見るべきポイントはどこですか?
~ 入力 その2 ~
MARC作成に必要な情報を、本のどこで確認するか?
日本目録規則では、以下を「記述の情報源」と定めています。
標題紙 (本を開いて一番最初の、タイトルなどが書いてあるページ)
奥付 (本の一番最後、タイトル・著者・出版者などがまとまっているところ)
背表紙
表紙
以上は本の本体。
TRC MARCでは、これにカバーもプラスして、合計5か所です。
ここが標題紙
こちらは奥付
~ 入力 その2 ~
MARC作成に必要な情報を、本のどこで確認するか?
日本目録規則では、以下を「記述の情報源」と定めています。
標題紙 (本を開いて一番最初の、タイトルなどが書いてあるページ)
奥付 (本の一番最後、タイトル・著者・出版者などがまとまっているところ)
背表紙
表紙
以上は本の本体。
TRC MARCでは、これにカバーもプラスして、合計5か所です。
ここが標題紙
こちらは奥付
~ 入力 その1 ~
いよいよMARC作りが本格化。
本の中身を確認しながら、TRC独自に開発したシステムの専用画面に必要項目を入力していきます。
入力を担当しているのは、10人前後。1人あたり30分で5冊くらいが目安です。
本の山をかたわらに、鋭意MARC作成中! 猛烈に集中してマス。
入力に使う画面はこんな感じです。
三月の茗荷谷の風景。
卒業式。
ただでさえ学校が多いのに、幼・小・中・高・大学と、もれなくそろっているために、三月は卒業式のラッシュになります。(そして来月は入学式ラッシュ)
桜。
今日のところで五分咲きくらい。
教育の森公園、跡見学園の正門、足をのばして播磨坂と、桜の名所には事欠きません。
10年近く通っている茗荷谷ですが、その風景がいま大きく変わっています。
駅前の再開発事業のため、建物がどんどん取り壊されているのです。
よくお弁当を買っていた「京樽」も、おいしい中華料理屋さんもなくなってしまいました。
お昼ごはんもピンチですが、慣れ親しんだ風景がなくなってしまうのも悲しいものだなと、センチメンタルに思う今日この頃なのでした。
「月刊新着AV案内no.12(4月号)」も本日発行です。
掲載予定件数は1238件。うちDVD:391件、ビデオ:17件、CD:829件、カセットテープ:1件です。
月刊でno.12ということは…そう実はやっと創刊1年なんです。
それ以前もAV(録音・映像資料)のカタログがなかったわけではありません。図書の「週刊新刊全点案内」の中に含まれていました。「週刊新刊全点案内」は週刊、「月刊新着AV案内」は月刊。ここで「なーんだ、AVだけ切り離してまとめただけでしょ」と思われる方、そうじゃあありませんよ。
映像資料はジャケット写真・紹介文がついた上にフルカラーになったし、画像や音声等の規格や受賞情報など、それはそれは盛り沢山になったのです。
録音資料だって負けてません。2色刷りはちょっと地味ですが、1件あたりのスペースが倍になり、収録曲がたくさん紹介できるようになりました。どんな特典がついてるか、再発売の品は旧品番、CD-EXTRA等の規格、こんな変わったケースに入ってますよ等々、いろんな情報が紹介できるようになったのです。
現物を見ないで注文するカタログですから、購入に失敗することのないよう、モノがイメージしやすくなければなりません。見る人の立場に立って考えに考え、方々の協力を得、いろいろな難関をのりこえて誕生した「月刊新着AV案内」です。
1年…感慨深い。
まだ幼い「月刊新着AV案内」も、ご愛顧のほど、よろしくお願いいたします。
(AV 山老)(代理アップ 典拠 望月)
本日、「週刊新刊全点案内」1514号を発行しました。
掲載件数は1532件です。
新刊書の処理は先へ先へと進んでいますので、
現在作業しているのは、来週発行する1515号です。
今から予告をさせていただきますが
これが1900件程度、1年にあるかないかという数になりそうです。
データ部新刊目録は爆走中です。
こうなると何か人智を超えた助けを求めたくなるもので
「夜中にコビトが出てきて入力をしておいてくれないだろうか」
「ランプの精が出てきてほしい」
「漫画パーマンに出てくるコピーロボットがあれば」。
コピーロボット云々は私だけかもしれません。世代的に。
空想の世界にひたったところで、今週の1冊をご紹介します。
あのリサとガスパールがついに日本へやってきました!
「富士山と桜」というベタな表紙がいっそうかわいいです。
旅館のおふとんではしゃいだり、おはしでおべんとうを食べたり。
トイレに付いてるボタンを押したら水が噴き出したというシーンがあり、
ウォシュレットは今や日本名物?
タクシーの運転手さんのネームプレートを大きく描いた絵がありましたが、
あれも珍しかったのかな。よく見ると漢字らしきものも書かれています。
ブロンズ新社のwebサイトによれば、
作者のおふたりが2年前に来日したときのお話がもとになっているとか。
おちゃめなサービス精神が楽しい1冊です。
典拠の部署には、参考資料がたくさんあります。(以前紹介した写真)
棚いっぱいありますが、これでもまだ一部です。ほかの部署の人から「図書館みたいですね」といわれたこともあります。
たいていの資料はボロボロになっています。相当使い込んでいるのです。
なぜこんなにボロボロになるまで参考資料を見るのか。典拠の部署では、統一標目を決めるためにたくさんの調査を必要とするからなのです。
新刊の著者では、大学教授など研究者は、必ず「研究者・研究課題総覧」(とweb版の「ReaD(研究総合支援ディレクトリ)」)を調べます。
古典の著者では、どんなジャンルの人でも参考資料にあたるのが原則です。たとえば図書に「村田佐十郎恒光」とあっても、参考資料に「村田恒光」とあれば、統一標目は「村田恒光」にしています。
11000374955‐0000 村田/恒光 ムラタ,ツネミツ
11000374955‐0001 村田佐十郎恒光 ムラタ/サジュウロウ/ツネミツ
上の人の場合、「国立国会図書館著者名典拠録」「国書人名辞典」「日本人名大事典」「古典籍総合目録」を調査。その結果をふまえ、この人はどの形を統一標目にするのがふさわしいか決めているのです。
典拠では、このように「根拠をはっきりさせる」作業が、とても肝心なのです。
企画記事:人名典拠
企画記事「MARCができるまで」では、分類・件名作業の流れについて簡単にお話しましたが、今回は、初めて分類作業にふれる方でもイメージがつかみやすいよう、実際の本を例にして分類を付与してみます。
では、「大阪人はなぜ振り込め詐欺に引っかからないのか」の分類について考えてみましょう。
データ部メンバーはいつも集中して仕事をしている分、お昼休みはそれぞれリラックスして過ごします。
中でお弁当を食べる人が多いですが、天気のいい日は特に、散歩がてら、外で食べます。
私も久しぶりに先輩たちとランチに。
すぐ近くにある「cafe Fuu」に行きました。
紅茶も美味しかったですが、自家焙煎珈琲のお店です。春日通り沿い、お茶の水女子大学正門の向かいにあります。
データ部の行きつけらしく、店内には他にもメンバーの姿がちらほらと・・・。
少人数でゆっくりおしゃべりしたいときに利用するようですね。
本日、「週刊新刊全点案内」1513号を発行しました。
掲載件数は1502件です。
本がたくさん出版される3月後半から4月にかけては、データ部にとっても忙しさのピーク。山のような本をかたづけていくのに、みな必死です。とにかく、かたっぱしから一冊ずつMARCを作成。いまの時期のデータ部、ちょっぴり殺気だってます。
(比較的穏やかな気性のメンバーが多いので、表面上はあせりをみせないのですが、空気が微妙に違う…)
しかも、昨日3/19分の新刊件数をみて、びっくり。(ブログ左上の「日刊新刊全点案内」部分にあります。)
438件!
この件数の多さ、今年最高かも。 その前の営業日の新刊件数が313件だったので、100冊以上も多いことになります。大体300件超えると、「ああ忙しい~」という雰囲気になるのですが、400件以上とは…。
よく1日でこれだけの件数のMARCが作成できたね、とちょっと客観的にみてみたり。
いや、よくやった。(誰も褒めてくれないので自ら褒めてみる…)
でも今日が山場なんです。
昨日もできたから、今日もできるはず。まだがんばれるはず。
そんな風にそれぞれ、自分自身に言い聞かせ、モチベーションを持続させながらデータ部はエンジン全開で仕事しています。
さて、そんな緊迫感あふれるデータ部が紹介する、火曜日恒例の「今週号のこの一冊」。
*こんな本がありました*
東京エリアにおけるランニングコースの地図&ガイドっていままでありそうでなかったのです。(ウォーキングコースの本はよくありますが)
主な対象は初心者ランナー。
近頃、マラソンの人気が高まっているということでピックアップしてみました。
東京マラソン2007も大盛況だったようですしね。
私が茗荷谷駅から会社までの道として毎日歩いている春日通りも、東京国際女子マラソンのコースになっているらしいと聞き、ちょっと親近感。(会社の近くは通らないらしいのですが…)
いきなりマラソンは無理として、軽いランニングなんか始めてみようかな…というときに上記の本は役立つかもしれません。
観光スポットも記載されているので、走りながら、ついでに東京見物なんていいですね。
追伸:
次回のブログ更新は3/22(木)です。
これまでは、日本人の著者の例ばかりをあげてきました。
でも今の時代、日本人が書いた本ばかりが出るわけではありません。
日本以外の国の人が出てきても、当然人名典拠ファイルを作ります。日本以外の国の人のうち、中国・韓国など漢字圏の国の人を「東洋人」、それ以外の人をまとめて「西洋人」と分けています。(あくまで便宜的に)
「東洋人」は日本人のファイルと同様、見出し(統一標目)は漢字が採用されます。
例:11000098819-0000 毛/沢東 モウ,タクトウ
それに対して「西洋人」の見出し(統一標目)は、アルファベットの形が採用されるのです。
そこが「西洋人」ファイルの特徴ですね。
例:12000030148-0000 Twain,Mark トウェーン,マーク
「西洋人」で大変なのは、翻訳の違いや発行された年代によって多様な形が出てくるのを、ひとつにまとめること。上のMark Twainを例にすると、
マーク・トウエーン
トウェイン
M.トウェイン
トウヱーン
マークトゥエン
などといったように、図書によってまったくちがうイメージの名前で出てきます。
これを吉本ばなな←よしもとばなな方式と同じやり方(第4回参照)でつなげています。
同じ人が別人扱いにならないよう、すでにファイルができていないかしっかり検索をする。これが大切なのです。
企画記事:人名典拠
それぞれに分類/件名が付与されて、本は再び新刊目録の棚に帰ってきました。
データ部に到着以来はや数日…ってウソです。
実はここまでで、まだたったの1日。
本日の流れをおさらいしてみましょう。
見本到着 → 検索/登録 → 写真撮影 → 分類・件名付与
今日も一日お疲れさまでした。
さて、本と一緒に、この企画記事も再び新刊目録担当の手に戻ってきました。
次回からは、いよいよ本格的なMARC作りがスタート。
またのんびりレポートしてまいります。
でもその前に…
来週は、もう少し分類/件名のお話をお楽しみいただく予定です。
「MARCができるまで」はまた再来週。
みなさま、よい週末&お彼岸を!
~ 分類/件名付与が終わり、明日を待つ本たち ~
TRC MARCの分類は日本十進分類法(NDC)〔新訂9版,8版〕に従って付与しています。
そのため、「分類/件名」メンバーは必ず一人一セット以上、自分だけのNDCを持っており、日々活用しています。
分類作業に役立つよう、TRC分類の内規的なメモを書き込みしてしまうことも。
分類/件名メンバーとしてキャリアが浅い私のNDCはまだキレイなままですが、ベテランメンバーのNDCは相当使い込まれた感じになってます…。
毎日、開いたり、閉じたり、書き込んだり。
個人的には、そのメンバーのキャリアの分、NDCが活用されてきたことが感じられ、いい味だしているなあと、尊敬の念を込めて、先輩のNDCを眺めるのでした。
今後、このブログ上で分類のことを、詳しく紹介していくことが度々あると思いますが、興味がある方はご一緒にNDC(新訂9版の方)を確認してみてください。
NDCは持ってないよ、という方。
お近くの図書館には必ず置いてあるはずですよ。
NDCは「本表編」と「一般補助表・相関索引編」の2冊組です。
NDC「本表編」の解説部分も読んでおくと、分類の理解度UP間違いなし!です。
すぐに確認したいんだよね、という方。
詳しいことはNDC現物をみたほうがいいのですが、NDCの区分表などは
ネットで公開しているところも多いです。例:『CyberLibrarian』日本十進分類法(NDC)9版 -2次区分表-
以前私が大学の図書館司書課程で分類について勉強したときは、「図書分類の実務とその基礎」等の本を大いに参考にしましたが、実際やってみないと身につかないところも多く、分類付与というのはなかなか難しいものです。
分類の説明については、分類作業をしたことがない方にも理解していただけるよう、できるだけわかりやすい記述をこころがけますね!
データ部は今の時期、図書館蔵書が年度末の繁忙期を終え、新刊目録が新年度のラッシュを目前に控えている、少し時間のできて、飲みに行くにはよい時期です。というわけで、昨晩はTRCデータ部ログのメンバーでささやかに飲みに行きました。
女性ばかりだからというと語弊がありますが、家庭があったり予定があったり、飲みにいく機会がほとんどないデータ部。さらに「飲みに…」とはいうものの、どうしてもお酒よりは食べ物に力が入りがち。今回も「何かおいしいものを・・・」と会社のご近所、茗荷谷のこのお店へ。
「部ログに載せよう!」と言い出したときには時すでに遅し、お料理はメンバーのお腹におさまってしまっていました。
写真をお見せできないのが残念、春らしいお造り、木の芽のてんぷら、鱧と春野菜の炊き合わせなどなど、旬のお料理をとてもおいしく頂きました。
こんな席で飛び出す話題は、この部ログのこれからの話や、本や目録、書誌の話題。も、もちろんありましたが、凝り性(肩もです…)の多いデータ部員のこと、それぞれの濃い趣味の話、しまいには恋愛バナシなどまで飛び出して・・・。
ちょっとひとやすみして、楽しい一夜となりました。
ここで判明したことといえば、それほど飲まないデータ部の中で、この部ログのメンバーはのんべえが多いこと…。
以上、お酒の勢いでレポートを引き受けた、図書館蔵書 小松がお伝えいたしました。
本日、「週刊新刊全点案内」1512号を発行しました。掲載件数は1314件です。
先週の1600件よりちょっと落ち着きました。
*こんな本がありました*
「図書館はまちの真ん中 静岡市立御幸町図書館の挑戦」
(図書館の現場)
たまには真面目に(?)図書館本のご紹介。静岡市立御幸町図書館の実践記録です。
じっくり中身までは読めなかったので、どんな図書館なんだろう?とTRCの静岡県担当、営業・舟橋に聞いてみました。
「駿府城に程近い、官公庁、ビジネス街にもアクセスしやすい図書館です。駅からすぐと立地もよいので、ビジネスマンや学生たちでとても活気があります。特色のひとつであるビジネス支援には、館長さんをはじめ熱心に取り組んでいて、がんばっています」
なるほど、その館長さんというのがこの本を書かれたお一人、豊田高広さんなのですね。
さて月曜日です。
ということは、人名典拠の話。本日は第5回、相互参照についてです。
出世魚のように、名前を変える人がいます。
代表的なのが、古典芸能の人たち。林家木久蔵さんが襲名名を公募したなんてことも話題になりました。襲名のようにがらっと名前が変わってしまうもの、あるいはビートたけしと北野武のように活躍するジャンルによって使い分けているもの、といったように本人が2つ以上の名前を持っている場合、人名典拠ファイルではどうするのでしょうか。
答えは、「それぞれの形で見出し(統一標目)を作る」です。
11000135903-0000 林家/こぶ平 ハヤシヤ,コブヘイ
11000434180-0000 林家/正蔵(9代目) ハヤシヤ,ショウゾウ
やっぱり、林家正蔵著、と書いてある本が、「林家こぶ平」ファイルの中に入っていると変ですよね。
なので、それぞれの形でファイルを作るのです。
しかし、このままではこぶ平さんと正蔵さん(9代目)が同じ人であると、人名典拠ファイルを見ただけではわからなくなってしまいます。
こういうとき、林家こぶ平のファイルには、『林家正蔵(9代目)も見てね』と、林家正蔵(9代目)のファイルには『林家こぶ平も見てね』、とそれぞれメッセージを入れておくのです。
お互いに(相互)、参照しあう、このしくみのことを「相互参照」といいます。
企画記事:人名典拠
今のところこのブログは、数人の担当者で先々の予定を決めながら書いています。3/9にフリーテーマで、と決まってから、密かに決めた話題はこちら…
石井桃子さん、100歳のお誕生日、おめでとうございます!
「くまのプーさん」「うさこちゃん」「ピーターラビット」シリーズの翻訳などで著名な翻訳家・作家の石井桃子さんは、1907年3月10日生まれ。明日で100歳を迎えられるのだそうです。
昔読んだ本のそこここにお見かけしたあの「いしいももこ」さんが!…とでも書きたいところなのですが、正直、子どもの頃にそのお名前を意識した覚えはあまりないのでした。児童書の世界にこんな方がいらしたんだ、と知ったのは大人になってから、さらに、その業績が戦前の「世界名作選(」(皇后・美智子さまの愛読書)などの編集にまで遡る、というのは今回はじめて知りました。100年という時間は、これだけの時代をまたぐのですね。
通勤途中にある書店では今、100歳記念のフェアが開かれており、そこには岩波書店と福音館書店が共同で作成した小冊子(著訳書のリスト)が置いてあります。それを順に眺めていると、図書館の児童書棚のあの一角の雰囲気(言葉が簡潔で揺るがない、どこか可笑しい表現もあって、全体になんとも頼もしげな貫禄あり、など)は、この方に負うところがとても大きいのだな、と今更ながら思いました。
余談ですが、先日知り合いの子どもがディズニー版「くまのプーさん」の某キャラクターをとても達者に描いたので、「上手だね、それコブタでしょ?」と聞いたら、「ピグレット!ブタとウサギが一緒になってるの!」とおこられました。
「うさこちゃん」→「ミッフィーちゃん」はすっかり慣れましたが、「トラー」→「ティガー」、「コブタ」→「ピグレット」は厳しいな…。このあたりも、世代間ギャップの指標になってしまったりするのでしょうか?(にしても、ブタとウサギのミックスは、ちょっと違うと思うけど?)
~分類・件名作業 その4~
一通り分類・件名等を付与した本たち。
この後、違う人の目でもう一度検討することが必要。(この作業のことを「チェック」と呼んでいます)
そのためチェック担当者へまわします。
テーマが複雑で判断が難しいなど、そこで迷うような場合は、更に次のチェック担当者へまわします。
チェック担当者もやはり同じように一冊ずつ内容に目を通して作業します。
必要に応じて参考資料を調査したり、複数のメンバーで協議するなどして、最終的に分類・件名を確定します。
分類・件名のチェックは必ずベテランメンバーが担当します。
分類・件名付与の技術は、たくさん本に触れて経験を積むことで習得していくため、チェックができるレベルになるまでには何年も修業が必要…。
なかなか奥が深いのです。
そうして、すべての分類・件名付与&チェック作業を終えた本を、「新刊目録」の部署に流していきます。
分類・件名付与の流れを整理すると、以下のように。
分類・件名付与
↓
一次チェック
↓
最終チェック
↓
目録作成へ!
分類・件名作業、実はこれで終わりではありません。
その後のリスト・カード形式等での校正を含め、常に4~5名の目を通して分類・件名を決定しているのです。
~分類・件名作業 その3~
前回、分類・件名付与作業について紹介しました。
「分類/件名」メンバーが付与するのは他にもあります。
一つは利用対象(想定される読者対象)。
幼児(幼児:0~5歳,0~2歳,3~5歳などの区切りで細分化)、小学生(小学生全般,小学1~2年生,3~4年生,5~6年生)、中学生、高校生、教員、一般、大学生及び大学院生、医療従事者、特定の職業の実務家、研究者など15種類を付与します。
利用対象は内容をみて付与しますが、図書に表示があればそれを参考にしています。
児童書・絵本には利用対象がはっきり記載されていることが多いです。
写真の絵本の場合、利用対象「3~5歳;小学1~2年生」と付与しました。
また利用対象以外にも、ジャンル、資料形式などを同時に付与しています。どちらも図書の内容をよりわかりやすくするために必要なものです。(詳しい説明はまた別の機会に…)
本日、「週刊新刊全点案内」1511号を発行しました。
掲載件数は1688件です。
もう3月ですね。
ときどきは暖かい日もあり、季節が確実に春に向かっていることを感じます。
4月から幼稚園・学校等に通うお子さんがいる家庭は、準備に余念がないことでしょう。
この時期は、入園・入学準備関連の本がよく出版されます。
特に目立つのが「お弁当」の本。
刊行年月からみると、例年お弁当の本は、1月からだんだん増え始め、3月頃がピークです。
1511号掲載分ではありませんが、いままでに刊行されたものをいくつか紹介。
「パパッと塾弁」
塾に通うお子さんにもお弁当は必要なのですね…
「男子のかんたん弁当 改訂版」
男の子受けしそうながっつり系のおかずが満載。働きざかりのお父さんにも。
「デリ弁」
デパ地下のDeliみたいにかわいくてヘルシーなお弁当レシピ…これは、働くお姉さんのランチにいいですね。
でもやはり、刊行されているお弁当本の半分以上は、幼稚園児などの子どものお弁当です。
*1511号掲載から一例*
↓すべてカロリー表示付き
しかし、動物やお花をかたどったりとメルヘンなお弁当の写真をたくさんみているうちに、自分でもなんだか作りたくなり、早速関連の本を数冊購入。それを参考に、姉と一緒にチャレンジしてみました。
うーん、難しい!そのへんの材料で急いで作ったためなんとも雑なものに。(大体ひよことタコとイカが一緒でテーマもめちゃくちゃ) しかも、幼児が私の周辺にいないため、このお弁当は義兄の夜食になったのでした…。
園児弁当は型抜きなどの道具もいるし、かわいいお弁当箱のセレクトも大事。なかなか手間がかかるものです。毎日お弁当をつくる保護者の方は本当に大変だなあと実感しました。
働くママさん向けには、冷凍食品を使ってパパっとできる「働くママのらくちん通園べんとう」という本もあります。
愛情を込めてあげれば、きっとどれも美味しいお弁当になりますね!
さて、人名典拠の4回目、前回は同姓同名で別の人の管理の仕方を説明しました。
今週は、同じ名前なのにちがう書き方をしてきた人の例です。
同じ名前なのにちがう書き方とは?
有名な例ですと、よしもとばななさん。2002年吉本ばななから、よしもとばななへペンネームを変更しました。
「吉本ばなな」も、「よしもとばなな」もちがわないじゃないか、と人間なら思ってくれそうですが、コンピュータはもうちょっと融通が利きません。漢字がちがうから、そのままだと「吉本ばなな」と「よしもとばなな」を同じ名前という扱いにしてくれないのです。
だから人の手で、すでにある「吉本ばなな」ファイルに「よしもとばなな」ファイルをつなげる作業をするのです。
11000108251-0000 吉本/ばなな ヨシモト,バナナ
11000108251-0001 よしもと/ばなな ヨシモト,バナナ(注)
(注)典拠ファイル上の設定
この「-0001 よしもと/ばなな」を記述形といいます。
図書に記述された形、という意味。
こういった例は、実はけっこうあるのです。
斎藤さんの斎の字が次は齋(旧字)で書かれたとか、大人向けの本は漢字、子ども向けの本はひらがなと書き分けてるとか。
ちがう形で出てきても、同じ人と見破れるかどうか。長年の経験と勘が大切なのです。
企画記事:人名典拠
~ 分類・件名作業 その2 ~
本の中身(主題)は何なのか。
それを実際に読んで確かめるのが「分類/件名」メンバーの仕事です。
そうして見つけ出した主題を、分類記号や件名標目に置き換えていきます。
実際の作業を簡単にご説明。
本を手に取り、まずタイトルを一瞥。
続いてページを開いて目次、序文、あとがきをチェック。
本文や、著者の過去の著作一覧も目を通しながら、本の内容を把握すると同時に、中身を表すようなキーワードを拾い出していきます。
そして、そのキーワード等をTRC MARCデータベースで複合的に検索。累積データを参考にしながら、分類・件名を付与します。
~ 分類・件名作業 その1 ~
さて、無事、写真も撮り終えた本たち。
そのまま、目録作成作業へ!…と行きたいところですが、その前に分類・件名(略して分件)を付与する作業が待っています。
ということで、本は分類/件名の部署の棚にどんどん積まれていきます。
気を抜くとすぐ山のようにあふれ、途方にくれることに。
次から次へと、迅速かつ丁寧に、分件作業を進めていきます。
分類はとても重要。
大抵の図書館の本は、0~9類など、主題によって分けられて配架されていますよね。(例えば一人の著者による近代の日本の小説なら913.6なので、9類「文学」の棚にあったり…)
日本十進分類法(NDC)という定まった体系にもとづいた分類を付けることにより、目的の本が探しやすくなるのです。