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2019年3月 アーカイブ

2019年3月29日

合綴本あるある-アイテムレベルの注記(6)

こんにちは。AS 伊藤です。主に和漢古書を担当しています。

前回、虫損や鼠損について見てきました。虫損か鼠損(そそん)かわからない、あるいは人の手による派手な破れなどについては「破損あり」としておけばよいでしょうし、とにかく汚れがひどくて読むのに支障をきたすようであれば「汚損あり」としておけばよいでしょう。それ以外にも、カビによる黴損(ばいそん)・湿気による湿損(しつそん)・水濡れによる水損(すいそん)・焼け焦げや火災による焼損(しょうそん)など、本を傷めてしまう原因はさまざまあり、長い時を経て保存されてきたものというのは、やはりそれだけ貴重なものだなと改めて感じさせられるところです。

上にあげたような傷みでなくとも、和装本の特性として、綴じ糸が切れたりした結果、本の一部や前後の丁が欠けたりする事態はよく生じます。巻単位で欠けている場合は、以前見たように欠巻(闕巻)の注記をしますが、そうでない場合は「第十五丁以下欠」などというぐあいに記録します。丁付けのない写本などのばあいは、「前欠」「後欠」あるいは「首尾欠」のように注記します。
刊本で破損や欠落があるとき、欠けている部分を補写しているケースもよくあり、ある程度以上あれば「補鈔あり」などと記録します。なお、巻単位あるいは冊単位で欠けているものを別本で補っている場合は補配(ほはい)といい、漢籍では「第2巻用鈔本補配」といった具合に記録したりします。

にも触れましたが、古書は外がわほど傷みやすく、亡失しやすいので、表紙や裏表紙が失われていることはままあり、後人や現在の所蔵者が新しく表紙をつけ直していることもあるかと思います。これについては、「表紙後補」などと記録しておいてもよいですが、まあこれは図書館ごとの方針で注記しなくてもかまわないでしょう。いずれにしろ、原装ではなくほんらいの表紙や裏表紙がないということは、その裏にあったはずの見返しや奥付がなくなっているということになるので、書誌の記録にあたってはだいぶマイナスと言わざるを得ません。
原装・改装ということで言うと、ほんとうに古い本では装丁を改めている―たとえば粘葉装を線装に、巻子本を折本に―こともありますが、ふつうに目にするのは、糸綴じ本数冊をまとめて1冊に綴じなおしているケースです。途中の表紙や裏表紙は廃棄してしまって綴じなおしているのがふつうですので、一見わかりにくいかもしれませんが、だいたい不自然にぶあつかったりしますし、もとの冊の先頭や末尾に蔵書印が捺されていたり、原冊単位での小口書きが残っていたりすることがままあり、注意して見れば気づくことも多いです。こういうのは「原3冊を1冊に合綴」などと記録することになります。記録の順序としては、このあたりはむしろ印記などより前にしてもよいかもしれません。

以上、6回にわたりアイテムレベルの注記について見てきました。これで和漢古書の書誌記述について言及すべきことは、ほぼひととおり触れてこられたかと思います。

2019年3月28日

趣味は魔物

今月の雑記のテーマは、「私の三種の神器」です。

部屋の隅に歌舞伎観劇必需品三点がちょうど鎮座していたので
(片付けていないとも言う)
それをご紹介しようかと思います。

1.オペラグラス 1階席で観ることはめったにないので必需品です。老眼が出始めているからか、最近はオペラグラスを使っている時間が長くなった気がします。今は眼鏡タイプのオペラグラスが欲しくなり始めました。

2.チケットホルダー チケット入れです。今使っているのは、昔の歌舞伎座の座席シートで作られたものです。何かの抽選で当たりました。普段くじ運は悪い方ですが、この時は何故か当選。ここで運をつかってしまったかも...

3.筋書き 劇場で売っている上演作品の解説と役者のインタビューなどが載っているものです。1冊は5ミリ厚くらいですが毎年12ヶ月分=12冊ずつ増え、しかも紙が良く、糊がきいていて積んでおくとなかなかの重厚感。

我が家にある一番古い筋書きは平成5年9月の歌舞伎座のものでした。
もう鬼籍に入られた懐かしい役者さんたちもいましたが、
この中に「中村勘太郎」の名前を発見。
現在の中村勘九郎さんが11才頃の写真がありました。
当たり前ですが若くて可愛らしい。
まさか、うん十年後に「四三さん」に繋がるとは。
今月の歌舞伎座では当代の中村勘太郎さん(勘九郎さんのご長男)が武士の息子を熱演、中にはすすり泣きしている人もいました。これからが楽しみです。

この筋書きたち、毎年年末に場所をとるので処分しようと検討する為に中身を見るのですが、いつの間にか熟読モードに入ってしまい結局捨てられず、増えていく一方なのが悩みのタネです。

部屋が片付かないのは趣味の所為、と言うことにしております。

2019年3月27日

きょうのデータ部☆(3/27)

       咲きました!!
       今日はよい天気で、花盛りです。

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       でも風が強い...。
       お花見にはちょっときびしいなあ。

2019年3月26日

美しい

本日は「週刊新刊全点案内」2104号の発行日です。
掲載件数は1393件でした。

*こんな本がありました*

世界の美しいスタジアム」

パイインターナショナル(編著)
パイインターナショナル(2019.3)

建築物に加え、生き物なども出しているこの~世界の美しい~シリーズ。一体どのような基準で決めているのか気になるところですが、今回のテーマはスタジアムでした。世界各地のスタジアム写真を解説と共に紹介している一冊です。

スタジアム名はほとんど知らないものの、オリンピックやサッカー等でなんとなく覚えのあるスタジアムが載っていました。競技会場はテレビでよく目にしますが、そういえば外観をじっくり観察したことはありませんでした。もちろん東京ドームくらいは知っていますが...

日本のスタジアムからは東京ドームに加え、札幌ドームと京セラドーム大阪がピックアップ。写真の中でも、夜にライトアップされたスタジアムもカラフルで綺麗でした。

いよいよ来年開催となったオリンピックに向けて、現在建設中の新国立競技場。「杜のスタジアム」がコンセプトの、木を取り入れたものだとか。もし完成していたら美しいスタジアムとしてこの本に載っていたのでしょうか?

2019年3月25日

にゃんこ効果は?-アイテムレベルの注記(5)

こんにちは。AS 伊藤です。主に和漢古書を担当しています。

アイテムレベルにかかわるものとして、蔵書印書き入れについて見てきました。最後に、今回と次回、保存状態についての注記を見ていきたいと思います。

和漢古書は製作から数百年を経ているものですので、さすがに何らかの傷みがあるのがふつうと思ったほうがよいです。貸本などはたいてい手垢のついたクタクタの状態になっていますし、多少の破れや綴じ糸の切れ、題簽の剥落などは常のことですので、特別な本で詳細に記録する場合以外、これらを一々記録する必要はありません。
傷みでもっともよく目にするのは「虫食い」の被害で、図書の内部に、1~3ミリ程度の幅の穴を縦横に開けられてしまっているのは、残念ながら高温多湿の我が国ではおなじみの光景です。これに対し、朝鮮半島や中国北方では虫損(ちゅうそん)というのはそう多くないそうで、羨ましいかぎりです。
紙を食べてしまうのは「紙魚」(しみ)ではなく、シバンムシという甲虫によるもので、ひどい場合は本を開くとぼろぼろになった無数の紙片が飛び散るようなぐあいにもなります。虫の害を防ぐには古来、天気の良い乾燥した日に「虫干し」をすることが行われてきましたが、現在では化学的な燻蒸(くんじょう)処理を専門業者に依頼するのが一般的です。『和本入門』等によれば、電子レンジに入れて加熱すれば一発で退治できるとのことですが、これはちょっといろいろな意味で勇気がいりますね。
虫食いがあれば基本的に「虫損あり」と記録しますが、まあこれもあることがふつうなので、文字にかかっていない程度であれば無視してもよいでしょう。逆に虫食いがひどく開披もできないようであれば「虫損甚だし」などと記録します。なお、紙を食べてしまう虫の害については漢籍ではむつかしく「蠧損(とそん)」と書いたりしますが(「蠧」はキクイムシの意)、「虫損」で問題ありません(もっとも、「虫」は「爬虫類」などのとおり、もともと昆蟲を指す字ではありませんが)。
虫損に対しては、裏から和紙をちぎって貼る「虫つくろい」や、別の紙を一丁まるまる裏から貼る「総裏打ち」をしてある場合もあり、必要であれば「虫損あり(裏打ち補修あり)」などと記録します。

食害として昆虫のほかに時々見られるのは、ネズミによって端を食いちぎられたもので、これはなかなか補修もたいへんです。歴世、ネズミ対策で最も有効なのはと言えばネコを飼うことだったわけですが、ある本に捺されていた蔵書印には、猫の後ろ姿のシルエットと「辟鼠」という文字が彫られていました。はたしてネズミ避(よ)けに効果があったでしょうか。

2019年3月22日

付ける/貼る/挟む-アイテムレベルの注記(4)

こんにちは。AS 伊藤です。主に和漢古書を担当しています。

前回にひきつづき、書き入れについて、以下いくつか補足します。前述のように、注釈やルビ、振り仮名や送り仮名などを本文に書き入れているケースが多く、その場合は「書き入れあり」と注記するということで問題ないと思いますが、本文に朱引きや句読点が施されているだけの場合は、注記するかは微妙なものがあるように思います。
朱引きというのは、基本的に漢文において、固有名詞を示すために字の上に朱線を引いておくもので、中央に一本線は人名、二本線は書名、右がわに一本線は場所、二本線は国名、左がわに一本線は官職、二本線は年号というルールが一般的とされます。ただ、こうした朱引きや句読点が施されていること自体は、読み手による「読書」という行為がなされたことを示しているだけと言え、注釈が書かれているのとは、その図書へのかかわりかたの度合いが一段違っていると言ってよいかと思います。
いずれにしろ実際によく目にするのは、朱引きにしろ注や訓点にしろ、最初の数丁はくわしく書き入れがなされていても、それ以降は何もされていないきれいなままという状態の本です。多くの人の身に覚えのあるところでしょうが、昔のひとも明きらかに途中で「力尽きて」しまったのでしょうね...。

書き入れは基本的に本文の欄外や行間になされますが、付箋や貼紙(専門用語としては「押紙(おうし)」とも言います)に書かれている場合もあります。これらについては「付箋あり」とか「貼紙あり」とか注記しておけばよいかと思いますが、「付箋」については現代のポストイットのようなものと区別して書き分けておいたほうがよいかもしれません。
なお後者については、表紙などに「春」とか「ぬ弐百七」とか、所蔵者の函架番号と思われる情報が書かれた四角や八角形の紙が貼られていることもよくありますが、こうしたものについては、記述する重要度としてはあまり高くはありません(こうしたものが直書きされている場合や表紙や見返しに「全十冊」などとセットの冊数が墨書されているようなケースも、通常のレベルの書誌記述であれば無視してよいかと思います)。

付箋や貼紙が剥がれた場合であることもままありますが、メモや覚(おぼえ)などが挟まっていることもよくあります。内容的にまったく無関係なものである場合も多いですが、記録する必要がある場合は「付:「○○」とある書付1枚」とか「挟みもの:甲より乙宛書簡1通」とかしておけばよいでしょうし、とくに詳しく記しておく必要がなければ「挿紙あり」「挟紙あり」といった注記でとどめておくのでよいでしょう。
なお、貼り込みにしろ挟み込みにしろ、詳細に記録する場合は数を数えたほうがよいかもしれませんが、時にものすごく多い場合もあるので、まあ無理はしないでよいでしょう。

いずれにしろ、書き入れや貼紙・挟み込みについては、和漢古書においては基本的に存在して当然のものですので、そう目を皿にして絶対に見逃さないようにするほどのことはなく、そこそこ目立つ場合に記録するくらいの意識でよいかと思います。

2019年3月20日

きょうのデータ部☆(3/20)

      明日は春分の日ですね。
      気がつけば......... 

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      もう桜が咲きそうです。
      なんだか桜の木、全体が赤っぽく見えます。

2019年3月18日

「書き入れ」≠「書き込み」-アイテムレベルの注記(3)

こんにちは。AS 伊藤です。主に和漢古書を担当しています。

前々回前回、印記について見てきました。所蔵者を示す情報としては、江戸時代以前のものはすくないですが、蔵書票が図書に貼られていることもたまにあります。これは印記と同様、「蔵書票:「○○藏」」などと記録すればよいでしょう。
よく見られるのは、現物の表紙や裏表紙やそれぞれの裏に直接「○○藏書」などと書いてあるケースです。20世紀に至るまで、昔のひとは本に限らず物品を入手すると、いつ・どこで手に入れたかをモノに書きつけておく習慣があり、「昭和十年八月十日於神田山本書店購求」といった墨書をよく目にします。こういった旧蔵者や伝来の履歴を記したものについては、「表紙記:「○○藏書」」とか「裏見返しに「文化丙子之夏於平安書肆求之 岩本氏」と墨書あり」といったぐあいに記録しておけばよいでしょう。
漢籍の用語ではこういった書き入れのことを「識語(しきご)」といい、したがって「識語:文化丙子之夏於平安書肆求之 岩本氏」などと記録してもよいのですが、たんに「○○藏書」とあるようなものについてはふつう識語とは言わず、基本的には、その図書の伝来の履歴を示している文章や、後の時代の学者が記した書誌学的なメモの場合にこのタームを使うことが多いです。
識語が記されているのは見返しや裏見返しといった場所が多いですが、以前見た「奥書」と違い、とくに場所の限定があって使用されるタームではありません(だからこそ、「巻末の識語」と「奥書」とは重なってくるのですが)。他方、文字や文章を練習したものや「へのへのもへじ」のような落書き(時にもっと尾籠猥雑なものもあったりします)など、あまり意味のないものは、「書き入れ」とは区別して「書き込み」と称し、基本的に無視します。小説本の見返しや裏見返しには、「此の本何方様へ参り候とも早速御返し下さるべく候」といった貸本屋の文言もよく目にしますが、これらも転記して記録するかどうかは微妙なところかと思います。

旧蔵者による書き入れでいちばん多いのはもちろん、注釈やルビ、訓点などを本文に書き入れたものです。これらについては、もともとある―すなわち体現形レベルで存在する―注や訓点とは厳密に区別しなければいけません。もっとも、刊本ならそこははっきり区別できますが、写本の場合はもともとあった頭注なのか書き入れなのか、判然としないこともしばしばありはします。
記録のしかたとしては、基本的には「書き入れあり」としておけばそれでよいかと思います。すべて朱筆による場合は「朱筆書き入れあり」、墨書と朱書と両方ある場合は「朱墨書き入れあり」といったぐあいに記録します。
なお、注釈の書き入れの場合、当人による注やメモのみならず、先人の注釈を書き写していることもあります。行き届いた人だと、注釈者ごとに黒・朱・藍・緑などで色を変えていたり、各巻末に「何年何月何日誰それの注によって校了 何某」と明記したりしており、そういった年記や人名の情報は何らか記録しておいたほうがよいでしょう。

2019年3月19日

特別な時も、日常でも

本日は「週刊新刊全点案内」2103号の発行日です。
掲載件数は1356件でした。

*こんな本がありました*

はればれ、お寿司」

嵐山 光三郎〔ほか〕(著)
河出書房新社(2019.3)

おいしい文藝シリーズからの新刊です。今までのラインナップを見ると、珈琲、パン、チョコレート、ラーメンなど、どれもおいしくて好みが人によって色々分かれそうなものばかり。

今回は「お寿司」。卒業・入学などにあわせて、特別な食事が増えるこの季節はお寿司を食べる機会も多そうです。

余談ですが、好きな食べ物は?と聞かれたら、ちょっと芸が無いけれど「お寿司」と答えてしまいます。たまに回転寿司に行き、何となくのお決まりは、あら汁を飲んでいて、つい具をたべたくなり口に入れ、骨と格闘するというもの。辛いし、カッコ悪くて反省するのに、なぜか次に食べる前に「おいしそう、今回は骨そんなにないかも!?」と思ってしまうのです...

2019年3月15日

篆書との格闘-アイテムレベルの注記(2)

こんにちは。AS 伊藤です。主に和漢古書を担当しています。

前回にひきつづき、蔵書印について書きます。
蔵書印は朱印か黒印がふつうですが、藍色や緑色のものもあります。かたちは正方形のものが多いですが、長方形や円形のものもしばしば見られます。凝ったものでは、鼎(かなえ)型や瓢箪型のもの、白澤(はくたく)という伝説上の生き物をかたどったものなどもあります。
また、蔵書印の印文は、基本的には前述のとおり誰の所蔵かということを示すだけのものですが、時には古人の詩句を引用したり文章になっていたりする「詞句成語印」もあり、このあたりは教養の見せどころになっています。
書体は篆書体が一般的で、したがって和漢古書の目録作業にあたっては篆刻字典が欠かせません。時として、古代の青銅器に刻まれた書体である金文や甲骨文字を用いているような、手強すぎるケースもあります。そのほか、図案化した糸印(いといん)や役所の印判ふうの關防印(かんぼういん)というようなものもあります(後者は書画の引首印の意味でも使われますがほんらい別もの)。

書誌記述にあたっては、複数の印が捺されている場合、「捺された年代順に記録する」のが原則です。重なって捺されているときなどはもちろんわかりやすいですが、そうでなくても、本文巻頭の右下から右上に、前に捺されたものや文字を避けながら捺していくのが基本的なルールですので、もちろん例外は多々あるとは言え、そのように記録していけばほぼ間違いないでしょう。
記述のしかたとしては「印記:「〇〇藏」、「〇〇圖書記」」のように書きますが、誰の蔵書印か判明していれば名前を括弧に入れてつづけて書くようにNCRでは規定されています。もっとも、図書の特定の場所に捺されている場合にその場所を括弧に入れて書くやり方も考えられたりもするので、理想的には「旧蔵者典拠」を作ってそれとリンクさせるのがもっともよいでしょう。国文学研究資料館が公開している「蔵書印データベース」は、その意味でもたいへん有益なデータベースになると言ってよいと思います。

このデータベースは非常に便利で、印文の一部が読めない場合など、印のかたちや大きさや色、陽刻(朱文)か陰刻(白文)かなどといった条件を加えて検索ができますし、4文字目がたとえば「學」とあることだけがわかるとき「4学」と入れれば該当するものを示してくれるなど、出現位置や文字の総数といったいろいろな条件で検索でき、国文研の電子資料館のなかで出色のものと思います。数年前までは、専門書の索引や篆刻字典をあたるしかありませんでしたので、インターネット環境でほんとうに便利になったものです。
といって、上記データベースなどに収録されていないものも多数ありますので、読めないものは「蔵書印2印あり」とか、「印記:「(糸印)」」のように記録しておけばよいでしょう。

2019年3月13日

きょうのデータ部☆(3/13)

東京の最高気温は18度だとか。
暖かですが、風が強く吹いています。


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鯉をイメージしたという幸運の魚だそうです。
魚のアタマに人のアタマが...怪しい。
仏像っぽくも見える...。
近くの広場で泳いでいます。

2019年3月12日

医師が書いた小説

本日は「週刊新刊全点案内」2102号の発行日です。
掲載件数は1247件でした。

*こんな本がありました*

SBS:乳幼児揺さぶられ症候群

ロバート・リース(著),溝口 史剛(訳)
金剛出版(2019.3)

タイトルそのままSBS(乳幼児揺さぶられ症候群)の本なのですが、普通の医学書とは色々違う。著者の立ち位置を理解するのに時間がかかりました。

SBSの診断が虐待の疑いを呼び、不幸な親子分離や訴追を生む温床になっている、との世論がある

→ 著者は虐待医学をリードしてきた医師。「50対50の大激論が医学会に存在する」ように見せ、「小児科医にかかると虐待にされるぞ」と不安を煽るマスコミ戦略。著者も批判にさらされる

→ 法廷サスペンス風小説を書いて、「冤罪」問題に取り組む法学者・実務家らの実態を描く

という流れのようです。
医者が書いた法廷小説というのが目新しく、付された解説には非常な熱量を感じました。

帯には「何人かの人が大声で繰り返し何かを叫んだ場合、内容の正確性はさておかれ、愚かな主張が長く抑圧された真実のように聞こえてしまう」とあります。

私にはこの本の主張がどこまで医学・法曹界・現実を反映したものなのか等見当がつかず、SBSで検索して出てきた虐待疑いで人生を壊されてしまった家族の話はとても他人ごととは思えず心が痛んだのですが、でもこの帯の言葉などは心に留めておきたいとも思いました。

2019年3月14日

日々をともに

こんにちは。
今月の雑記テーマは「私の三種の神器」。


「三種の神器」と呼べるほど愛用しているもの、というと
やはりまず思い浮かぶのは業務で使う道具たち。
"三種"では収まりきらないので、
今回はこちらの記事で触れていないものに限定してご紹介しましょう。


・付箋
データ部員の机上を彩る存在・その1。
サイズも色も様々です。
私が実際に使うものは無地ばかりなのですが
店先には絵柄が入ったものや変わった形のものなど、
かわいらしいものが豊富に並んでいますよね。
今の時期ならば桜モチーフ...でしょうか?
帰りに少し、文具売り場をのぞいてみようと思います。


・ラインマーカー
データ部員の机上を彩る存在・その2。
部署内での使用頻度が高いのはピンク・黄・青あたり。
データ部には他にもオレンジ・緑・紫なども揃っています。
このラインナップを活かしたい...と思うのは、
色付きの紙にラインを引く時です。
まさに、先ほどの付箋のような。
以前、ピンクの付箋にピンクのラインマーカーを
引いてしまったことがありました。
...きちんと目に付く組み合わせで使いたいものです。


・定規
最後に個人的なものをひとつ。
目録作成の必須アイテム、メジャー。
図書の大きさを測るために使います。
では定規は...?
実は文字を読むのに用いています。
データ部では非常に多くの印刷物を扱うため、目が滑ってしまうことも。
それを防ぐため、読みたい行の脇に定規を当て、
隣の行が目に入らないようにしているのです。
私の定規は金属製。透けないので隣の行を隠すのに向いています。
かなりの愛用品です。


私が日々特によく使うものを選んでみました。
...どうにか"三種"に収めることができたようです。よかった。

2019年3月11日

蔵書印か否か-アイテムレベルの注記(1)

こんにちは。AS 伊藤です。主に和漢古書を担当しています。

以前述べたとおり、NCRの規定では体現形レベルの注記とアイテムレベルの注記が混在していますが、今回からアイテムレベルの注記について見ていきたいと思います。これらは現代書では、記録するとすれば登録番号や請求記号などと同じくローカル情報として記録され、書誌記述としては記録されませんが、基本的に「一点もの」として扱われる和漢古書においては、重要な情報として書誌中に記録されます。

アイテムレベルの注記として、和漢古書において最も特徴的といえるのは、蔵書印についての注記でしょう。蔵書印自体は、もちろん現代書でもしばしば捺されていますが、その情報を書誌中に記録することは、現代書ではありません。
蔵書印は基本的にはもちろんその図書を持っていた旧蔵者が捺すもので、姓名や号、あるいは「字曰○○」(字(あざな)を○○という)などとあるのが一番直截なものと言えます。もちろん、「○○所藏」(「藏」はよく減筆して「臧」と刻されています)「○○之印」とかいったものがスタンダードですし、「○○清玩」とか「○○珍賞」とかいったものもよく見ます。鑑定をお願いされた著名人が「~審定」「~閲過」「~過眼」といった印を鈐(けん)している場合も時々あります。
もっとも中にはへんなひともいて、明治初年の寺田望南(てらだ・ぼうなん)というひとは、他人から借りた本や書店が見本として置いていった本にまで自分の印を捺しまくるという行為をやらかしています。このひとの「讀杜艸堂」という印記はたいへんよく見るのですが、そういう事情ですので、大蔵書家の蔵書があちこちに散逸しているというわけではありません。

ある蔵書家の蔵書を一括して受け入れた場合、寄贈したがわが寄贈印を、購入・受け入れしたがわが受入印を捺している場合もあります。こうしたもので「○○文庫」「○○藏書」などという文言のものは、厳密に言うと蔵書印ではないのですが、通常の蔵書印と同様に扱ってよいかと思います(日付や番号が入れてあるものは、ふつうローカル情報として処理するかとは思いますが)。
巖松堂や達摩屋五一といった古書店が捺したものも同様に蔵書印として記録してよいかと思います。ただ、裏見返しの裏などに捺してある認印のようなものは、さすがにふつうは蔵書印とはしません。
また、小説の類だと貸本屋の印が捺されていることもよくあります。又貸しはするなとか唾をつけてめくるなとかいった注意書きの文章になっていたりすることもありますが、これらも蔵書印として記録するか、ちょっと微妙な場合もあります。ほんとうの蔵書印の記録とは別に、「貸本屋印8印あり」などといった具合に記録するのでもよいかもしれません。

蔵書印として記録しては絶対にいけないのは、版元が捺している蔵版印です。見返しや刊記に押されている蔵版印を蔵書印記として記録してしまっている書誌が時々ありますが、これはアイテムレベルで存在しているものではなく、体現形レベルで存在するものであるわけですから、「出版にかんする注記」として記録しなければなりません。写本で、自筆の序跋や奥書の末尾などに捺されているものも蔵書印ということにはなりません。

2019年3月 8日

「ハンニャハラミッタ」ではいけなかった?-仏教書の注意点

こんにちは。AS 伊藤です。主に和漢古書を担当しています。

前回、仏教書のシリーズ『大藏經』について書きました。もちろん、仏教はきわめて専門性の高い分野で、正直、部外者があれこれ言えるところでもなく、長澤規矩也氏でさえ『和刻本漢籍分類目録』では医書(医家類)と仏書(釋家類)は対象外としています。
ただ、日本の仏教界はきわめてぶあつい伝統がありますし、また『大正新脩大藏經』の電子化も他に先駆けて進んでいるなど、仏教系の各大学等でハイレベルな整理が進められていますから、一般人としてはそれらを頼りにすればよいでしょう。ただし、同じ語でも宗派によってヨミが違うなどということもあったりするようなので、そのあたりは注意が必要かと思います。

また、西域や印度出身の訳経僧の名前は、伝統的には「支婁迦纖(しるかせん)」「菩提流支(ぼだいるし)」といった漢字形とその音読みで通ってきているのですが、洋書と一緒のデータベースに格納したり、国際典拠を意識したりということになると、やはり「Lokakṣema」「Bodhiruci」などサンスクリットのアルファベット表記形を統一形とするべき、ということになるでしょう。同名異人や異名同人も結構いますので、慎重に同定する必要があろうかと思います。
ちなみに以前、漢籍の責任表示のところで、仏僧については「(唐釋)」といった具合に「王朝名+釋」を頭につけて記録するということを書きましたが、お坊さんであることを示す語としては、「釋」とか「僧」とかのほか、「佛子・沙門・桑門・頭陀・杜多・比丘・苾芻・三藏」といったものがありますので、気づくようにしておきましょう。
また統一形としては、原則として俗姓は無視して「玄奘」「空海」などと法名のみを記録します。なお、禅宗の僧侶の場合は、「夢窓疎石(むそうそせき)」「春屋妙葩(しゅんおくみょうは)」のように「道号+法諱」を統一形とする場合もありますが、もちろんこれを「姓,名」のように記録したりするような真似はしないよう、注意しましょう。

また、仏教関係の目録記述でもうひとつ注意しておかなければならないこととして、梵字(ぼんじ)のことがあります。これは、仏教成立当時のインドで使われていた梵語(サンスクリット語)を筆記するのに用いられた文字―ただし、あくまでいくつかの筆記体系のなかの一つです―で、われわれが卒塔婆とかで目にするあの文字ですね。厳密にはイコールではないということですが、悉曇(しったん)文字とも呼ばれます。ちなみに「悉曇学」というと、梵字を対象とした音韻の学問で、江戸時代以前の日本語の言語学的研究にも大きな影響を与えました(仮名の五十音図などは悉曇学に基づいて成立したものです)。
この文字は、やはり仏教関係では書名などでも時々出てきて、とくに密教系の本ではよく使われますが、現在のところ通常のコンピュータ環境では入力できません。ということで、目録記述するとなると、ゲタなどで記入しておくか、カナやアルファベット、あるいは系統を同じくするインドのデーヴァナーガリー文字で補記する、ということになるかと思います。

ちなみに、NCRの標目付則1の1.2.2では、外国語・外来語の漢字による当て字(音訳)に対しては、原語の発音に対応するカナ読みを与えるということになっていますが、仏教用語では当然サンスクリットからの音訳のものが多いです。となると、悉曇はシッダム、卒塔婆はストゥーパ、般若波羅蜜多はプラジュニャー・パーラミターと読みを与えるべきなのかとか、「僧」とか「菩薩」とか当て字をさらに省略したかたちの場合はとか、いろいろ悩ましくもなってきますが、基本的に江戸時代以前に入ってきた梵語由来のものは、もう日本語の単語としてふつうに音読みするということで、もちろんよいはずと思います。

2019年3月 6日

きょうのデータ部☆(3/6)

3月になりました。
ここのところ、晴、雨、晴、曇、と天気が1日ごとに変わります。
今日はどんより...お昼休み、公園のベンチにも人影なく。


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予報では、明日は雨、週末は晴れる予定です!

2019年3月 7日

家電三種

今月の雑記のテーマは、「私の三種の神器」です。
三月にちなんだのと、もうすぐ天皇の即位の礼があるということで。
といっても、個人的にそんなに大層な三種の神器はないのですが...。
かつては「テレビ・冷蔵庫・洗濯機」が三種の神器と呼ばれたそうなので、わが家で買って良かった家電製品をご紹介します。

まず一つ目は、電気ケトル。
すでにお持ちの方も多いと思いますが、あっという間にお湯が沸くので、これを入手してからお茶を飲む機会が格段に増えました。
唯一の難点は、ものすごく電力を使うこと。
電子レンジといっしょに使って、何度ブレーカーが落ちたことか...。

二つ目は、人感センサー付きヒーター。
冬場のトイレは何かと危険なので、人が入ると自動的に電源がオンになるこのヒーターを置いています。
以前は手動で電源をオンオフする小さなヒーターを使っていましたが、ちょっと面倒なのと消し忘れが怖いので、センサー付きにしました。
一度使ったらやめられず、早くも二台目です。

そして三つ目は、草刈り機。
わが家の庭は、夏場は特に雑草との闘いです。
庭を歩くのにも邪魔だし、見栄えも悪いので、定期的に草むしりをしていたのですが、あっという間に元通りになるので、だんだん手を抜くように...。
そこで導入したのがこの草刈り機。ブレードではなくて、ナイロンコードを高速回転させて草を刈るので、比較的安全だし、重さもそれほどでもないので、「なぜもっと早く導入しなかったのか...」と後悔しています。

こんな何ということもない家電たちも、昭和の時代には考えられなかったですね。
次の時代にはどんな家電が生まれるんでしょうか。

70年代アナログ家電カタログ」

松崎順一(著)
青幻舎(2017.3)

2019年3月 5日

よりどりみどりの文具屋巡り

本日は「週刊新刊全点案内」2101号の発行日です。
掲載件数は1352件でした。
今月の表紙はこちら。
p20190305.jpg

春の新タマネギを描きました。
お店で見つけたら「待ってました!」とばかりに購入。
薄くスライスして、サラダに入れたり
鰹節とお醤油だけでも、モリモリ食べられる!
瑞々しくて甘い新タマネギ。
「おいしい~~~~!」
瑞々しさを思わせる雫と
タマネギと言ったら「涙!」のイメージで
タマネギと雫を合わせてみました。
(Juriさん)


*こんな本がありました*

東京 わざわざ行きたい街の文具屋さん

ハヤテノ コウジ(著)
G.B.(2019.3)

そういえば、最近文具屋さんに行く機会がめっきり減ったなあ...気付いたこの頃。
必要な筆記具は大抵本屋やコンビニで購入していたので、文具専門の店に赴くこと自体なくなっていました。
この本では文具好きなイラストレーターの著者が、都内にある様々な文具屋さんを紹介しています。
掲載されているのは話題の人気店から、海外メーカーの直営店など個性的なものまで。
扱う品も実用文具のみならず画材、万年筆など様々です。しっかり地図も載っているので、文具屋巡りで一日が過ごせそう。

私も紹介されているお店の中に昔通っていたところを見つけて、「おっ!」となりました。
消しゴムの買い替えをコンビニで済ますようになって久しいですが、また今度棚に並ぶ文具をじっくり見に行ってみようかな、と思います。

2019年3月 4日

所有者不明~新設件名のお知らせ2019年2月分~

明日発行の『週刊新刊全点案内』は、巻頭に「新設件名標目のお知らせ」を掲載しています。
新設件名は、TRC MARCで件名標目を新たに採用したものという意味で用いていますので、NDLSHから採用したものも含まれています。

2月は3件の件名を新設しました。その中に「所有者不明土地法」があります。正式名称は「所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法」。

所有者不明土地とは、「不動産登記簿等の公簿情報等により調査してもなお所有者が判明しない、又は判明しても連絡がつかない土地」だそうです。用地確保の妨げとなり、公共事業が進められないという問題が起きているとのこと。
その問題は災害復興の場面でいっそう意識されるようになり、解決のために施行されたものです。


さて。この件名を新設したまさにその2月のことです。
とつぜん司法書士事務所から封筒が届きました。

心当たりがないので若干緊張しながら開封したところ、親族(とはいえ顔もよくわからない)で相続が発生したらしく、私に権利がある(らしい。初めて聞いた)、道路(...道路??)の何十分の一(...えー...)だかの処遇について一任して下さい、というような(すでにうろおぼえ)お手紙でした。
追っていくぶん近しい親族から電話連絡があり、怪しい話ではないようなので(って失礼な...)言われたとおりに返事をして終わったのですが。

確かに相続を繰り返すうちに所有関係が複雑になることが実感された出来事でした。
これでわたしに連絡がつかなかったら、その何十分の一だかも所有者不明土地になっていたのかな...。

2019年3月 1日

大藏經―仏教の大叢書

こんにちは。AS 伊藤です。主に和漢古書を担当しています。

前々回前回、和漢古書のシリーズについていくつか見てきましたが、ここでもう一つ、仏教の一大叢刻であるところの『大藏經(だいぞうきょう)』について、すこし触れておきたいと思います。

『大藏經』は『一切經(いっさいきょう)』とも言い、漢訳された仏教経典とその注釈・論集等を集めた、収録部数一千部以上に及ぶ一大叢書です。中国では宋代以来、歴代王朝の皇帝の勅命により何度も刊行されており、朝鮮半島でも高麗時代に国家事業として『高麗藏(こうらいぞう)』と呼ばれるものが刊行されました(再彫本の版木が現存しています)。
日本では、天海僧正により着手されたものが慶安元年(1648)に徳川幕府の支援を受けて刊行された寛永寺版(『天海藏』)が嚆矢(こうし)となりますが、一般に広く流布したのは寛文8年(1668)から延宝・天和にわたって刊行された鉄眼版(てつげんばん)と呼ばれるものです。
これは、鉄眼道光(てつげんどうこう)というお坊さんが、明代に民間から刊行された「万暦版」をもとに翻刻したもので、版木を宇治の黄檗山万福寺に収蔵したので、「黄檗版大藏經」という呼称もあります。訓点が施されている著作も一部ありますが、版式は明の原版のものを踏襲して毎半葉十行二十字、これが現在の原稿用紙のもとになったと言われます(いわゆる明朝体もこの鉄眼版の書体によると言います)。各巻末に刊記を具えたものが多いですが、後印本・補刻本などでは埋め木されたりしていることもままあり、和漢古書の整理の現場でよく目にするのはそれらのものです(明治以降は、京都の印房武兵衛(貝葉書院)が印行を請け負っています)。
全冊揃いで保有しているところはそんなになく、離れ本として出てくることが多いですが、その場合は、現物や帙に「大藏經」と明記されていなくても、やはり「『一切經』之一」などと注記しておいたほうがよいでしょう。

明治以降も、弘教書院の『大日本校訂大藏經』(縮藏)や大藏出版の『大正新脩大藏經』(大正藏)などの活字和装本が刊行されており、とくに後者(底本は上述の再彫本『高麗藏』)は世界的にスタンダードとして利用されています。
なお、鉄眼藏や大正藏などでは、題簽や版心上部に「印度撰述」「支那撰述」「日本撰述(扶桑撰述)」といった文言がしばしばありますが、これは原著の成立地別のカテゴリーを示したものであり、別タイトルの一部として記録したりするのはあまり適当ではありません。

ちなみに、神道ではこうした一大叢書というのはありませんが、中国の道教では、やはり経典を総結集させた『道藏(どうぞう)』という叢書が編纂されています。

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