
でもなんで?
その「ミステリー」をいろいろな視点から解き明かそうとしている一冊です。
読み応えありそうな本ですが、これで長年の疑問に終止符が打てる...かも?!

ところで、昨日は中秋の名月でしたね。
中秋の名月=満月、ではないって知ってました?
私は今まで知りませんでした。
満月は今夜だそうです。
しかも今夜の月は今年3回めのスーパームーン!
お月見の季節、スーパームーン×錯視でいつもより大きな月を楽しみたいですね!

もし、あいにくのお天気だったり忙しかったりでお月さまに会えなかったら...
大丈夫、今号に載っているこの本でお楽しみください。



(SKYSCAPE PHOTOBOOK)

榎本司(著)
誠文堂新光社(2014.9)

2014年9月 8日

文字通りの「小説」は―四部分類とNDC

こんにちは。AS 伊藤です。主に和漢古書を担当しています。

前回、漢籍の四部分類について書いてみました。時々、四部分類からNDCへ、あるいはNDCから四部分類への機械的な変換テーブルとか作れないかな、と思うこともあるのですが、やはり根本的な分類思想が違っているので、どうもむつかしいかもしれません。あるいは、いま世に出回っている本をことごとく四部分類で分類してみたら、と変な妄想をしてみたりもするのですが、思いっきりバランスの悪い構成になることは間違いありません。

著名な漢籍でも、NDCで分類するとどうも座りの悪さを感じる場合もあります。たとえば、『蒙求(もうぎゅう)』という著作、唐代に書かれた非常にポピュラーな書物で、和刻本も何十種とありますが、どういう図書かというと「童蒙(=子ども)の求むるところ」というとおり、道徳的見地から初学者向けに韻文で編まれた、歴史上の有名人の逸話集です(たとえば「蛍雪の功」なんかもこの本が出典です)。
で、この本のNDC分類ですが、故事熟語?教育?倫理?伝記?いろいろ考えられますが、TRCでは(もしくは他の機関でも)、222.04 秦漢~隋唐の歴史、となっています。うーん確かに間違いではないとは思いますが、どうもいまひとつしっくりこない感じがあります。これはこれで仕方がないかとは思うのですが、この分類に並んでいる他の本とはちょっと毛色が違います。
もっともこの『蒙求』、四部分類でも「子部・類書類・彙考之屬」もしくは「子部・雜家類・雜纂之屬」と流儀によって割れており、分類しにくい本ではあります。「雜纂」というのもよくわからないし、といって類書ということでNDCでは032.2になるようなものと並べるとなると、それも何だかというところではあります。

では、これもメジャーな『世説新語』という書物はどうでしょうか。六朝時代に書かれた、当時の有名人の言行を記録したこれも逸話集ですが、これについては、NDC9版では923.4のところにはっきり「捜神記,冥祥記,博物志,世説新語,遊仙窟」と例示してありますので、NDCとしては923.4「秦.漢.魏晋南北朝.隋唐」の「小説.物語 Fiction. Romance. Novel」で確定ということになります。
一方、四部分類ではどうなっているかというと、これはどの流儀でも『世説新語』を「子部・小説家類・雜記雜説之屬」に分類しています(属名を「雜事之屬」としている場合もありますが、これは単に表記の違いです)。こちらでも「小説家類」とありますから、何の問題もないように見えます。
ところが、この「小説家類・雜記雜説之屬」の他の図書を見てみると、『西京雜記』『酉陽雜俎』『唐國史補』『陶菴夢憶』『幽夢影』といったものが並んでおり、これらはtool-iで調べてみると、みな924の「評論.エッセイ.随筆」に入れているか、あるいは歴史に分類しており、923にしているものはありません。これはどういうことでしょうか。

問題はこの「小説家」という言葉です。四部分類の子部の類の名称は、『漢書・藝文志』の記述を踏襲しているのですが、そこでは「小説」というのは文字通り「マイナーな言説」「取るに足らぬ言説」ということで使われています。ノベルやフィクションといった意味合いはまったくないのです。
ですので、四部分類で「子部・小説家類」に入れられているのは、「特に思想的立場の無い」有体に言ってどうでもいいような著作、ということで、自分がそのへんで見聞きしたものを書きとめたようなものが主たるものです。これらのものについては、後代では「筆記小説」という言い方をします。
こうした「小説」のなかでも「異聞之屬」に分類される幽霊や怪異の話(「捜神記,冥祥記,博物志,遊仙窟」はいずれもこちら)は、見聞記録のフリをした創作だったりしますから、「フィクション」ということで923にするのは正しいでしょうが、「雜記雜説之屬」に入るようなものは、基本的にほんとうに単なる「雑記」であって創作ではありませんから、924にしておくのが適切ということになるのです(※)。ちなみに前者のような怪異譚を「志怪小説」、『世説新語』のようなものを「志人小説」と言います(「志」は「誌」と同じで、「しるす」の意味)。

まあ「伝記小説」というものもあるわけですから、『世説新語』を923.4とするのは間違いでは無いのでしょう。ですが、7版までは記載がなくNDC8版になってからはじめて追加された「捜神記,冥祥記,博物志,世説新語,遊仙窟」という例示、ここに『世説新語』を入れたのは、「小説家」のほんらいの意味と関係なく、『世説新語』と言えば「志人小説」、小説ならばノベル、ということで入れてしまったのでは・・・と、正直ちょっと疑っていなくもないのですが、まあ今日のところはこのへんで。

6月から和装本について書いてきましたが、いったんしばらくお休みします。いずれまた書かせていただくつもりですので、よろしくお願いします。

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2014年9月 5日

インターンシップ実施中!


9月に入り、吹く風がすっかり秋めいてきました。
TRC本社近隣の学校も新学期が始まり、久々に見る子どもたちのランドセル姿や制服姿が新鮮に感じられます。


さて、データ部にも現在、フレッシュなインターンシップ生が来ています。
筑波大学の知識情報・図書館学類に所属する2人の女子学生です。インターンシップの初日から、積極的に学ぶ姿勢を見せてくれる2人。とても頼もしく、私たちも良い刺激をもらっています。


今回のインターンシップでは、「企業だからできる図書館支援サービスを体験しよう」をテーマにした様々なプログラムを実施しています。

2人は、図書館現場で図書館業務の裏側を見学したり、新座ブックナリーで図書館専用物流システムを体験したり、ADEAC(歴史資料検索システム)や出版流通のレクチャーを受けたり...と、中身の濃い毎日を送っています。もちろん、目録実習や内容紹介の作成など、データ部での実習もたっぷりあります。

20140906.JPG

写真はTRC本社にあるショールームで、ICシステムに関するレクチャーを受けている様子。IC導入の様々なメリットについてデモ機を見ながら学んでいます。

そして、2週間のプログラムの最終日には、「こんな図書館サービスがあったらいいな」というアイディアをプレゼンテーションしてもらいます。どんなアイディアを発表してくれるのか、今からとても楽しみです。

2014年9月 4日

なつかしい時代小説

こんにちは、典拠 小松です。

9月のお題は時代モノということです。
時代モノ、と聞いて思い起こすものをは人によると思いますが、私にとっては時代モノといえば時代小説です。

中学高校時代、読むペースに合わせて本を買うにはおこづかいが足りなくて、家族の本棚から面白そうなものを見つけ出しては読んでいました。中でもお世話になったのは父の本棚です。

父の蔵書は、今にして思えば大きく分けて4つ。美術書、戦記物、推理小説、時代小説...。今から思えば、なぜ時代小説を選んだのかわかりませんが、美術書は重くて通学に持ち歩くのに不向き、戦記は趣味に合わない、推理小説は海外のものが多かったので翻訳の文体に馴染めない、そんな消去法で時代小説だったような気もします。

ちょうど、その頃は中村吉右衛門(2代目)が鬼平を演じる「鬼平犯科帳」がゴールデンタイムで放送されておりました。そんな背景もあって、何の抵抗もなく池波正太郎から入って、藤沢周平、岡本綺堂、山本周五郎...と読み進めていきました。今思えば吉川英治や柴田錬三郎などはあまり本棚になかったです。剣客小説はそれほど好きではなかったのかもしれませんね。とりあえず家にある読みやすいものは読み尽くして、学校の図書室へ移動です。

母校の図書室は、ミッション系女子校のわりに時代小説の蔵書がたいそう充実しておりました。

子供ごころにも「これ多すぎでは?」と思いながら、借り出しては読んでいたところ、貸出カードに必ず私の前に英語のS先生と歴史のO先生の2人の名前があることに気付きました。犬猿の仲と生徒の間でも有名なお2人でしたが、こんな共通の趣味があったとは。充実の時代小説の蔵書は、おそらく2人のリクエスト(あるいは寄付)だったのでしょうね。ここではじめて充実した時代小説の蔵書に納得がいったのでした。あの頃から長い月日が経ちましたが、あの後貸出カードに誰かの名前が追加されることはあったのか。そもそも蔵書として残されているのでしょうか。ちょっと気になります。

今ではあまり読む機会はありませんが、時代小説を手のとると2人の恩師の姿が目に浮かびます。
今ごろはおそらく悠々自適。何を読んでいらっしゃるかなぁ。

時代小説といえば、先日気になったのはこれ。
お文の影

宮部みゆき著
KADOKAWA(2014.6)

表題作の後日談にあたる短編(「灰神楽」)を以前に読んで、しばらくは夜にお手洗いに立てないくらい怖かったのものでしたが、同じ登場人物の解決篇を読むことができて、ちょっとすっきりとしました。

時代小説に限りませんが、登場人物が共通するシリーズを書店で手に取った時「これ、もう家にあるかも」と思う時ありませんか?

先日のデータ部大ベテランの言。
「最近、最後まで読んでから『あ、この本持ってた』って気がつくんだよね」

ある意味、損はしていないと思います...。

上でご紹介した「お文の影」は「ばんば憑き」(新人物往来社 2012年刊)の改題です。MARCの注記にも入っております。お気をつけて。

2014年9月 3日

きょうのデータ部☆(9/3)

kyounode-tabu1.jpg

朝晩の空気がさわやかになってきました。

データ部の窓に映る朝の空に、
秋の気配を感じる今日この頃。

そろそろ馬が肥えはじめているでしょうか...。

2014年9月 2日

風景写真

本日は「週刊新刊全点案内」1879号の発行日です。
掲載件数は1507件でした。

今月の表紙はこちら。味覚の秋です。
p20140902.jpg


*こんな本がありました*
世界最速「車窓案内」 東海道新幹線開業50周年記念

今尾恵介(著)
新潮社(2014.8)

今年は東海道新幹線の開業から50年ということで、このような本がありました。車窓から見える沿線の風景写真と地図が一緒になっています。乗り物で移動しているとき、自分がいまどこにいるのか、目的地までどのくらいなのかなど状況を把握しておきたい性質なので、こういった本を手元に新幹線でお出かけしたらきっと楽しいと思います。風景を眺めながら、地形や地名などを調べたい!


もうひとつ、風景をテーマにした本はこちら。
鏑木清方江戸東京めぐり

宮崎徹(監修・文)
求龍堂(2014.8)

明治時代の東京を舞台にした鏑木清方の日本画と、その現在の風景写真をとりあわせたもの。街歩きも楽しめるよう地図もついています。今の東京に"明治"の名残りはどれだけ残っているのでしょうね。気になります。

2014年9月 1日

新しいのか古いのか~新設件名お知らせ2014年8月分~

『週刊新刊全点案内』は毎月最初の号の巻頭に「新設件名標目のお知らせ」を掲載しています。
新設件名はTRC MARCで件名標目を新たに採用したものという意味で用いていますので、NDLSHから採用したものも含まれています。
8月は「顧客満足」「水生動物」「乳幼児心理学」の3件の件名を新設しました。夏休みがあったからか3件だけですのですべて紹介します。
「顧客満足」は従来「顧客管理」を付与する場合が多かったかと思います。しかし「顧客管理」は「顧客情報の管理・共有化などによって,顧客との関係の最適化を図る経営手法」であり「顧客満足」は「企業が提供する製品やサービスに対してその購入者がどれだけ満足しているかを数値化して把握することで,顧客との良好な関係を維持・発展させていく考え方」なので、前者は量として顧客を、後者は質として顧客を把握する企業努力と言えるのではないでしょうか。
「水生動物」は「水産動物」より標目訂正したものです。なぜ標目を変えたのか。NDLSHの標目訂正に合わせたということもありますが従来の「水産動物」が漁業の対象となる動物つまり魚、貝、エビ、イカ等のイメージがあり辞書でも「食品もしくは生活に利用されるもの」とあるのに対して「水生動物」だと「水中で生活する動物の総称」でより広義かつニュートラルな感じがあります。
「乳幼児心理学」採用のいきさつです。BSHでは「発達心理学」の下位に「児童心理学」や「青年心理学」はありましたが「幼児心理学」がなく「幼児」が置かれていました。そこで「乳幼児心理学」の本には従来は「乳児」「幼児」を付与、場合によっては「発達心理学」も付与していました。「乳児」や「幼児」では検索でヒットする図書が大量になりますので、限定できる図書に対しては「乳幼児心理学」を新設した方がいいとの判断になりました。ちなみに「乳児心理学」「幼児心理学」とせず「乳幼児心理学」を採用したのはNDLSHに合わせたものです。

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