NHKの朝のドラマ「花子とアン」、人気のようですね。
「赤毛のアン」の翻訳者
村岡花子さんをモデルにしたお話ということもあり、
久しぶりに子どもの頃読んだ小説を思い出しました。
「赤毛のアン」も楽しく読みましたが、
「あしながおじさん」や「若草物語」も大好きだったなあ...。
ただ、子ども時代の私が読みながら時々判らなくなったこと。
それは主人公の名前です。
「あしながおじさん」の主人公は「ジュディ」。
なのに、ところどころ「ジェルーシャ・アボット」とも書いてあります。
「若草物語」でも「べス」が「エリザベス」で、「メグ」は「マーガレット」に...。
何でだろうと思いはしましたが お話の筋には直接関係ないし、
まあいいかぐらいな気持ちで、その頃の私はやり過ごしていました。
そのまま幾年月を経て、大人になった私。
なんと仕事中に同じことにぶつかったのです。
元アメリカ大統領(最近では、夫人のほうが有名になってしまった感がありますが)
ビル・クリントンが書いた本が出ました。
しかし、本に書いてある形は「W.J.クリントン」。
「ビル」も「B.」もありません。
今度はやり過ごすわけにはいきません。
いったいこれはどうしたことか...。
頭に?が浮かんでいる私に、先輩が一言。
「英和辞典をひいて」。
そこで「Bill」を英和辞典でひいてみると
「Bill 男性の名。Williamの愛称」。
ビル・クリントンの本名はClinton,William Jefferson。
ビルはウイリアムの愛称だということを、このとき初めて知ったのでした。
西洋人は同じ人物なのにいろいろな形で表記されることが多い、ということは以前にもお話しました。
典拠ファイルでは、どんな形で記述されていてもそれが同じ人物ならひとつの統一形のもとにまとめています。本名と愛称も同様です。
現在、ビル・クリントンの典拠ファイルはこのようになっています。
12000158546-0000 Clinton,Bill
12000158546-0001 ビル・クリントン
12000158546-0002 クリントン
12000158546-0003 W.J.クリントン
12000158546-0004 Bill Clinton
ついでに若草物語の「ベスとエリザベス」「メグとマーガレット」も英和辞典で調べてみたところ、やはりそれぞれ愛称と本名でした。
しかし、「ベス」が「エリザベス」の愛称なのは何となく判りますが、
何故「ウイリアム」「マーガレット」の愛称が「ビル」「メグ」なのか...。
日本人の愛称なら「めぐみ」が「メグ」とかのようにあたりもつくのですが、
西洋人の場合はなかなか難しいものがあります。
名前に見えるけど名前ではないものを覚えるのと同じく、こちらも典拠の部署のメンバーは経験を積みながら覚えていきます。
本名と愛称をまとめた参考図書があったらなあ...。典拠メンバーの切なる願いです。