以前、「著者名の読みかたが図書や人名辞典からわからないときには、
姓名の読みかたの事典類を参考にしながら決めていきます」
というお話をしたことがあります。
本日は、そのようなときに私たちが頼りにしている
参考資料をご紹介しましょう。
まずはこちら。
「日本姓名よみふり辞典 姓の部」(日本アソシエーツ 1990.10)
「日本姓名よみふり辞典 名の部」(日本アソシエーツ 1990.10)
古代から現代までの実在の人物、約50万人のデータを元に作成された資料です。
凡例によりますと、姓の部では姓の表記42,000件(その読み56,000件)、
名の部では名の表記72,000件(その読み90,000件)が収載されているとのこと。
難読姓や本名以外の名称(芸名、雅号等)も含めた内容になっています。
名の読み方については、
「角川大字源」(角川書店 1992.2)
も参考にしています。
「角川大字源」は漢和辞典なのですが、
人名としての読みに使われる読み方が掲載されています。
たとえば「淑」という字には、人名読みとして
きみ・きよ・きよし・すえ・すみ・とし・ひで・ふかし・よ・よし
と10通りも挙げられています。
姓の読み方についてはこちら。
「日本姓氏大辞典」(丹羽基二著 角川書店 1985.3)
表音編・表記編・解説編からなる資料です。凡例によると約13万件を集録。
これだけの数をおさめているので、
毎日たくさんの人名に触れている私たちでもめったにみかけない姓が満載。
ぱらぱらめくって眺めてみると、なかなか楽しいのです。
8月にちなんで 「八」がつく姓をみてみると
八月一日 八月朔日
八月十五日
八月三十一日
こう書くと日付の羅列のようにみえますが、これらはみな姓なのです。
皆さま、なんと読むかおわかりでしょうか。
八月一日 八月朔日
それぞれに複数の読み方がありますが、
共通しているのは「ハッサク」「ホツミ」「ホズミ」「ホソミチ」など。
「ワタヌキ」という読み方もあります。
八月十五日
「アキナカ」「ナカアキ」「ナカツキ」とよむそうです。
八月三十一日
「ホズノミヤ」。
音から来ているのではないと思われる読み方揃いです。
この辞典では姓の由来を「地名型」「信仰型」「事象型」「当て字型」など33種に分類し、
それを各姓の後ろに記号で示しています。
たとえば 八月三十一日 ホズノミヤ は「信仰型」「当て字型」とのこと。
姓の由来も探求してみると面白そうですね。
いま、私が小学生だったなら夏休みの自由研究にするところなのですが...。
今回は日本人の読み方を調べるときに使っている参考資料をご紹介しました。
日本人以外の資料は、またの機会に。
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